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日産、英“マンC”などを率いるシティフット ボール グループとパートナーシップ締結

「横浜F・マリノスや日産を通じて日本のサッカーの発展に貢献したい」とソリアーノCEO

日産自動車 社長兼CEOのカルロス・ゴーン氏(左)とシティフット ボール グループ CEOのフェラン・ソリアーノ氏(右)。両者が手にしているユニフォームはマンチェスター・シティFCの新ユニフォームで、ゼッケンは日産が2013年12月に創立80周年を迎えたことから「80」になっている
2014年7月17日開催

記者会見場に置かれた日産の電気自動車(EV)「リーフ」。シティフット ボール グループの傘下チームに提供されるという

 日産自動車は7月17日、同日にグローバルパートナーシップを締結した、英国のサッカークラブ「マンチェスター・シティFC」などのホールディング会社であるシティフット ボール グループ(CFG)と共同記者会見を行った。今回のパートナーシップの契約期間は5年。

 CFGは、マンチェスター・シティFCを筆頭に、オーストラリアのプロサッカークラブ「メルボルン・シティFC」、米メジャーリーグサッカー(MLS)「ニューヨーク・シティFC」などを傘下に持つとともに、サッカー関係のマーケティング会社も所有するなど世界的なサッカーネットワークを構築している。

 2014年5月には、Jリーグの横浜F・マリノス(日産が大株主)とのパートナーシップを締結。これによりCFGは横浜F・マリノスの少数株主となり、横浜F・マリノスはCFGの専門的なトレーニング方式やメディカルケア、スポーツサイエンス、チームマネジメント、コーチングのノウハウを利用することが可能になっている。

 今回の発表はそれに続くもので、このパートナーシップにより日産はマンチェスター・シティFCのオフィシャル・オートモーティブ・スポンサーとなり、同クラブのホームグラウンドである「エティハド・スタジアム」でブランド展開を実施するとともに、CFG傘下のサッカークラブのサポーターを対象としたファンとの交流機会などを提供するという。日産としては、こうした世界中のサッカークラブを通じて同社のブランドを訴求していく構え。

 記者会見には、横浜F・マリノスの嘉悦朗社長と齋藤学選手、日産自動車 社長兼CEOのカルロス・ゴーン氏、CFG CEOのフェラン・ソリアーノ氏が出席。

日産自動車 社長兼CEOのカルロス・ゴーン氏
CFG CEOのフェラン・ソリアーノ氏

 ゴーンCEOは、「CFGとパートナーシップを結んだことで、マリノスのサポーターの皆様、そして日本のサッカーに貢献できることを嬉しく思う。グローバルに展開を行うCFGがJリーグのサッカーチームにこのような投資を行うのは初めてのこと。これにより、横浜F・マリノスは世界に通用するスポーツインフラの一員になり、国際舞台における露出を増大させることができる。サッカーは世界中で当社のブランド力を向上させる鍵の1つ」と、今回のパートナーシップ締結によるメリットを語った。

 また、ソリアーノCEOは「イノベーションへの情熱や世界を持続的にワクワクさせたいと思う気持ちは、私たちと日産が共有するもの。我々は日本に長期的にとどまり、横浜F・マリノスや日産を通じて日本のサッカーの発展にぜひ貢献したい」と抱負を語っている。

 一方、横浜F・マリノスの嘉悦社長はパートナーシップ締結前の1月に渡英し、マンチェスター・シティFCの持つ施設などを見学したときのことに触れ、「正直、先進性やスケールに圧倒された。このギャップの大きさで果たしてこの提携はうまくいくのかという懸念があったが、すぐに払しょくされた。それは会った人たちが非常にフランクで、オープンで、誠実だったから。やはり人を通しての交流なので、これは絶対にうまくいくと確信した」と述べるとともに、すでに人材交流が始まっており、順調に進んでいることをアピールした。

 そしてパートナーシップ締結により、横浜F・マリノスの若手育成の強化が図られることについて聞かれた齋藤選手は、「世界トップレベルの組織で若いうちに海外遠征などが経験できるのはいいことだと思うし、僕の時からあればと、羨ましいと思う」と語ったほか、予選敗退という結果に終わった2014 FIFA ワールドカップ ブラジル大会について「チームといて悔しい思いをしたし、僕個人ピッチに立てなかったという非常に大きな思いを持って帰ってこれたので、次のロシア(2018 FIFA ワールドカップ ロシア大会)に向けてレベルアップしていきたい」と、CFGとのパートナーシップを活用し、さらなる高みを目指すことを誓った。

CFGとのパートナーシップなどについて語った横浜F・マリノスの嘉悦朗社長(写真中)と齋藤学選手(写真右)

(編集部:小林 隆)