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大混雑の「カロッツェリア エクスペリエンス 2014」で新型「楽ナビ」を触ってみた
カーナビ/カーAV機能を操作できる新型コントローラー「スマートコマンダー」の使い勝手はいかに
(2014/10/9 19:48)
- 2014年10月8日開催
10月8日に新型「楽ナビ」を発売したパイオニア。同日、新製品を体験可能なイベント「カロッツェリア エクスペリエンス 2014」を目黒雅叙園(東京都目黒区)において開催した。当日は幕張メッセ(千葉県)でIT・エレクトロニクス関連の総合展示会「CEATEC JAPAN 2014」が開催されており、通常であればそちらにブースを設けて展示する流れになりそうだが、あえて単独での展示会を選択するあたり、カーAV事業に対する同社の強い意気込みの現れといってよいだろう。ちなみに、こういった形でイベントを行うのは同社初の試みだという。
会場では新しい楽ナビのバリエーションが展示され、自由に操作できるようになっていたほか、専用フィッティングを使い8V型モニター採用モデルを装着したクルマが用意されていた。イベントは19時~21時と遅めの時間に設定されていたが、多くのユーザーが詰めかけ開場直後は大混雑。すでにサイバーナビや楽ナビを使っているユーザーが多いようで、スタッフに専門的な質問をしている姿が多く見られた。
新型「楽ナビ」の簡単なファーストレビューをお届けする。細かなスペックに関しては関連記事(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20141008_670424.html)を見て欲しい。
一番の特長と言えるのはやはり「スマートコマンダー」の存在だろう。これは8方向のジョイスティックとダイヤルを組み合わせたデバイスで、従来のリモコン同様に赤外線により通信を行っている。デザインはBMWの「iDrive」やマツダの「マツダコネクト」のようなイメージだが、できることはもう少しシンプルだ。
ダイヤルは地図スケールの拡大/縮小またはボリューム上/下、ジョイスティックは地図のスクロール用、そしてボタンを押すことで専用メニューに用意された3つのコマンドの実行が可能だ。逆にいえば、それ以外の操作はできない。つまりメニューからコマンドを選んだり、文字入力時には利用できずタッチパネルを使うことになる。ちょっと不便に感じるかもしれないが、これは走行中でも画面を見ないで済むように、あえて機能を絞ったとのこと。ボタンを押した際の専用メニューはルート案内中の現在地/任意の地点、ルート非案内時の現在地/任意の地点という4つが用意されており、それぞれ異なる操作ができるようになっている。
要は一部の機能に特化したリモコンなワケだけれど、これが意外といっては失礼だが便利に使える。「自宅に帰る」や「ルート再探索」がほぼワンタッチで済むし、地図スクロール時に画面に触る必要がないのも嬉しい。「現在地」「AV」のほか任意の機能が割り当てられるダイレクトキーが2つ用意されているのも便利だ。
で、「そういえば“ジェスチャー”はどうなったのよ?」と思ったあなたは楽ナビユーザーですね? ジェスチャーはほぼ廃止になった。「ほぼ」というのは近接センサーによるランチャー機能のみ残っているため。つまり、新型ではジェスチャー機能がスマートコマンダーに置き換えられた、と考えればよい。
あともう1つ。あまり言及されない部分かもしれないが、一部上級モデルに採用された「ブリリアントフィニッシュパネル」がかなりイイのだ。従来モデルはタッチパネルが感圧式ということもあって、コントラストが低く若干眠い表示になっていたけれど、このパネルのモデルはそれをほぼ払拭。映像系がコンポジットからコンポーネント接続になった(これは全モデル)ことも相まってキレイな映像が楽しめる。と、書くと「おお、ついに静電式になったか」と思うかもしれないが、実は感圧式のまま。これは爪先での操作も可能など感圧式ならではのメリットも考慮してのことだとか。もちろん地図画面ではフリックやドラッグ操作が可能なので、ここまでくれば感圧式、静電式というのはナンセンスなのかもしれない。
ついでにもうちょっとだけ追加すると、サイバーナビよりイイと思った部分が操作感。名前からするとよい意味で不釣り合いなほど機能満載になった楽ナビだけれども、それでもサイバーナビよりは若干シンプル。それが功を奏して(?)か、操作の1つ1つに対するレスポンスが速いのだ。これはカーナビを日常的に使う人にとってはかなりのポイントといえそう。オープン価格ながら店頭予想価格はかなりお手ごろといえるレンジとなっている。発売は11月上旬とのことでまだ期間があるものの、完成度の高いモデルだけに、この秋のカーナビ新製品群の中でも台風の目といえる存在になりそうだ。