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ユニバーサルロボット、人とラインでの共存を目指す産業用ロボット「UR-5」「UR-10」
「2013 国際ロボット展」に展示し、自動車メーカーへの売り込みを期待
(2013/11/6 16:03)
ユニバーサルロボットは11月6日、東京ビッグサイトで開幕した「2013 国際ロボット展」(11月6日~9日)にあわせ、都内ホテルで記者説明会を開催した。
ユニバーサルロボットは2005年にデンマークで設立された産業用ロボット会社。2009年に小型産業用ロボット「UR-5」を開発。2012年にUR-5を一回り大きくした「UR-10」を開発し、現在は6大陸に販売網を構築しているという。いずれも6軸垂直多関節アームロボットとなり、UR-5が本体質量18kg・可搬質量5kg・最大リーチ85cm、UR-10が本体質量28.9kg・可搬質量10kg、最大リーチ130cm。型番が可搬質量を表していることになる。
同社の産業用ロボットURシリーズの特徴となるのが、簡単なプログラミングで作業をロボットに教え込めることと、小型の6軸アームロボットであるため、作業スタッフとラインで共存できること。ロボットのティーチングには、タブレット形式の端末を用いて実際の動作を教え込むことができるほか、事前にタブレット端末上で動きを確認することもできる。
また、ラインでの共存に関しては、小型アームロボットであるため、ロボット用の作業ケージがいらないというメリットがあるとする。人に触れると停止する安全機構もあるため、作業者の横にURロボットを置いて、ラインを構成することも活用法として想定されている。この人に触れると停止する機構だが、特別な圧力センサーを使うことなく、モーターの動きを検知することで実現したものになる。
ユニバーサルロボット CEO エンリコ・クロー・イバーセン氏は活用事例として「UR-5は、ドイツのフォルクスワーゲンですでに採用されており、減速機やモーターの組み立てに利用されている」「BMWの米国工場では、UR-10がドアの組み立てラインに採用されている」と語り、日本での採用に自信を見せた。
ユニーバーサルロボットの日本での代理店はグリーネプランニング、サービスやサポートに関してはカンタムエレクトロニクスが担当する。気になる価格については、「アプリケーション(用途)によっと異なる」(イバーセンCEO)とのことだが、カンタムエレクトロニクスのスタッフによると「たとえば3直の24時間体制で作業している場合、3年でコストメリットが出る」とのこと。ロボット導入の目的として、コストメリットももちろんだが、少子高齢化が進む日本においては、「人が集まらない」「ラインに就いても、すぐにやめていく」などの問題があり、作業者は単純作業からより高度な作業へとシフトする傾向にある。そういった意味でも、このようなコンパクトなロボットに関する導入期待はあり、現在は人海戦術でこなしている食品産業の梱包作業での導入評価が行われているとのことだ。
ユニバーサルロボット URシリーズの実際の動作は2013 国際ロボット展で見ることができる。そのほか2013 国際ロボット展には、多数のロボットメーカーが展示しており、クルマの溶接デモや塗装デモなど、ラインを模したプレゼンテーションも行われている。クルマの最新生産設備に興味がある方は、足を運んでみてほしい。