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インターブランド、国内企業のブランド価値1位はトヨタ自動車

トップ10にホンダ、日産、レクサスがランクイン

Japan's Best Global Brands 2013を発表した岩下充志代表取締役社長CEO(左)とエグゼクティブ・ストラテジー・ディレクターの田中英富氏
2013年2月13日発表

 インターブランドジャパンは2月13日、国内企業のブランド価値をランク付けする「Japan's Best Global Brands 2013」の発表会を都内で開催。発表会では、同社のエグゼクティブ・ストラテジー・ディレクターの田中英富氏がJapan's Best Global Brands 2013についての解説を行った。

 今回発表されたランキングは、グローバルに展開する日本企業を対象に、ブランドの持つ価値を独自に金額換算してランキング形式(トップ30)で発表するというもの。ランキングの対象基準は、「日本発のブランドであること」「各種財務情報が公表されていること(2012年10月31日現在で上場しており、アナリストレポートが入手可能であること)」「日本以外での海外売上高比率が30%超であること(2011年度実績)」「B to B企業であってもグローバルで一般に認知されていること」。

 このほかにも同社は、グローバルに展開する企業を対象とする「Best Global Brands」、自国以外の海外売上高比率が30%未満の日本企業が対象の「Japan's Best Domestic Brands」、環境に優しいブランドを対象とした「Best Global Green Brands」も発表している。

 発表によると1位はトヨタ自動車で、以下自動車メーカーとしては2位に本田技研工業、7位に日産自動車、8位にレクサス(トヨタ自動車)、14位にスズキ、23位にスバル(富士重工業)、29位にマツダがランクインした。

Japan's Best Global Brands 2013。1位はトヨタ自動車
自動車メーカーでは日産、スバルが大躍進したと田中氏

 トヨタは昨年に続き1位という結果となったが、7位の日産は昨年からブランド価値を30%引き上げており、その理由についてはDATSUNブランドを新興国へ投入するなど積極的な開拓を行っていることなどを挙げている。また、昨年から24%増となったスバルの大躍進の背景には、米国において3年連続で過去最高の販売台数を記録したことが理由に挙げられるとした。

 また、Japan's Best Global Brandsを過去5年間で振り返り、同ランキングの1回目となる2009年を基準として見たところ、ここ5年で基準を超えた年はなかったと言う。同ランキングに5年連続でランキングインしたブランドは26ブランドで、そのうち半分の13ブランドが価値を落とした。その一方で、世界番付となるBest Global Brandsのランキングでは83ブランドが連続でランクインし、そのうち58ブランドが価値を上げている。

 このことについて田中氏は、「グローバルで見たブランドの傾向は、リーマンショックの影響を克服してブランド価値を上昇させているにも関わらず、日本のグローバルブランドはこの5年間基準を超えていない」とし、さらなる日本ブランドの奮起に期待したいと述べた。

 その一方で、過去5年間でブランド価値を1.5倍以上に向上させたのが日産、ニコン、ブリヂストンとなった。その理由については「1つに経営トップがブランディングに対してリーダシップを発揮していること。この3企業に共通することは、目指すべきビジョンを経営の環境変化に応じて柔軟に変えていること。例えばブリヂストンではF1から速やかに撤退してエコにシフトし、日産は時代の変化を踏まえて電気自動車に打って出た。目指すべきビジョンに対し、時代の流れや顧客の変化に合わせて柔軟に変化していくことが共通している」と解説した。

(編集部:小林 隆)