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世界のケン・ブロックと日本の誇るD1ドライバーが中部国際空港で競演
ケン・ブロック直撃インタビュー「コリン・マクレー選手に刺激を受けた」
(2014/7/8 13:09)
世界的な人気を誇る動画「GYMKHANA(ジムカーナ)」シリーズでお馴染みのケン・ブロックが2013年に続き今年も来日し、その華麗かつダイナミックなドライビングを披露する「Monster Energy presents Ken Block's Nagoya Experience With D1GP」が開催された。2013年は東京 お台場で行われたこの大会、2014年は中部国際空港(通称セントレア)臨時駐車場に会場を移し、D1GPに参戦する12人のトップドライバーや東野貴行らFMX(フリースタイルモトクロス)ライダーとともに会場に集まった約8500人のファンを魅了した。
ケン・ブロック、土屋アンナ、D1ドライバー、FMXライダーが次々とパフォーマンスを披露
大会は土屋アンナさんによる「WE will rock you」で開幕。その直後、コースではケン・ブロック、そしてD1GPシリーズに参戦中のTeam TOYO TIRES DRIFTチームドライバーである川畑真人/佐久間達也/内海彰乃によるドリフトパフォーマンス、FMXライダーのパフオーマンスが行われ、そのダイナミックな走りにオープニングから会場はヒートアップした。
アメリカが誇るラリーストにしてエンターテイナーの「ケン・ブロック」
ケン・ブロックの代名詞たる動画「GYMKHANA(ジムカーナ)」。YouTubeなど動画共有サイトを見てケン・ブロックを知った人も多いのではなかろうか? 今回そんなケン・ブロックに大会前日に話を伺う機会に恵まれたので、その模様を紹介したい。
──この世界に入るきっかけと、好きな車を教えてください。
ケン・ブロック:若いころからラリーを見るのが好きだったので、それがきっかけだと思う。クルマは国やメーカー問わず好きでしたが、特に1980年代のグループBカーが好きです。日本車に限って言えばラリーカーを生産しているメーカーが好きでした。自分が初めて買ったクルマはフォルクスワーゲン「ゴルフGTI」です。
──世界中のさまざまなコースを走っていると思いますが、今回のコースの印象はいかがですか?
ケン・ブロック:路面の印象で言えばとてもよいと思います。グリップがちゃんとあるのにタイヤのダメージが少ない。今回持ってきたのはラリークロス用のマシンで、セッティングに関してはグラベル用、ジムカーナー用、ラリークロス用という3つの基本パターンを元に路面に合わせて調整をしています。今回はジムカーナー用セッティングを元にしていますが、ここのような路面の場合、足まわりを柔らかめにしてクルマがしっかり動くようなセッティングが合うと思います。
──今乗っているフィエスタの印象は?
ケン・ブロック:以前乗っていたスバル「インプレッサ」は国内選手権に出場していたグループN仕様でしたが、フォードに移ってからはWRカー(フォーカス)になりスペックが高くなったので走らせるのが非常に楽しくなりました。ハイスペックなWRカーを走らせると学ぶことも多く、自分のスキルアップもできたと思います。ちなみに現在自分のチームで所有しているフィエスタはジムカーナー/ラリークロス用マシンで、世界ラリー選手権(WRC)に出場する時にはMスポーツからマシンを借りて出場しています。
──日本のD1についての印象を教えてください。
ケン・ブロック:もともとラリーが好きだったので、クルマがスライドしていく姿は好きです。ただそれはラリーにおけるスライドですのでD1とはちょっと違うのですが、D1のようなドリフト競技が登場し、それが日本から世界へ広がってきたことはとてもよいことだと思います。今回ここでD1のトップドライバーの走りを見ることができ、とても嬉しく思います。
──D1マシンとラリークロスマシンでは駆動方式もパワーも違いますが、走りのテクニック面に関してはどのように違いますか?
ケン・ブロック:まずFRと4WDでの走り方はまったく違うのですが、私は4WDが得意です。ラリーのグラベルで走りを学んだのでセットアップも軟らかめです。10年間4WDで走っている私にとって、カウンターステアのような微妙なテクニックが要求されるFRの方が難しく感じます。今回のD1ドライバーは非常に速く走っていたので、セットアップがきちんとできていると感じると同時に、自分にはできないスキルを彼ら(D1ドライバー)は持っていると感じたので、明日(大会日)彼らと1対1で走ることは自分にとって大きな挑戦だと思っています。
──友人であり、ラリークロスではライバルでもあるペター・ソルベルグ選手はWRCへの復帰を望んでいると一部報道でありましたが、ケン・ブロックさんはこれからコンペティションとパフォーマーとのバランスをどう考えてますか?
ケン・ブロック:ペターは昔からの仲のよい友人で、ステージラリー(競技としてのラリー)の経験が多く、私がWRC参戦の時には色々と助けてくれました。先日のラリークロスでは私が3位、彼が2位と一緒に表彰台乗りましたので、この競技ではペターとの差はステージラリーより少ないかもしれません。そういう意味ではライバルでもありますが、なんと言っても彼は世界チャンピオンです。私は友人でもある彼を尊敬しています。WRCに関しては昨年は1戦のみ、今年の予定も1戦だけですが、もともと私自身ステージラリー出身ですし、ステージを走るラリーが好きなので将来的にはそちらに戻るかもしれません。
──日本ではツインドリフトや3台編成でのドリフトパフォーマンスがありますが、もしあなたが世界最強のチームを作るとしたら誰と組みたいですか?
ケン・ブロック:難しい質問ですね(笑)。まずは……今までで一番好きなのはコリン・マクレー選手です。何より私が今こういう職業に就いているのはマクレーに刺激を受けたからです。才能があり、そして彼はラリーをすごく楽しんでいた。私もそういう風に走り続けたいと思っています。あとはアリ・バタネン選手とトミ・マキネン選手ですね。
勝者にはケン・ブロックとの直接対決が待ってるD1 ULTIMATE12
D1GPのトップドライバー12人がケン・ブロックとの対決を賭け争う「D1 ULTIMATE12(アルティメイトトゥエルブ)」は、1000PSオーバーのGT-Rを駆る2013年のシリーズチャンピオン・川畑真人選手が制してケン・ブロックとの一騎打ち(タイムアタック)に臨んだが、ケン・ブロックが勝利した。