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アウディ、虎ノ門ヒルズの向かいに「アウディ クワトロパーク」を8月30日オープン

3つのコースでクワトロシステムを体感。ハイエンドモデルの試乗車も用意

アウディ ジャパン 代表取締役社長 大喜多 寛氏(左)、森ビル 取締役 常務執行役員 小笠原正彦氏(中央)、アウディドライビングインストラクター ハロルド・ビュットナー氏(右)による記念のテープカットを実施
2014年8月30日オープン

試乗無料(事前予約制)

 アウディ ジャパンは、2015年春までの期間限定となる体験型試乗スペース「Audi quattro park(アウディ クワトロパーク)」を8月30日にオープンさせる。これにともない、8月26日に報道機関向けの記者発表会を実施した。

Audi quattro park(アウディ クワトロパーク)
所在地:東京都港区西新橋2-16-6
試乗体験日:木曜日~日曜日 12:00~20:00(年末年始休業)
オープン期間:2014年8月30日~2015年春(予定)
敷地面積:約704m2
特設サイトURL:http://www.audi.co.jp/quattropark

アウディ クワトロパークの施設外観
エントランス脇にはアウディ R8を展示
受付を通過したホール奥には、アウディの4WDシステムが持つ実力を大きく世界にアピールした「アウディ クワトロ」を展示

先行予約の申し込みは300件以上!

アウディ ジャパン 代表取締役社長 大喜多 寛氏

 発表会ではアウディ ジャパン 代表取締役社長 大喜多 寛氏から新施設について解説を実施。このアウディ クワトロパークは2012年から世界的に進められているアウディ全体のクワトロのPRキャンペーンの一環として開設されたもので、都市型体験施設としてはアジア地域では初のオープンとのこと。敷地内に用意されている約600m2のクローズエリアでアウディのクワトロ技術について体験試乗できる「quattro experience」を始め、アウディラインアップカーのハイクラスモデルに公道試乗できる「Premium test drive」の2種類の試乗プログラムを実施する。

 試乗するためには、事前にアウディ クワトロパークの特設サイト(http://www.audi.co.jp/quattropark)にアクセスし、「quattro experience」「Premium test drive」のいずれかを選んで事前予約する必要があるが、発表会で大喜多氏から、オープンに先がけて受け付けている先行予約が300件以上になっていることが明かされた。どちらのプログラムも予約するだけで無料で参加でき、体験したい日付けと日時などを選択すると、自動的に空き時間の候補が検索されるシステムとなっている。

 また、大喜多氏はアウディ クワトロパークの意義について「我々は表参道にもアウディフォーラムという施設を持っていますが、そちらはアウディのブランドを具現化するショールームとしており、このアウディ クワトロパークでは、多くの人にクワトロが持つ魅力やアウディ車の試乗を体験してもらいたい。例えばお子さん連れなどで来てもらって、クルマの楽しさ、クワトロの楽しさを感じてもらう場所にしたい」と語り、直接的に車両販売に繋げていくような施設にするつもりはないとコメントしている。

アウディでアジア初となる都市型体験施設
「quattro experience」では3つの走行メニューを設定
森ビル 取締役 常務執行役員 小笠原正彦氏

 このほか、この新しい試乗スペースが6月にオープンしたばかりの「虎ノ門ヒルズ」の向かい側に開設されることになった理由について、大喜多氏は「虎ノ門ヒルズを運営する森ビルさんから提案を受け、虎ノ門ヒルズのコンセプトに“モビリティと都市開発”という言葉があり、我々もモビリティの一翼を担う会社であるためお願いすることになった」と説明。森ビル側で今回のプロジェクトを担当した森ビル 取締役 常務執行役員 小笠原正彦氏を紹介し、そこからは2人と司会者を交えたトークセッション形式に移行した。

 小笠原氏はアウディ クワトロパークについて、「この都心のリアルな場所で、アウディのモデルが持つ乗り心地や最新のテクノロジーを体感できるのはとても刺激的です」とコメント。さらに司会者から都市開発の視点で見たアウディ クワトロパークと虎ノ門ヒルズの関係性について質問され、「みなさんもご存じのとおり、虎ノ門ヒルズはトンネル(築地虎ノ門トンネル)の上に立っているビルで、官民一体となって新しい国際都市を造ろうと進めています。まだできたばかりですが、この周辺エリアや新橋まで繋がる新虎通りなどを活性化していきたいと考えています」と回答。そのためにグローバルプレーヤーを招き、一緒になって実証実験などを行うことで東京を世界に発信することが重要で、そこにアウディとのプロジェクトの必然性があると解説している。

インストラクターの運転による同乗試乗後、自身でも運転して体感できるquattro experience

アウディドライビングインストラクター ハロルド・ビュットナー氏

 発表会後には、アウディドライビングインストラクターとして25年のキャリアを持つというハロルド・ビュットナー氏から、施設内で行われるquattro experienceの内容について解説された。

 試乗車にはアウディのコンパクトSUV「Q3」が用意され、障害物を左右のタイヤで交互に乗り越え、不安定な設置状態での走破性を確かめる「ツイスト」、タイヤの片側を斜面に乗せてボディーが斜めになった状態で走行する「バンク」、斜面を上り下りする「シーソー」という3種類の走行メニューによってクワトロが備える4WD性能を体感できる。

敷地内の試乗スペースは約600m2。アスファルト路面の上に、金属製の障害物を設置してオフロード路の状態を再現している
虎ノ門ヒルズの巨大なタワーを借景する贅沢なロケーション
試乗車として2台のQ3を用意。1台はS lineパッケージ装着車となっていた

ツイスト

 サスペンションのストローク量を超えた高さの障害物を用意し、左右タイヤで交互に乗り越えてタイヤの接地性を失わせるツイストコース。宙に浮いたタイヤは少しだけ空転するものの、クワトロシステムが差動制御して設置しているタイヤにトルクを伝達。ボディーをゆらゆらと動かしながらも着実に前進してクリアしていく。

シティユースでの走行性能も重視しているQ3だけに、サスペンションストロークはそれほど大きくない様子。それでも、空転するタイヤをロックさせながら着実に前進
凹凸の具合によっては、2輪のみでバランスを取りながら進むような瞬間も見られた

バンク

バンクで設定されたアングルは30°。今回の試乗では半ばほどの高さで制限されていた

 なだらかな金属製スロープを使って行われるバンクコースでは、車両右側のタイヤをスロープに乗せ、車体を30°傾斜させて走行。車外で見ている以上に刺激が強く、発表会後の体験試乗ではコース半ばで自らステアリングを切って「途中リタイヤ」してしまう人も出た。

30°と数字で目にするとインパクトは薄いが、実際にはアプローチ直前のQ3の車体が一部隠れるようなサイズ。直進後のクリア直前には右フロントタイヤが宙に浮くほどの角度だ
車両の前方でも、インストラクターがステアリングの角度を身振りで伝えてアシスト
扁平率の低いQ3の純正タイヤでこれだけボディーが傾斜している姿は刺激的
試乗車は右ハンドル車なのでアスファルト路面から遠く、恐怖心も倍増

シーソー

 シーソーコースでは、クルマごと乗り上げる金属製の巨大なシーソーを用意。登坂の角度は20°に設定され、登坂性能に加えてQ3に与えられた各種対地障害角、シーソーの上下が反転して前方が接地する瞬間の衝撃吸収性能などを体感できる。

約1.6tの重量があるQ3のクワトロモデルが車両ごと前後に動く巨大シーソー。Q3にとって20°の登坂路は楽なものだろうが、こちらも乗っていると見た目以上にスリリングな試乗となっている
金属製のシーソーにはダンパーが2本設定されており、車両の通過後にはゆっくりと音をたてることもなく初期状態に復帰する

 このほか、公道を使うPremium test driveでは、現時点では「A8」「RS7」「RS4」といった試乗車を設定。なるべく通常では各ディーラーで試乗車を用意しないような車種をラインアップし、アウディモデルが持つ技術の粋を体感してほしいという内容になっている。

(編集部:佐久間 秀)