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アウディ、年始会見で「Q5」と「A8」のハイブリッドを公開

“アウディ ハイブリッドシリーズの完成”でさらなる販売拡大を目指す

Q5 ハイブリッドと並んでフォトセッションに臨むアウディ ジャパンの大喜多 寛社長
2013年1月16日開催

 アウディ ジャパンは、1月16日にアウディフォーラム東京で年始会見を実施。この席上でフラッグシップサルーン「A8 ハイブリッド」、ミドルサイズSUV「Q5 ハイブリッド」の2車種を日本市場に追加投入することを発表した。両モデルは2月1日から全国のアウディ正規ディーラーで販売が開始される。

Q5 ハイブリッド

 昨年11月のマイナーチェンジ発表会でも発売が予告されていたQ5 ハイブリッド。クワトロとハイブリッド技術が組み合わされた初めてのモデルとなっている。車両価格は715万円で、350台の限定販売となる。

Q5 ハイブリッド。ボディカラーはハイブリッド車専用色のアークティックシルバーメタリック
A8と同じ2.0 TFSIエンジンとモーターを組み合わせるハイブリッドシステム。Q5ではトルクベクタリング機能付きクワトロシステムで4輪を駆動。通常時はフロント40%、リヤ60%の駆動配分で、前後どちらかのタイヤが空転したときには逆側のタイヤに駆動力を多く配分するよう可変し、フロントで最大70%、リヤで最大85%までの駆動配分に変化する
ハイブリッドモデルではフロントバンパーの下側までボディ同色に塗装され、無塗装の純ガソリンモデルと比べて視覚的に車高を低く演出。より都会的でスポーティな印象となっている
A8とは逆に、Q5 ハイブリッドは全車左ハンドル仕様
ハイブリッドディスプレイも基本的な配置はA8と同様だが、スピードメーターは280km/hまでとなる。また、中央の液晶ディスプレイもワーニングランプと分割した小型のものになっている
Q5 ハイブリッドのセンターコンソール
リヤシート上まで連続する大型の電動パノラマサンルーフ
10アームのタービンデザインとなるハイブリッド専用ホイール
Q5ではスペアタイヤのスペースを利用して走行用バッテリーを納め、ラゲッジスペースの容量に変化はない。ラゲッジ右側の収納スペースにパンク修理剤が用意されている
Aピラーの下側に設置されたハイブリッドのロゴマーク

A8 ハイブリッド

 これまで日本市場で販売されるA8はすべて4WDのクワトロとなっていたが、A8 ハイブリッドはA6 ハイブリッドと同じパワートレーンを利用しており、前輪駆動のFF車となっている。走行用のリチウムイオンバッテリーを搭載するため、トランク容量は510Lから335Lに減っているが、これをカバーするためアウディ ジャパンでは専用の収納バッグを標準装備とした。これはドイツ本国などではオプション品となっており、さらに車両価格もドイツ本国と比較して低めに抑えた戦略的価格として設定。A8シリーズのエントリーモデルとなる948万円となっており、120台の限定販売となる。

A8 ハイブリッド
JC08モードで13.8km/Lという燃費、アクセル全開時に一定時間作動するブーストモードのモーターによるサポートを合計した最大245PSを両立するハイブリッドシステム。さらに60km/hで約3km走行可能な電気走行モードも用意されている
安全性を重視してトランク内に設置された走行用のリチウムイオンバッテリー。72セルで構成されたバッテリーは電圧が266Vでエネルギー容量が1.3kWh、出力は39kWとなっている
バッテリーの左サイドにはハイブリッドのロゴを配置
標準装備される収納バッグは段差を埋める横長タイプ2個と奥行きを活用できる縦長タイプ2個の組み合わせ
A8 ハイブリッドの内装。全車右ハンドルとなる
専用となるハイブリッドディスプレイ。タコメーターに替わって配置される左側のパワーメーターでは、モーターによるアシストや回生発電の状況のほか、走行用バッテリーの充電残量も表示する
A8 ハイブリッドのセンターコンソール
ハイブリッド専用デザインの19インチホイール。タイヤサイズは255/45 R19となっている
Aピラーの下側にハイブリッドのロゴマークを装着
A8 ハイブリッドのリヤシート

2012年度に引き続き今年度も新車登録台数10%アップを目指す!

「アウディ ジャパンの販売台数は、世界情勢、日本市場の変動の影響を大きく受けず、右肩上がりを続けています」とコメントする大喜多社長

 年始会見で登壇したアウディ ジャパンの大喜多 寛社長は、2012年度の全世界でのアウディ車の販売台数が前年比11.7%増の145万5100台を達成して過去最大となり、アウディ ジャパンとしても前年比10%増の2万4163台の新型車登録台数を記録。日本市場における輸入プレミアムブランドのシェアではBMWに続く第2位になっていると実績を紹介した。

 この要因については、昨年度から新規投入した「R8 スパイダー」「Q3」、Sモデル、「A6 ハイブリッド」といったインパクトのある車種を市場投入したことに加え、販売の質の向上などが寄与していると解説。5年前の2007年ではアウディの販売は「A3」や「A4」が中心になっていたが、現在では1つ上のCセグメントを受け持つ「A6」が大きく躍進し、この5年間で販売台数が2倍以上となっていると説明。さらに認定中古車の販売にも注力するようになり、2012年は6429台を販売。新車と合計すると3万人のアウディオーナーが誕生しているという。

 2013年度は、アウディブランドが持つSporty、Sophisticated(洗練性)、Progressive(先進性)というイメージを浸透させ、ディーラーの新規出店と最新CIに基づく既存店舗のリニューアル、2月に投入する2台のハイブリッドモデル、4月にデビューを予定するR8といったニューモデルの発売などによって、2万4000台を超えた2012年度からさらに新型車登録台数の10%アップを目指すと目標を示した。

今年度のブランド戦略の一端として、アウディ独自の4WD技術のクワトロをアピールしたいと語る大喜多社長
発表された「A8 ハイブリッド」と「Q5 ハイブリッド」の2台には、同スペックの2.0 TFSIエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載。A8はA6 ハイブリッドと同じ前輪駆動、Q5はアウディハイブリッドシリーズで初となる4WDのクワトロモデルとなる
アウディのトップエンドモデルであるR8のニューモデルが4月に登場するとのこと
Sporty、Sophisticated(洗練性)、Progressive(先進性)がアウディのブランドキーワード
販売網の強化策では、すでに数店舗で実施されている「ハンドオーバーゾーン」の設置を増加。専用のきれいな照明のなかでナンバープレートの取り付けや新車の取り扱いについてオーナーに説明するこの施設は、各設置店で好評を得ているという
モータースポーツ、サッカー日本代表、ゴルフ界に対する支援は今年度も継続していくと発表された

(佐久間 秀)