トヨタマーケティング、「峠スタンプラリー」や「86S(ハチロックス)」など86用の新施策
峠カルチャーやフォトカルチャーを推進

トヨタマーケティングジャパン スポーツカーカルチャー推進グループ マーケティングディレクター 喜馬克治氏

2012年7月30日発表



 トヨタ自動車が発売したFRスポーツカー「86(ハチロク)」。この86は、発表会で豊田章男社長が語っていたように、ユーザーとともに成長していくクルマを目指している。

 その楽しみ方をバックアップするために、トヨタマーケティングジャパンは、7つのアクションを実施することを宣言。その7つは、「峠カルチャー」「フォトカルチャー」「サーキットカルチャー」「ネットカルチャー」「カスタマイズカルチャー」「コラボレーションカルチャー」「ショップカルチャー」。これら7つのカルチャーで、スポーツカーカルチャーを広めていく。

 それらを担当するのが、トヨタマーケティングジャパン スポーツカーカルチャー推進グループ マーケティングディレクターの喜馬克治氏。7月30日に、新たなカルチャーの具現化に関する説明会が開催された。

7つのカルチャーのロードマップネットカルチャーや峠カルチャーの施策で、すでに始まっているものもある

 7つのカルチャーがあるが、すでにそのいくつかは具現化している。たとえば、ショップカルチャーは「AREA86」として実店舗をオープン。「買うだけではなく、集まって語っていただく場」(喜馬氏)として、営業を開始している。また、コラボレーションカルチャーは、86グッズなどとして各社が販売。すでに売り切れになっているものもあると言う。ネットカルチャーは峠の人気投票が行われており、30日13時に結果を発表。1位が「伊吹山ドライブウェイ」、2位が「TOYO TIRES ターンパイク」、3位が「山中越」となり、ネットカルチャーの中心となるWebサイト「86 SOCIETY」(http://toyota-86.jp/86society/)で、その結果を見ることができる。

86のネットカルチャーのベースとなる86 SOCIETYの登録者数など2012年に選定された86の峠峠投票の順位変動
第1位となった伊吹山ドライブウェイ2位は、TOYO TIRES ターンパイクこれらの結果は、86 SOCIETYで見ることができる

「峠スタンプラリー」や「86S(ハチロックス)」など
 今回発表されたのは、峠カルチャーやフォトカルチャーに関連する新施策。峠カルチャーの新施策として発表されたのが「リッジクエスト」。スマートフォンのGPS機能を利用した「峠スタンプラリー」になる。

 具体的には、リッジクエストというアプリをダウンロード。選定された峠に行き、アプリを起動すればその峠をアプリ上でマーキングできる(これをチェックインと言う)。この位置確認は厳密なものではなく、10km~15kmくらいの幅があると言い、「峠の周辺を訪れてほしいということでもある」(喜馬氏)とのことだ。

 スタンプラリーだが、スマートフォンアプリとなっているため、ネットワーク機能を活かして他人とコミュニケーションを図ることができる。峠を訪れた回数・場所が表示されるので競うことも可能だし、単に峠を訪れた際につぶやいて、峠好きの仲間と楽しむこともできる。

 名前にクエストとついているが、「○○をせよ」などのクエストが出るものではない。峠の位置情報を使ったジオゲームに近いものだと言えるだろう。サービス開始予定は、8月9日。当初はAndroid版のアプリのみが提供され、iPhone版の提供は若干遅れるとのこと。

リッジクエストの画面

 「86S(ハチロックス)」は、10月13日に「TOYO TIRES ターンパイク」を貸し切って行うイベント。86人の86オーナーを募集し、朝の4時30分から楽しめるようなプログラムが用意される。募集は、Webサイト「86 SOCIETY」で8月1日から行い、応募者多数の場合は抽選。参加費は8600円。

 このハチロックスの目玉として用意されているのが、フォトカルチャーに分類される自動撮影システム「SHOOTING CURVE」。このSHOOTING CURVEは、86台のカメラをコーナーに並べ、通過する車を自動撮影。映画「マトリックス」のようなタイムスライス映像を生成してくれる。SHOOTING CURVEは、ハチロックス開催前の8月5日に富士スピードウェイで開催される「Fuji 86 Style」内で初めて実施される。

86S(ハチロックス)SHOOTING CURVE86台のカメラを並べる


SHOOTING CURVE イメージ映像

 喜馬氏は、このSHOOTING CURVEについて、「まずはクローズドサーキットの富士スピードウェイで行い、その後貸し切りのTOYO TIRES ターンパイクで実施。ノウハウを蓄積して行きたい」と語り、ほかの個所での実施も視野に入れている。

 ハチロックスと関連するのだが、10月初旬にはTOYO TIRES ターンパイクにカフェサロン「86 PIT HOUSE」をオープン。こちらは86オーナーでなくともスポーツカー好きなら訪れることのできる峠のカフェサロンで、朝早くからオープンすることで、朝日を楽しめる構造になると言う。また、フレンチトースト店「LONCAFE」ともコラボレーション。フレンチトーストとコーヒーが用意されるとのことだ。営業時間などは、現時点で未定。

86 PIT HOUSEの建築模型。手前が東側となっており、採光窓より朝の日の光が入ってくる朝日はこのリフレクションミラーに当たり、86 PIT HOUSE内をさまざまな角度で照らす

 現時点では、関東地方を中心とする施策となっているが、ここで得た運営ノウハウをもとに、各地でスポーツカーカルチャーに関する施策を実施していく予定だ。

(編集部:谷川 潔)
2012年 7月 31日