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【6 Hours of Fuji】FIA 世界耐久選手権 第6戦「富士6時間耐久レース」リポート【レース終了】

レースは16周で赤旗終了。トヨタ TS030 ハイブリッド(7号車)が今シーズン初優勝

レースは赤旗のまま終了し、トヨタ・レーシングのトヨタ TS030 ハイブリッド 7号車(アレックス・ブルツ/ニコラス・ラピエール/中嶋一貴)が優勝となった
2013年10月20日決勝

LMP2の表彰式。優勝はOAKレーシングのモーガン・ニッサン 35号車(ベルトラン・バゲット/リカルド・ゴンザレス/マーティン・プローマン)

 FIA 世界耐久選手権第6戦 富士6時間耐久レースは、11時にスタートしたあと、20分程度のセーフティカー先導の走行を2回行ったが、大雨に見舞われたことにより2度の赤旗中断となっていた。その後15時35分に3度目のセーフティカー先導による走行を再開したが、再開直後に3度目の赤旗が提示され、規定によりレースはそのまま終了することになった。

 結局レースは16周のレースとなったが、すべての周回でセーフティカーによる先導が行われており、基本的には昨日行われた予選での結果により順位が決まることになった。ただし、トップカテゴリーのLMP1に関しては、予選でポールポジションを獲ったアウディ R18 e-tron クワトロ(1号車)が、セーフティカー先導中にエンジンの空気吸入口にトラブルを発生したため、その修理のために緊急ピットインを行い4位に後退。また、トヨタ TS030 ハイブリッド(8号車)がスタートできずにピットスタートで1週遅れになるということで後退し、それらの後ろにいた車の順位が繰り上がる結果となった。

 総合優勝は中嶋一貴/アレクサンダー・ブルツ/ニコラ・ラピエール組のトヨタ TS030 ハイブリッド(7号車)。今年のWECではアウディが無類の強さを発揮しており、全レースでアウディが優勝してきたが、今回トヨタは地元ととなる富士スピードウェイで念願の今シーズン初優勝を実現したことになる。

 LMP2はOakレーシングのモーガン・ニッサン(35号車)、LMGTE Proはアストンマーチン・バンテージV8 (97号車)、LMGTE Amはアストンマーチン・バンテージV8(95号車)がそれぞれ優勝した。

1度もレーシングスピードで走ることなく、信頼性の差が勝負を分けた豪雨の富士6時間耐久レース

LMGTE Proの表彰式。優勝はアストンマーチン・レーシングのヴァンテージ V8 97号車(ダレン・ターナー/ステファン・ミュッケ/フリデリック・マコヴィッキィ)

 今回の富士6時間耐久レースは、前日から降り続く雨に翻弄されるレースとなった。スタートは11時に予定されていたが、直前に強まった雨により、ローリングスタートからセーフティカー先導のラップに変更され、雨中のスタートとなった。しかし、スタートから20分ほどセーフティカー先導での周回が続いたが、雨は弱くなるどころか強くなる一方で、20分強走ったところで赤旗中断となってしまった。

 その後強い雨が降り続き、弱くなるのを待っていたが、13時30分に雨が弱くなったところを狙って再びレースをセーフティカーの先導で再開した。このレース最大のドラマは、その2度目のセーフティカー先導のラップ中に発生した。ポールポジションからスタートしてトップを走り続けていたアンドレ・ロッテラーのドライブするアウディ R18 e-tron クワトロ(1号車)が、エンジンパワーの減少を感じて緊急ピットインを敢行することになった。セーフティカー先導ラップで1周にかかる時間が遅いことを生かして、アウディ R18 e-tron クワトロ(1号車)は短時間のピット作業を行い、隊列の後に付くことを繰り返した結果、最後尾ではあるものの、周回遅れになることを避けて隊列の一番最後に付くことに成功した。しかし、それでも1周目にピットスタートすることすらできず、1周遅れの最後尾に。トヨタ TS030 ハイブリッド(8号車)の前の4位でコースに復帰した。

 これで総合1位に浮上したのは、予選2位につけた中嶋一貴組のトヨタ TS030 ハイブリッド(7号車)。中嶋一貴選手はスタートから3回目の赤旗が提示され、レース終了になるまで1人で走り続け、今シーズン初めてのWEC優勝を地元である富士スピードウェイにおいて達成することになった。優勝した中嶋一貴選手は、場内でのインタビューで「優勝と言われても不思議な感じです。ただ、何よりも申し訳ないのは、せっかくサーキットに足を運んでくださったお客様にレースを見せられなかったこと。今シーズン残り数戦あるので、そこで本当の今シーズン初優勝を達成したい」と述べた。

LMGTE Amの表彰式。優勝はアストンマーチン・レーシングのヴァンテージ V8 95号車(クリストファー・ニギャルド/クリスティアン・ポウルセン/ブルーノ・セナ)

 このほか、残りのクラスはいずれも予選順位通りの順位となった、LMP2クラスはモーガン・ニッサン(35号車)が優勝したほか、日本のSUPER GTのGT300に参戦しているゲイナーチームのザイテックZ11SNニッサン(27号車)は予選3位を獲得したため、WECに初参戦で嬉しい表彰台の獲得となった。

 また、LMGTE Proはアストンマーチン・バンテージV8(97号車)が、LMGTE Amはアストンマーチン・バンテージV8(95号車)がそれぞれ優勝した。LMGTE Proクラスに参戦していた小林可夢偉選手は、練習走行でエンジントラブルが発生し、土曜日は走れずに予選最下位になってしまったため、結果5位で終えることとなった。

LMP1

順位カーNo.チームドライバー
17号車トヨタ・レーシングアレックス・ブルツ/ニコラス・ラピエール/中嶋一貴
22号車アウディスポーツ・チームヨ-ストトム・クリステンセン/ロイック・デュバル/アラン・マクニッシュ
312号車レベリオン・レーシングアンドレア・ベリッチ/マチアス・ベシェ

LMP2

順位カーNo.チームドライバー
135号車OAKレーシングベルトラン・バゲット/リカルド・ゴンザレス/マーティン・プローマン
226号車G-ドライブ レーシングロマン・ルシノフ/ジョン・マーティン/マイク・コンウェイ
327号車ゲイナー・インターナショナル平中克幸/植田正幸/ビヨン・ビルドハイム

LMGTE Pro

順位カーNo.チームドライバー
197号車アストンマーチン・レーシングダレン・ターナー/ステファン・ミュッケ/フリデリック・マコヴィッキィ
251号車AFコルセジャンマリア・ブルーニ/ジャンカルロ・フィジケラ
391号車ポルシェAGチーム・マンタイヨルグ・ベルグマイスター/パトリック・ピレ

LMGTE Am

順位カーNo.チームドライバー
195号車アストンマーチン・レーシングクリストファー・ニギャルド/クリスティアン・ポウルセン/ブルーノ・セナ
296号車アストンマーチン・レーシングスチュアート・ホール/ジェイミー・キャンベル・ウォルター/ジョナサン・アダム
388号車プロトン・コンペティションクリスチャン・リエド/ジャンルカ・ローダ/パオロ・ルベルチ

※結果は暫定

(笠原一輝/Photo:奥川浩彦)