アウディ、「Q5」をマイナーチェンジ、エンジンを一新
ハイブリッドを2013年に国内投入

2012年11月21日発売
579万~673万円



 アウディ ジャパンはミドルサイズSUV「Q5」をマイナーチェンジし、21日に発売した。「Q5 2.0 TFSI quattro」と「Q5 3.0 TFSI quattro」が用意され、価格は579万円と673万円。右ハンドル仕様のみとなる。

 同社は21日、表参道のアウディフォーラム東京で、Q5の発表会を開催した。

フロントマスクとエンジンを一新
 Q5は同ブランドのSUV「Q」シリーズのミドルサイズモデルとして、2009年に国内に投入された。登場以来、3年ぶりの仕様変更となる。

 外観は、フロントバンパー、エアインレット、フロントフォグランプなどのデザインが変わったほか、シングルフレームグリルが最近のアウディ車と同じく角を落とした6角形になった。また、ヘッドライトユニットのLEDポジションランプがウィング形状から、ユニット全周を取り囲むようになった。

 またインテリアでは、ステアリングがQシリーズ専用デザインの3本スポークになった。

Q5 2.0 TFSI quattro

 エンジンは、2.0 TFSI quattroに直列4気筒DOHC 2リッター直噴ターボ、3.0 TFSI quattroにV型6気筒DOHC 3リッター直噴スーパーチャージャーの2本立てで、いずれもガソリンエンジン。

 トランスミッションはどちらも7速デュアルクラッチAT「Sトロニック」から8速トルクコンバーターAT「ティプトロニック」に変更されている。

 2リッターターボエンジンはマイナーチェンジ前にも用意されていたが、今回搭載されているのは新開発されたもの。最高出力が155kW(211PS)/4300-6000rpmから165kW(224PS)/4500-6250rpmに引き上げられている。最大トルクは350Nm(35.7kgm)のままだが、発生回転数が1500-4200rpmから1500-4500rpmにやや拡大された。

 2段階の可変バルブリフト機構「アディバルブリフトシステム」が引き続き採用されるが、新たに新開発のターボチャージャーや電動ウェイストゲートアジャスターなどが採用された。

Q5 2.0 TFSI quattro

 3リッタースーパーチャージャーエンジンは、マイナーチェンジ前のV型6気筒DOHC3.2リッター直噴エンジンを置き換えるもの。スーパーチャージャーをシリンダーバンク内にレイアウトする。最高出力は199kW(270PS)/6500rpmから200kW(272PS)/4780-6500rpmに、最大トルクは330Nm(33.7kgm)/3000-5000rpmから400Nm(40.9kgm)/2150-4780rpmにそれぞれ引き上げられている。

 駆動方式は全車「クワトロ」システムによるフルタイム4WD。通常は前輪に40%、後輪に60%のトルクが配分されるが、それぞれ最大で前輪70%、後輪85%まで配分が可変する。4WDシステムを採用しながら最小回転半径を5.4mに抑えたのも、Q5のアピールポイントだ。

Q5 3.0 TFSI quattro

 安全装備としては、ルーフ上に荷物を積載するとセンサーが検知し、ESP(横滑り防止装置)のセッティングが変更される「アドバンストESP」を標準で装備。

 また、アダプティブクルーズコントロールやアウディ サイドアシスト(死角の車両検出)、アウディ アクティブレーンアシスト(車線逸脱警告)が含まれる「アシスタンスパッケージ」が15万円のオプションで用意される。

 アシスタンスパッケージにはさらに、アダプティブクルーズコントロールを利用した自動フルブレーキング機能が用意されるが、これは30km/h以下で車両に衝突する可能性を検知するとフルブレーキングする機能。検知するのはクルマのみで歩行者は認識しない。また、停止まではせず、最後は人間が操作して停止する必要がある。これは「アウディの思想で、アウトバーンなどで200km/hから停止までするのは危険が大きい。最後は人間がコントロールして停めるのが最も安全と考えている」(アウディ ジャパンの大喜多寛社長)からと言う。

4WDシステムは前後トルク配分可変の「クワトロ」ルーフ積載時にESPのセッティングが変わる自動ブレーキ付きアシスタンスパッケージをオプションで用意
ボンネットとリアゲートにはアルミを採用し軽量化したインフォテインメントシステム「MMI 3G Plus」もアップデート。HDD容量が20GBに拡大し、3000曲以上をCDからリッピングして格納できるようになった

 

大喜多社長

Q5 ハイブリッドは来年早々に投入
 同社の大喜多社長によれば、SUVは安定的に伸びている市場で、中でもQ5の属するBセグメントは「中心となるマーケット」と重視している。そんな中でQ5は4年間で4300台を販売した。

 大喜多社長は「アウディは技術を中心にクルマを開発している会社。中でも象徴的な技術が『クワトロ』。SUVこそクワトロの技術をもっとも発揮できる」とテクノロジー面でのアドバンテージをアピール。

 そんなQ5を大喜多社長は「On and Off」のキーワードで説明した。「ON」はオンロード、「OFF」はオフロードを意味し、Q5がどちらでも卓越した性能を発揮できることを表すが、もう少しこれを拡大して「ホテルでも旅館でも似合う、海でも山でも映える」と、どんなシチュエーションにもマッチするクルマともアピールした。

 また、2.0 TFSI quattro、3.0 TFSI quattroに加え、「2.0 TFSI Hybrid quattro」を投入することも予告。この3台で「Q5ファミリー」が完成すると言う。投入時期は2013年2月頃になる予定で、Q5の販売台数の3割程度を占めることを目指すと言う。

OnでもOffでも映えるQ5ハイブリッドを来春追加する
2012年の1~10月の世界販売はメルセデス・ベンツを抜いて2位に。伸び率もトップ日本の販売は世界第10位日本でも13%伸長した
プレミアムBセグメントのSUV市場は伸びている

(編集部:田中真一郎)
2012年 11月 21日