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【LAオートショー 2012】
ポルシェ、シャシー、エンジンなどを刷新した新型「ケイマン」を世界初公開
(2012/12/3 16:47)
2012ロサンゼルスオートショーのハイライトになる存在が、2世代目としてリニューアルした新型「ケイマン」。アメリカはポルシェの重要なマーケットの1つであり、過去のロサンゼルスオートショーでは、ケイマンRやボクスター・スパイダーなどのワールドプレミアを行ってきた経緯がある。
フルモデルチェンジしたケイマンは、より低く、長く、軽く、そして速くと全方位的にパフォーマンスをアップさせている。刷新されたシャシーは、今春に発表した新型ボクスターのボディーシェルをベースに新規開発したもの。材質は、革新的に軽いアルミ・スチール複合で、先代に比べて約47㎏も軽くなっている。軽量化とともに引き上げられたのがねじれ剛性で、こちらも40%アップした。ホイールベースは60mm延長され、トレッドも拡大。大幅な軽量化と車体剛性のアップ、ロングホイールベース化により、操安性の向上やアグレッシブな走行が可能となる。
エクステリアデザインは、新型ボクスターと共通性のある意匠を採用。前後異形のホイールやオーバーハングの削られたシルエット、エッジの効いたサイドラインなど一目でポルシェと分かりつつも、新たなデザイン哲学を用いているのがキーポイント。フロントバンパーにもケイマンならではの特徴があり、左右に設けたラジエターにつながるエアインテークやセンターの開口部、4ポイントライニングライトなどスタイリッシュさとスポーティさを両立させている。
エンジンは、ベースグレードとなるケイマンが水平対向6気筒DOHC 2.7リッター、スポーティなケイマンSが水平対向6気筒DOHC 3.4リッター。ケイマンの最高出力は202kW(275PS)、ケイマンSは239kW(325PS)。2.7リッターエンジンは、先代の2.9リッターに対してダウンサイジングしているにも関わらず10PSアップしており、ケイマンとしては初めてリッターあたり100PSオーバーを実現している。また、3.4リッターのケイマンSも先代に対して5PSアップしたほか、可変レゾナンスフラップによる充填効率の向上や、吸気側の可変バルブリフトと可変バルブタイミングにより、全域でトルクアップするとともに燃費性能も引き上げている。
オートスタートストップ機能も装備していて、燃費性能はケイマンが7.7L/100㎞(PDK)、8.2L/100㎞(MT)、ケイマンSは8.0L/100㎞(PDK)、8.8L/100km(MT)で、どの仕様を選んでも10㎞/Lを越える値をマーク。先代に対して15%の向上を図っている。
改良したエンジンに組み合わせるトランスミッションは、6速MTか7速デュアルクラッチトランスミッション「PDK」になる。PDKはケイマンに合わせてセッティングされていて、マニュアルモードならPSM(ポルシェ・スタビリティ・マネージメントシステム)を解除してアグレッシブな走行をすることもできる。また、ケイマンSにはスポーツボタンが装備され、スポーティから燃費走行までモードをセレクトできる。
エンジン性能の向上や軽量化されたシャシーなど、全面的に改良された新型ケイマンは、国内でも来月から受注を開始する。