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バニラエア、沖縄・台湾便の初便を就航

東京(成田)-台北(桃園)の初フライトに合わせて就航セレモニーを実施

参加者による記念撮影。右端は成田空港公式キャラクター「クウタン」
2013年12月20日就航

 成田空港発のLCC(格安航空会社)であるバニラ・エアは、12月20日から沖縄、及び台湾便への定期便を就航させた。

テープカットの様子
会場ではバニラ・エアのテーマソングも披露された

 バニラ・エアは元々エアアジア・ジャパンとして運航を開始したLCCで、2013年6月に親会社であるANAホールディングスがマレーシアのエアアジアとの提携を解消してエアアジア・ジャパンの株式を100%取得。11月に称号をバニラ・エア株式会社に変更し、レジャーとリゾートを中心に路線を展開していくLCCとして12月20日から営業を開始させた。

 運航が開始された定期便は、東京(成田)-沖縄(那覇)と、東京(成田)-台北(桃園)の2便。当面はそれぞれ1日1便の運航だが、12月28日からは1日3便に増便される予定。さらにその後、東京(成田)-札幌(新千歳)便が2014年1月29日、東京(成田)-ソウル(仁川)便が2014年3月1日に運航を開始する。

 運賃体系としては基本的に「コミコミバニラ」「シンプルバニラ」の2コースを用意し、不定期で格安の特別運賃「わくわくバニラ」が投入される。コミコミバニラ、シンプルバニラともに20kgまでの手荷物は無料で、4人以上での利用はさらに運賃が10%割り引きとなる。シンプルバニラでは座席の指定が有料になるほか、払い戻しが不可。搭乗する便や日付の変更手数料も割高になる代わりに、基本となる運賃が安価に設定されている。

 具体的な運賃の一例を挙げると、東京(成田)-札幌(新千歳)便ではコミコミバニラだと片道8000円、シンプルバニラだと片道5500円。同路線で12月24日まで搭乗予約を受け付けている「わくわくバニラ」では、片道3000円での提供となっている。

 正午から開始された台湾便の就航セレモニーでは、バニラ・エア 代表取締役社長の石井知祥氏が就航の挨拶を実施。このなかで石井氏は「本日は175名の方に台湾便へご搭乗いただくことを嬉しく思う。バニラ・エアの社員400名もこの日を待ちわびて、全員気合いが入っている。安全性と定時性を両立する運航を目指し、みなさまの信頼を得られるような企画をしていきたい」と語った。

バニラ・エア 代表取締役社長 石井知祥氏
国土交通省 東京航空局 成田国際空港長 加藤敏氏
成田市市長 小泉一成氏も出席して祝辞を贈った

 来賓として登壇し、祝辞を述べた国土交通省 東京航空局 成田国際空港長の加藤敏氏は、「国を挙げて観光立国を目指しているなか、当面の目標である訪日外国人1000万人が本日中に達成する見込みだが、今後はさらにその上を目指したい。バニラ・エアはリゾート路線としてこうした方針にも合致しており、期待している」とコメント。とくに台湾からの訪日旅客数は毎年伸び続けて今年も前年比で5割増しとなっており、国別の旅客数ではトップだという。

 また、成田空港はLCCなどの新規路線の影響で増便を続けていると紹介し、8月には月間の利用者が350万人、便数は2万便と過去最高を記録したという。最後に加藤氏は「成田空港では旅客需要増大に備え、来年度に年間発着容量30万便の実現に向けて設備の充実化を計っている。こうした状況のなかでバニラ・エアが開業したことを大変嬉しく思う」と語って祝辞を終えた。

台湾行きの初便を見送るバニラ・エアの社員たち。石井社長も自ら記念品をプレゼントしていた
搭乗手続きの様子
搭乗客も驚くほどのテンションで見送る関係者一同
CA(キャビンアテンダント)らも制服姿で見送り

 セレモニーの終了後に就航開始についての感想を求められた石井社長は「やっとこの日を迎えられたという気持ち。われわれ航空会社は飛行機を飛ばすことが最大の目的であり、いろいろな人の支えのおかげでこの日が迎えられたと考えている。航空会社として高い安全性の追求は当たり前。LCCといえども定時性を高めて安定した運航と高い利便性、良質のサービスを提供できるようにしたい。また、それだけでなく利用者の方々がわくわく、うきうきするような企画を継続して仕掛けていき、次回もバニラ・エアを利用してもらえるように信頼を獲得したい」などと今後の意気込みを語った。

(清宮信志)