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NEXCO東日本、廣瀨博代表取締役社長が再任

「常磐道の全通は平成27年(2015年)のGW前に」

NEXCO東日本 定例記者会見。中央が再任となった廣瀨博代表取締役社長。左は取締役兼常務執行役員 山内康次氏、右が取締役兼常務執行役員 鹿島幹男氏
2014年6月26日開催

廣瀨博代表取締役社長

 NEXCO東日本(東日本高速道路)は6月26日、6月の定例会見を開催した。定例会見の冒頭、25日の第9期定時株主総会後に開催した取締役会および監査役会で決定した役員人事(代表取締役および監査役)が再任した廣瀨博代表取締役社長から発表された。役員人事は以下のとおり。

●取締役
取締役会長:岩沙弘道(いわさ ひろみち)(再任)
代表取締役社長:廣瀨博(ひろせ ひろし)(再任) CEO(最高経営責任者)
代表取締役兼専務執行役員:榊正剛(さかき せいごう)(昇任) 経営企画本部長
取締役兼常務執行役員:山内泰次(やまうち やすじ)(再任) 管理事業本部長
取締役兼常務執行役員:鈴木次雄(すずき つぎお)(新任) 総務・経理本部長
取締役兼常務執行役員:鹿島幹男(かしま みきお)(再任) 事業開発本部長
取締役兼常務執行役員:遠藤元一(えんどう もとかず)(新任) 建設・技術本部長

●監査役
監査役:樋口幸男(ひぐち ゆきお)(新任)
監査役:井川裕昌(いがわ ひろあき)(新任)
監査役:大泉隆史(おおいずみ たかし)(新任)
監査役:清水涼子(しみず りょうこ)(新任)

5月の営業概要など

 新役員紹介の後、5月の営業概要(速報値)が発表された。5月の通行台数、料金収入の速報値は、通行台数が1日平均276万9000台(対前年比0.9%減)で、料金収入が650億3300万円(14.4%増)となった。また、SA(サービスエリア)/PA(パーキングエリア)の売上高は135億7400万円(対前年比0.1%増)となった。道路の料金収入関しては、2014年4月から導入された平日朝夕割引が割引額を翌月に還元する仕組みとなっているため上振れしている。

 廣瀨社長は2年の任期の振り返り、「平成24年(2012年)6月就任して以降、高速道路を取り巻く環境に大きな変化があった。組織的には7本部制から5事業本部制への移行や役員連絡会を設置し、コーポレートガバナンスの充実に努めてきた」「現場重視の観点を貫きたいと思い、現場に足を運んできた。この1年間のスケジュールを計算しても、21%が現場へ行くスケジュールだった」と語り、多くの現場の人の意見を経営に反映してきたという。2年の任期で印象的だったのは、2012年12月に発生した中央道 笹子トンネルの天井板崩落事故とのこと。多くの人が亡くなった事故でもあり、高速道路の安全性の再点検が行われるとともに、現在進行中の大規修繕・更新の話にもつながっている。

 また、2012年の12月には東日本大震災からの復旧を終え、この2月には福島原発事故で通行止めとなっていた常磐自動車道 広野~富岡間を再開通。一区切りがついた状態ともいえる。

 関連事業に関しては、東北自動車道(上り) 羽生PA(パーキングエリア)に設置した「鬼平江戸処」が印象的とのこと。ユーザーの評判もよいが、これからいかにリピーターを増やしていくかが課題とのことだった。

 これらからの抱負について1番に取り上げたのは、常磐道の全通について。「常磐道の早期全線開通が復興のシンボルとなる」とし、2015年のゴールデンウィーク前の開通を目指していく。また、首都圏三環状についても、先日報道公開した外環自動車道の千葉区間を2018年3月末までに完成させたいとのことだ。

 これからも「安全・安心な高速道路空間を24時間365日提供する」と抱負を結んだ。

 また、トヨタ自動車が今年度内にFCV(燃料電池自動車)の発売を明言したため、高速道路での水素ステーション設置について質問したところ、現時点では5億円といわれる設置費用の負担や、水素を高速道路のSA(サービスエリア)で扱う安全性などの問題があるとし、これからの状況を見つつ、いろいろ調べていきたいとのこと。次世代自動車の普及においては、充電器の設置は進みつつあるものの、水素ステーションについては国の補助などが鍵となるだろう。

(編集部:谷川 潔)