アルファ ロメオ、世界で3台の「TZ3 ストラダーレ」を東京で展示
60年代の傑作をもう1度世に問う

2012年8月30日



 フィアット クライスラー ジャパンは、東京 青山にあるファッションブランド「コスチューム ナショナル」の店舗に、アルファ ロメオ「TZ3 ストラダーレ」を展示する。期間は8月30日~9月17日で、入場は無料。

 TZ3 ストラダーレは、アルファ ロメオ創業100周年と、TZ3のコーチビルドを手がけたカロッツェリア「ザガート」の創業90周年を記念して、全世界9台限定で制作されるスペシャルモデル。現時点では3台しか制作されていないが、コスチューム ナショナルに展示されるのはその2号車。

 TZ3 ストラダーレは、アルファ ロメオの1960年代のレーシングマシン「TZ」「TZ2」をモチーフとして開発された少量生産モデル。フロントミッドにV型10気筒 OHV 8.4リッターエンジンを搭載し、6速MTを介して後輪を駆動する。最高出力は606PS/6000rpm、77.5kgm/5600rpm。

 デザインはTZ、TZ2同様にカロッツェリア ザガートが手がけた。その特徴はTZ、TZ2でもアイコンとなっている「コーダトロンカ」テール。テール部分を切り落とし、切断面を黒く塗って強調するのが特徴だ。

TZ3 ストラダーレ。TZ、TZ2同様のロングノーズショートデッキのフォルムに、コーダトロンカを組み合わせる
側面に出たエグゾーストパイプやエンジンルームが覗けるエアアウトレット、ダブルバブルルーフなど、凝ったディテールも見所
前方に開くエンジンフードを開けると、フロントミッドに搭載されたV10エンジンが覗くピラーがすべてブラックアウトされたグリーンハウス

原田氏(左)とカバサ氏

 公開初日となる30日、展示会場のコスチューム ナショナルでTZ3 ストラダーレのお披露目イベントが開催され、ザガートのチーフデザイナーである原田則彦氏と、TZ3 ストラダーレ 2号車のインテリアを手がけたコスチューム ナショナルの創設者であるエンニョ・カバサ氏がTZ3 ストラダーレについて語った。

 原田氏によれば、コーダトロンカのデザイン的な効果を高めるためには、テール部分より前のボディーのボリュームを増やし、かつ、前方から後方へ流れるラインをダイナミックにすることで、切断されていることを強調する必要があると言う。

 そのためTZ3 ストラダーレでは、グリーンハウスのピラーをすべてガラスで覆ってブラックアウトし、前方から後方への流れを断ち切るものをコーダトロンカだけにした。

 カバサ氏はインテリアのデザインコンセプトを「まずみなさんに、このクルマに乗っていたいと思っていただくこと。そうした歓びを感じていただけるようにデザインした」と語った。原田氏は、カバサ氏のシンプルでミニマルで洗練されたコンセプトは、ザガートのコンセプトと通じるところが多く、エクステリアともうまくマッチしたと語った。

カバサ氏によるインテリアはコスチューム ナショナルのコンセプトそのままにミニマルでシンプル会場には同日発表されたジュリエッタの新色も

【お詫びと訂正】記事初出時、最高出力の数値を誤って記述しておりました。お詫びして訂正させていただきます。

(編集部:田中真一郎)
2012年 8月 31日