ニュース

エルシーアイ、パワートレーンを刷新した新型「エキシージS」を日本導入

「エヴォーラ」に搭載するV6 3.5リッター+スーパーチャージャー

新型「エキシージS」
2013年7月25日発売

850万円

 エルシーアイは、2011年のフランクフルトモーターショーでワールドプレミアした新型「エキシージS」を7月25日より発売すると発表し、あわせて報道陣に向けて車両公開を行った。新型エキシージSの価格は850万円で、オーナーの手に渡るのは年末を予定している。

モデルエンジン変速機駆動方式価格
エキシージSV型6気筒DOHC 3.5リッタースーパーチャージャー6速MT2WD(MR)8,500,000円
新型エキシージSの発表会は東京 六本木ヒルズで行われた
アンベールされる新型エキシージS

プロとアマの差を埋める車両制御システム「DPM」

 新型エキシージSのボディーサイズは4080×1800×1130mm(全長×全幅×全高)と、先代よりも全面的にサイズアップしながらも、車重は1180kgとライトウエイトモデルと呼べる範囲に収めている。

 パワートレーンは、すでに「エヴォーラ」で採用しているトヨタ製の2GR-FEエンジンをスーパーチャージャーで過給する。最高出力は257kW(350PS)/7000rpmで、最大トルクは400Nm(40.79kgm)/4500rpm。先代に対してパワーが46%、トルクが74%もアップしている。0-100kmの加速タイムはわずか4秒で、最高速は274km/h。パフォーマンス面でも先代を大幅に上回る性能を得ている。

 エキシージSに採用された注目の車両制御システムとなるのが、「DPM(ダイナミック・パフォーマンス・マネジメント)」。ボッシュと共同開発を行った走行安定性を高めるDPMは、「ツーリング」「スポーツ」「DPMオフ」からモードを選択でき、さらにオプションの「レースパック」を装着すると、コーナリング時に最大のトラクションを得られたり、ローンチコントロールを可能にしたりする4つ目のドライビングモード「レース」を選ぶことも可能になる。

 ツーリングモードは一般公道を走行するのに適していて、スポーツモードはアンダーステアの認識に加え、レブリミットを通常の6800rpmから7200rpmまで上昇させる。DPMの最大の特徴となるレースモードは、コーナリング中に20mmごとに路面との摩擦係数を判断し、もっとも速くコーナリングできるように駆動力をコントロール。走行テストでは、DPMをOFFにしたテストドライバーと、レースモードを使用したアマチュアドライバーのタイムを比較したが、プロとアマの差はわずか0.1秒しか付かなかったと言う。つまり、誰が乗ってもプロドライバーのような走行とラップタイムが実現できるのだ。

新型エキシージSのボディーサイズは4080×1800×1130mm(全長×全幅×全高)で、ホイールベースは2370mm。車重は1180kgと軽量
ブレーキはAPレーシング製の4ピストンキャリパーに332φのローターをセット。100km/hからの制動距離は、先代の40.27mに対して34.87mと性能を引き上げている。タイヤは全天候型のピレリ「P Zero Corsa」と、サーキット走行を想定した「P Zero Trofeo」の2種類を用意。サイズはフロントが205/45 ZR17、リアが265/35 ZR18となる

メーターがマイル表示なのかと思ったほど一瞬にしてスピードが出た

記者発表で新型エキシージSの解説を行ったのは、長年にわたりロータス車の開発を担っていたロジャー・ベッカー氏のご子息であるマシュー・ベッカー氏

 新型エキシージSの解説を行った、ロータスカーズのデベィロップメント部門でチーフエンジニアを務めるマシュー・ベッカー氏は、「新型エキシージSは、すべての面で刷新を図った。400Nmを発揮するV6エンジンは、トルクフルで秀逸な加速を見せる。最初に乗ったときには、メーターがマイル表示なのかと思ったほど一瞬にしてスピードが出ていた。また先代よりもストリートユースを意識しているので、全長とトレッドなどを拡大し、安定性を向上させた。あわせて、タイヤに関しても全天候型のモデルも用意しているので、より快適に公道走行ができるようになっている。しかしながら、サーキット走行でも十分に力を発揮するモデルで、先代の純粋なサーキットモデルだったエキシージCUP260と比べてもラップタイム、コーナリング速度などあらゆる部分で上を行っています」と、大幅に性能がアップしたこととストリートユースを意識して開発したことを語っていた。

 今回の発表にあわせて、各地のロータスディーラーでは7月27日~8月11日までエキシージSのデビューキャラバンを実施。期間中にエキシージSを成約すると、抽選で2組4名に今年のF1日本グランプリのパドックパスをプレゼントするキャンペーンも同時に行っている。

インテリアは先代モデルをベースにしたスタンダード仕様のほかに、プレミアムとプレミアムスポーツという2種類のハイグレードを設定。プレミアムは内装がフルレザー仕様となり、プレミアムスポーツは専用のスポーツシートなどがセットされる。6速MTは、3速から6速のギア比を近づけることで、よりスポーティさを体感できる
プレゼンテーションで使用された新型エキシージSの資料には、パワートレーン、エアロダイナミックス、シャシー性能などが全面的にアップしていることが示されていた
ロータス エキシージS主要諸元
乗車定員2名
全長×全幅×全高4080×1800×1130mm
ホイールベース2370mm
トレッド前/後1499/1584mm
車両重量1180kg
エンジンV型6気筒DOHC 3.5リッタースーパーチャージャー「2GR-FE」
エンジン最高出力257kW(350PS)/7000rpm
エンジン最大トルク400Nm(40.79kgm)/4500rpm
トランスミッション6速MT
サスペンション(前/後)ダブルウィッシュボーン/ダブルウィッシュボーン
ブレーキ(前/後)AP製4ピストン/AP製4ピストン
ブレーキディスク(前/後)332mm/332mm
タイヤ(前/後)205/45 ZR17 / 265/35 ZR18

(真鍋裕行)