ブリヂストン、本社1階でボーイング 787用航空機タイヤを展示中 展示タイヤは久留米工場製 |
本社1階のコミュニケーションスペースに展示されているボーイング 787用航空機タイヤ |
ブリヂストンは、10月6日まで本社1階のコミュニケーションスペースで航空機用タイヤを展示している。この展示は、同社の広告シリーズ「TAIYA CAFE(タイヤカフェ) 航空機タイヤウォッチング編」と関連しており、世界で認められた同社の技術力をより多くの人に知ってもらうためだと言う。
現在ブリヂストンは、世界の2大旅客機メーカーである、エアバス、ボーイングにタイヤを供給しており、展示されているタイヤは最新鋭の旅客機である「ボーイング 787 ドリームライナー」用のもの。ボーイング 787は、ANA(全日本空輸)、JAL(日本航空)ともに運用を開始しており、ボディー素材などに日本製のカーボン部品などを使用。機体構造における日本製のシェアは過去最高の約35%になる。納入メーカーは、三菱重工業、スバル(富士重工業)、川崎重工業が代表的で、部品を運ぶための特殊な輸送機「ボーイング 747LCF ドリームリフター」が、中部国際空港セントレアと、米国のボーイング組み立て工場を往復している。
ボーイング 787 ドリームライナー。写真は、787の大型部品を搬出する拠点になっているセントレア飛来時のもの | 主翼をしならせて飛ぶ787。カーボンを多用した新世代の旅客機 |
タイヤは前輪が2つ、後輪が片側4つ。計10本を使用 |
787の奥に見えるのが747LCF。ジャンボを改造した機体 | 尾部が開く構造になっており、787用の大型カーボン部品を日本から米国まで空輸する |
ブリヂストンはボーイング認定サプライヤーとして、航空機用ラジアルタイヤを供給。この航空機用ラジアルタイヤは、高弾性・高強力コードを内部構造に使用し、異物を踏んでもダメージを受けにくく、傷がついたとしてもより壊れにくい性能を持つもの。航空機向けのため軽量化にも配慮されている。
また、トレッド面を張り替えすることで再生利用可能なリトレッドタイヤとなっており、約350回の離着陸でリトレッドを実施。約3回のリトレッドが可能となっている。
ボーイング 787用航空機タイヤのサイズは、50×20.0 R22。つまり、タイヤ外径50インチ、タイヤ幅20.0インチ、ホイールサイズが22インチとなる。この航空機用タイヤの製造は久留米工場、東京工場の2個所で行っており、展示タイヤの製造は「PLANT CODE EH」と刻まれていたことから久留米工場。ちなみに、東京工場はEMのコードが刻まれるとのこと。
トレッドパターンは、6本のストレートグルーブのみ。駆動力が加わるタイヤではないため、排水性を一番に考慮したパターンになっているのだろう。
ショーケース内から撮影した787用航空機タイヤ | 航空機用ラジアルタイヤであることを示すロゴ |
トレッドパターン。6本のストレートグルーブとなる | |
久留米工場製造であることを示す「PLANT CODE EH」 | ボーイングのパーツナンバーも刻まれていた |
今回は、許可をいただきショーケース内から撮影を行ったが、外部からでもその巨大なタイヤを見ることが可能だ。航空機用タイヤを間近に見る機会はそれほどないため、ブリヂストン本社近くに立ち寄った際は、その大きさを実際に確認してほしい。
(編集部:谷川 潔)
2012年 7月 20日