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三菱ふそう、女性の目線から開発した「キャンター エコ ハイブリッド Canna(カンナ)」などを東京モーターショーで展示

大型観光バス「エアロクイーンPremium Cruiser」など参考出品車6台を含む計7台

三菱ふそうトラック・バスの出展車
2013年11月8日発表

 三菱ふそうトラック・バスは11月8日、11月20日~12月1日(11月20日~21日プレスデー、22日特別招待日、22日プレビュー・ナイト、23日~12月1日一般公開日)に東京ビッグサイトで開催される「第43回東京モーターショー2013」の出展概要を発表した。

 東京ビッグサイトの西1ホールに出展される三菱ふそうブースでは、参考出品車6台を含む計7台の展示とともにハイブリッド用モーター内蔵デュアルクラッチトランスミッション「DUONIC(デュオニック)」や、小型ディーゼルエンジン「4P10」、排ガス後処理装置「BlueTecシステム」の技術展示を行う。またiPadによるキャンター エコ ハイブリッドの優れた燃費を体感できるドライビングシミュレーターや自分想いのトラック・バスのデザインができるシミュレーションを用意しトラック・バスの世界を楽しく体感できるブースを展開する。

小型トラック「キャンター エコ ハイブリッド Canna(カンナ)」(参考出品)

 三菱ふそうのブランドやトラックの持つイメージを変えたい、もっとトラックの分野で女性に活躍してもらいたいとの思いから、同社の設計、販売、管理部門などの女性社員により結成された「キュート・トラック プロジェクト」による参考出品車。デザイン案は全社員から募集し、女性社員の投票により決定された。ベース車両には国内外トラック最高の燃費12.8km/Lを実現した「キャンター エコ ハイブリッド」を採用し、外装は見る人の気持ちを明るくさせるピンクをベースにデザインされている。内装はアイボリーやブラウンを基調にしたカラーリングを設定するとともに、女性から見て「カワイイ」「心地よい」という点にこだわったオリジナルデザインのインパネやシートカバーが用意される。

ベース車両は6速DUONIC+ハイブリッドシステムのキャンター エコ ハイブリッドで水玉模様を車両全体に配している
外装のいたる所が専用装備となる
社内の女性社員による結成された「CUTE TRUCK PROJECT」
ステアリングホイール、シフトノブ、インパネ、グローブボックス、シートカバーは専用装備

小型トラック「キャンター エコ ハイブリッド Moving Pit」(参考出品)

 三菱ふそうの全国のサービス体制において主要拠点に配備され、さまざまな路上故障に対応する修理サービスカー(愛称:Moving Pit)のベース車両が環境に配慮した「キャンター エコ ハイブリッド」に変更された。緊急対応可能な装備として、エアコンプレッサー、発電機、溶接機、エンジンオイル交換機などを搭載し、故障車両のトラブルに幅広く対応する。

ベース車両は6速DUONIC+ハイブリッドシステムのキャンター エコ ハイブリッドで路上故障に緊急対応できるよう様々な装備を備えている
車体側面にはさまざまな工具や、エアコンプレッサーのホース、電源ケーブルが備わる
コンプレッサー(写真奥)、発電機(写真手前)
エンジンオイル交換機
溶接機
ジャッキ、工具、万力、消火器、オイル携行缶等が整然と収まった庫内

 そのほか展示車両には、メッキバンパー、黒木目調パネルや革調シートカバー等内外装にわたり多数特別用品が装備される。

大型トラック「スーパーグレート FUEL EFFICIENT TRUCK」(参考出品)

 新型ドラッグフォイラーなどによる空力の最適化や軽量ボディーの採用、太陽電池等、様々な電力の管理、低転がり抵抗タイヤの採用などで従来型ディーゼルトラックと較べ、約10%以上の燃費改善効果が得られた(社内実験値)大型トラック「スーパーグレート FUEL EFFICIENT TRUCK」を展示する。なおベース車両は排気量12.808リッターのディーゼルエンジンに12速INOMAT-Ⅱ(機械式自動変速トランスミッション)を組み合わせたモデルで、特別装備として駐車時冷暖房やPWM制御オルタネーター(商品化検討中)も備える。

大型トラック「スーパーグレート FUEL EFFICIENT TRUCK」(参考出品)
インテリア
太陽電池パネル
新形状ドラッグフォイラー(商品化済)
新開発サイドスカート(商品化検討中)
リアスポイラー(商品化済)

大型観光バス「エアロクイーン Premium Cruiser」

 バスツアーにおける快適性を追求した大型観光バス「エアロクイーン Premium Cruiser」は、飛行機のビジネスクラスに匹敵する1人掛け独立シート採用し通常55人乗りの定員を15人乗り(乗客13名+乗員2名)としゆとりを追求している。また専用設計のBOSE製音響設備と星空が浮かび上がる夜間照明を採用している。ベース車両は衝撃被害軽減ブレーキ「AMB(Active Mitiganation Brake)」や運転注意力モニター「MDAS-Ⅲ」を装備した「エアロクイーン」。

中型トラック「FⅠ」(ダンプ仕様) (国内初公開:参考出品)

 ダイムラー・トラック部門として三菱ふそうとインド・チェンナイにあるDaimler India Commercial Vehicles Pvt.(以下 DICV社)の2つの拠点が中心となり開発したプラットフォームを基に「FUSO」ブランドのアジア・アフリカ向け戦略車として開発された車両総重量9~16tの中型トラック「FⅠ」のダンプ仕様を日本初公開する(参考出品)。

 三菱ふそうの小型トラック「キャンター」のキャビンと中型トラック「ファイター」の足まわりをベースに開発されたこのモデルは新開発直4ディーゼルターボエンジンと6速MTを搭載しており、すでに2013年4月よりDICV社オラガダム工場(インド)にて生産を開始し、ケニア、スリランカ、ザンビアで販売を開始している。

中型トラック「FⅠ」(ダンプ仕様)

中型トラック「ファイター Dump」(市販車)

 7.5リッター直6ディーゼルインタークーラーターボエンジンに「Blue Tecシステム」(DPF+尿素SCR)が組み合わされ、低燃費によるCO2削減とともにPM、NOxを大幅に低減させた中型ダンプトラック。展示車はメッキフロントコーナーパネル等の外装用品や黒木目調パネル等の内装用品を装着したモデルだ。

中型トラック「ファイター Dump」
架装されたダンプは極東開発製

小型トラック「キャンター T90」(レストア車両:参考出品)

 1963年に初代モデルが誕生したキャンターは今年50周年を迎えた。展示車両は1970年に発売を開始したT90シリーズでキャンターとしては2代目のモデル。ディーゼル、ガソリンエンジンをラインアップしていたが今回は66kW(90PS)、157Nm(16kgm)のガソリンモデルを展示する。

小型トラック「キャンター T90」

 展示車両は、2008年4月に発足した自社の歴代名車を復元する同社社員有志によるレストア活動「ふそう名車復元プロジェクト」によるものだ。発足以来すでに4台の復元が完了している同プロジェクトは原型を復元するにとどまらず走行することが可能な状態まで仕上げているという。

(高橋 学)