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ユニバーサルロボット、卓上サイズになった“協働ロボット”「UR3」
テクニカルサポートエンジニアが来日して説明会を実施
(2015/8/7 00:00)
- 2015年8月6日開催
ユニバーサルロボットは8月6日、3月に発表した協働ロボット「UR3」をはじめとする「URシリーズ」の性能や技術について、同社の地域テクニカルサポートエンジニア アンドリュー・ペザー氏が解説する説明会を開催した。
同社が開発したアーム型ロボット「URシリーズ」は、人間と作業スペースを共有する協働ロボットとして安全対策が施され、作業員がロボットに接触した場合などには自動で動作を停止する機能を備えている。これにより、安全柵の設置を必要としないことから、作業スペースを有効的に使えるなどのメリットを持つ。
3月に発表された新製品の「UR3」は、従来の「UR5」「UR10」と同様に6軸を持つアーム型ロボットを卓上サイズに小型化したもの。軽量の組立作業に向けて開発して可搬重量3kgとなり、本体重量は11kgと設置や移動を容易にした。「接着」「塗装」「半田付け」「実験作業」などの用途に、アプリケーションを動かすことが可能で、さらに「UR3」では、スクリュードライバーとして活用できるよう、先端の関節に関しては無制限に回転する機能が追加された。
会場では「UR3」の実機が用意され、実際に動作中のロボットに手で触れて動作が停止する様子など、デモンストレーションを実施した。
ペザー氏は「設定した制限以上の力がロボットに加わるとプログラムを停止させ、ロボットの損傷や作業員のケガを防ぎます」「動作が途中で止まった場合にはモニターに映し出され、問題がなければ再起動できます」などと安全機能について説明。その感度に関しては「作業員と作業スペースを共有する場合は最も高い制限値を設定することができます」と、その安全性を強調した。
現在「URシリーズ」は、工場や研究所など産業用用途での利用が主流というが、コンシューマー市場への展開について、ペザー氏は「産業用ロボットは、ある程度想定可能な環境での使用となり、コンシューマー用途として使用するには別な難しさがあります。しかし、既にこのような安全対策が施されているので、工場以外となる環境での使い方も出てきています」と明かした。
その一例として、ペザー氏は「産業用用途以外の使われ方としては、ヨーロッパのバーでは飲み物を動かすことに使われていたり。アメリカのショッピングモールでは、パートナー企業が開発した自分の足型に合わせたシューズを作るプログラムの中で、我々のロボットが足型を作るために使われています」と例を挙げた。
ペザー氏は「産業用用途以外での使われ方はまだまだ微々たるものですが、将来的にコンシューマーロボットのマーケットが拡大すれば、我々もその波に乗っていきたい」との考えを示した。