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86アカデミー、コントロールテクニックプログラムの上級クラス「シルバークラス」を開設

アクセルターンとサイドターンを組み合わせたJターンを練習

東京 お台場のメガウェブで行われたコントロールテクニックプログラムの上級クラス「シルバークラス」
2013年8月13日、15日開催

 8月13日と15日の2日間、東京 お台場のメガウェブにおいて、スクールプログラム「86 ACADEMY(86アカデミー)」の上級クラスにあたる「コントロールテクニックプログラム シルバークラス」が行われた。

 コントロールテクニックプログラムは昨年末から開催されており、同プログラムで講師から合格の判定をもらった人を対象にしたのがこのシルバークラス。アクセルターンとサイドターンを習得する、コントロールテクニックプログラムの初級であるブロンズクラスの上のクラスとなる。

実践練習の前にメガウェブ内の86クラブハウスで座学

 練習内容は、サイドターンとアクセルターンを組み合わせたJターンというもの。ブロンズクラスのサイドターンは加速区間が短く設定されており、サイドを引きテールをほぼ90度スライドさせるというものだったが、Jターンは加速区間を長く設け、サイドブレーキを引く。ここまではサイドターンと一緒だが、そこからアクセルをコントロールし、180度旋回させてパイロンの間で停止するというもの。

 ドリフトのサイドターンに見えるかもしれないが、目的はあくまでもモータースポーツに通じるオーバーステアの体験と車両コントロールを覚えることなので、サイドターンの円は小さく、ゼロカウンターに近いステアリング操作で旋回することが理想となる。カウンターの蛇角が大きいと円が大きくなり、停止位置として置かれたパイロンよりも外側に車両が進んでしまうため、サイドブレーキを引いてテールがスライドしてからのスライド量をアクセルとカウンターでコントロールし、なるべく小さな円を描くことが最大のポイントとなる。

 スクールの当日はお盆期間ということもあり、普段の開催とは異なり平日の朝からのスタートだったが、14名の応募はすぐに埋まったそうだ。

講師はスーパー耐久などさまざまなレースで優勝する一方、J-wave「grooveline Z」などでDJとして活躍するピストン西沢氏
受講者の隣で実際の操作を教えてくれるインストラクターは、スーパー耐久やドリフト競技でも活躍している高橋滋氏と、本誌でもお馴染みのモータージャーナリスト・橋本洋平氏が務めた
ドライビングレッスンの会場となるのはメガウェブ「ライドワン」エリア。コース幅が広くなり、より安全にクルマのコントロールを体験できるようになった

 まずは実走の前に86クラブハウスで座学の講習。初開催となるシルバークラスの内容や目的、コントロールするポイントなどが説明され、その後は約2時間の走行という流れになった。

 ブロンズクラスを合格している受講者なので、マシンコントロールには慣れている人も多く、1本目からスムーズにJターンをこなす人も見受けられた。最初のうちは、旋回の目標となるパイロンが1本で、そこを中心にJターンを行う。全受講者が慣れてきたと判断したのち、目標のパイロンは2本となり、Jターンの旋回幅を広くする。旋回の幅が横方向に広くなることで、アクセルコントロールが難しくなり、ついついアクセルを踏みすぎたりカウンターの蛇角が大きくなったりするなど、旋回の円が大きくなってしまう。

 上級クラスということもあり、ブロンズクラスよりもアクセルとステアリングの繊細なコントロールが要求されるが、何本か走行を重ねていくと2本のパイロンの幅をJターンで上手くクリアしていく受講者も出現。そこで受講者の数名は、講習の最後にシルバークラスの検定を受けることとなった。この検定でピストン西沢氏の走行チェックを受け、Jターンを披露。みごとにシルバークラス初の合格者がでた。

 初開催となったコントロールテクニックプログラムのシルバークラスだったが、早くも合格者が表われたことで、ピストン西沢氏はさらに上級のクラスを設けることも検討すると語っていた。今後もより多くのプログラムが作られることで、コントロールテクニックプログラムでは充実したレッスンが受けられるようになる。

 興味のある方は「86 ACADEMY」特設Webページ(http://toyota-86.jp/86society/86academy/)をご覧になってみてはいかがだろうか。

シルバークラスのJターン。最初は目標となるパイロンを1つ置き、そのパイロンを中心にテールスライドをコントロールする
ピストン西沢氏はインストラクターに指示をしながら受講者の挙動を確認し、アドバイスを与えてくれる
写真を見て分かるように旋回中はほぼゼロカウンター。ドリフトではなくスライドコントロールを学ぶので、派手なアクションは控えている。パイロン1本の練習が終わったところで2本に増やす。シルバークラスの検定は、パイロン2本の状態で行われた
パイロンを2本とすることで、スライドコントロールは難しくなる。繊細なアクセルコントロールとステアリング操作が求められる。路面に散水と洗剤を溶いた水を巻くことで、低μの状態を維持していた
シルバークラスと同時にメディア向けにブロンズクラスの体験も行われた。ブロンズクラスではサイドターンとアクセルターンの2項目を体験。低速域で安全にスライドコントロールを覚えることができた
講習の最後にはインストラクターの横に同乗し、本日のおさらいを兼ねたデモンストレーションを体験。コース全体を使ったスライドコントロールを体感することができた

(真鍋裕行)