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NEXCO中日本、EVトラック新型「キャンター E-CELL」で秋に実証実験
ワイヤレス給電を持つ道路維持作業車として新東名・東名で作業予定
(2013/7/2 00:00)
NEXCO中日本(中日本高速道路)は7月1日、新たに導入したEV(電気自動車
)トラックの新型「キャンター E-CELL」を、新東名高速道路 新富士IC(インターチェンジ)そばにある富士保全・サービスセンターで報道陣向けに公開した。
NEXCO中日本では、CO2削減の観点から、CO2を排出しない作業車の導入を検討しており、三菱ふそうトラック・バスのキャンター E-CELLを用いて実証実験を行っていく。
キャンター E-CELLの外観は、ワイヤレス給電部を除けば、ディーゼルエンジン版のキャンターと大きく異なるところはないものの、走行音はほぼ無音。燃料タンクが占めていた場所に、リチウムイオン製の走行用バッテリーが収まる。
内部は大きく異なり、本来ディーゼルエンジンのあった個所にDC/DCコンバーターやインバーター、暖房用の熱などを作り出すヒーター、ブレーキ用の負圧を作り出すユニットが収まる。また、トランスミッションがあった個所にはモーターが収まる。
●サイズ・重量など
項目 | EV キャンター E-CELL | ベース車両 FEA20E23S002 |
---|---|---|
全長(mm) | 6635 | 5985 |
全幅(mm) | 1930 | 1930 |
全高(mm) | 2900 | 2160 |
車両重量(kg) | 4300 | 2460 |
最大積載量(kg) | 500 | 2000 |
乗車定員(人) | 3 | 3 |
最大総重量(kg) | 4965 | 4625 |
●EV仕様
項目 | 内容 | |
---|---|---|
走行用モーター | 種類 | 永久磁石式同期モーター |
最高出力 | 96kW | |
最大トルク | 650Nm | |
走行用バッテリー | 種類 | リチウムイオン |
容量 | 72kW | |
電圧 | 350V | |
最高速度 | 80km/h以上 | |
航続距離 | 100km以上 | |
充電時間 | 普通充電 | 約12時間 |
このキャンターE-CELLは、ワイヤレス給電の方法として磁界共鳴方式を採用。現在主に用いられているワイヤレス給電には、磁界共鳴方式と電磁誘導方式があるが、磁界共鳴方式は効率や給電電力に劣るものの、ワイヤレス給電部の位置ずれに強く、NEXCO中日本ではこの点を重視。将来的には、道路にワイヤレス給電部を埋め込み、走行しながら給電することを構想している。
ワイヤレス給電部が車体側面に立っているのも、どの程度ずれたら給電状態がどう変化するか確認するため。今後、三菱ふそうトラック・バスのテストコースで十分な走行試験を行い、秋から富士保全・サービスセンターに配備。新東名高速、東名高速の作業に投入し、さまざまなデータを収集していく。