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BMW、MPVセグメントで唯一クリーンディーゼル車をラインアップする「2シリーズ グラン ツアラー」発表会
「BMWは日本におけるクリーンディーゼルのパイオニア」。ガソリン2種、ディーゼル1種を展開
(2015/5/26 21:26)
- 2015年5月26日開催
ビー・エム・ダブリューは5月26日、6月6日に発売する初の7人乗りMPV「2シリーズ グラン ツアラー」の発表会を、東京・丸の内の「BMW Group Studio」で開催した。発表会ではビー・エム・ダブリュー 代表取締役社長 ペーター・クロンシュナーブル氏が登壇するとともに、BMWマーケティングディビジョン プロダクト・マネジメント 清水恵子氏が製品概要の紹介を行った。2シリーズ グラン ツアラーの詳細については関連記事を参照していただきたい。
●BMW、初の7人乗り新型MPV「2シリーズ グラン ツアラー」
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20150526_703760.html
BMWは日本におけるクリーンディーゼルのパイオニア
製品説明に先立ち、ペーター・クロンシュナーブル社長が日本市場での販売状況などについて紹介。
まず、1月~4月のBMWとMINIの累計販売台数は2万1131台(BMW:1万4325台、MINI:6806台)となり、消費税増税に伴う駆け込み需要のあった2014年の2万1095台(BMW:1万5844台、MINI:5251台)を超えて過去最高をマーク。
同社は昨年から「2シリーズ クーペ」「2シリーズ カブリオレ」「2シリーズ アクティブ ツアラー」「1シリーズ」「i3」など、プレミアム・コンパクト・セグメントに新型車を積極的に投入している。これは国産車から乗り換える新規顧客が同クラスに多くいるためで、「日本市場における輸入車のシェアはまだ10%未満。国産ブランドから新たなお客様を獲得することが成長の鍵」とクロンシュナーブル氏はいう。
そうしたなか、BMW初のMPV(多目的車)として新たに投入する2シリーズ グラン ツアラーについては、「日本のマーケットに完璧に適応し、とくに国産車にお乗りのファミリー層の方を獲得できると考えている。その理由はいくつかあるが、まずはこのモデルがプレミアム・コンパクト・セグメント初の7人乗りで、3列シートを標準装備していること。日本でのMPVセグメントは乗用車市場全体の30%を占めているが、これまでMPVセグメントに車両を投入していなかった」とし、これまでBMWとして用意していなかったMPVセグメントに新型車を投入することを宣言するとともに、MPVセグメントのうち約70%のモデルが3列シートであり、7名以上を乗員にしているが、今回の2シリーズ グラン ツアラーはそれに適合するモデルであることが紹介された。
そしてもう1点、2シリーズ グラン ツアラーが日本のファミリー層を獲得できると考えている理由について、日本市場で展開するプレミアム・コンパクト・セグメントの7人乗りモデルで唯一クリーンディーゼルエンジンを搭載していることを挙げ、「日本のお客様がクリーンディーゼル車を広く支持されている事実は、私たちのよく知るところ。BMWは日本におけるクリーンディーゼルのパイオニアであり、MINIを含めて12のクリーンディーゼルモデルを提供している。BMWでは昨年販売されたモデルのうち約30%がクリーンディーゼルモデル。MINIクロスオーバーにおいてはその比率が90%に上る」(クロンシュナーブル氏)と、日本でのクリーンディーゼルモデルの販売が成功を収めていることが報告された。
また、ガソリンモデルと比べクリーンディーゼルモデルの方が新規顧客を獲得しやすい傾向にあるそうで、例えば3シリーズのクリーンディーゼルモデルはガソリンモデルよりも新規顧客獲得率が10%高いという。2シリーズ グラン ツアラーでは、こうした高い人気を誇るクリーンディーゼルエンジンを搭載していること、衝突回避・被害軽減ブレーキといった安全装備を標準装備していることから、クロンシュナーブル氏は「きっと国産車にお乗りのお客様の心をつかめると思う」と述べ、日本市場での成功を誓った。
高い機能性と実用性を融合し、魅力的な価格で導入
次に、BMWマーケティングディビジョン プロダクト・マネジメント 清水恵子氏が製品概要を紹介。
今回の2シリーズ グラン ツアラーの商品コンセプトは「BMWならではのダイナミックなスタイリングとスポーティな運動性能に、最大で7人の乗車が可能な広々とした室内空間と、高い機能性・快適性を融合したBMW初のMPV(多目的車)」で、4565×1800×1645mm(全長×全幅×全高)というコンパクトなボディーサイズとしつつ、2列目と3列目シートは多彩なシートアレンジが可能になっており、2シリーズ グラン ツアラーのメインターゲットであるファミリー・ユースでオールマイティに活躍するモデルに仕上げた。
商品ハイライトは「プレミアム・コンパクト・セグメント初の7人乗りMPV」「新世代のクリーンディーゼルエンジン搭載モデルをラインアップ。燃費は輸入車トップクラスの21.3km/Lを達成」「安全かつ快適なドライブに貢献する数々の標準装備品:衝突回避・被害軽減ブレーキ、iDriveナビゲーションシステム、LEDヘッドライトを全車標準装備」の3点。
まずインテリアでは、ダッシュボードにアクセントトリム付きの大きなインテリアトリムパネルを採用するとともに、クロームのアクセントを随所にあしらうことでひとクラス上のプレミアム感を強調。
シートレイアウトは2-3-2で、2列目シートは前後に130mmスライディングする機能とともに、バックレストの角度調節機能を備えた。また、レバー操作だけでバックレストを倒し、シートを前方に移動させることができ、3列目シート(50:50分割可倒式)へのアクセスを容易にした。この2列目シートは40:20:40分割可倒式となっており、ラゲッジルームに用意されるリリースボタンで前倒しすることも可能。ラゲッジルームの容量は3列目シートを倒すと560L、2列目も倒すことで1820Lに拡大する。
パワートレーンは、2種類のガソリンエンジンとクリーンディーゼルエンジンをラインアップ。136PS/22.4kgmの直列3気筒DOHC 1.5リッターターボエンジンを搭載する「218i グラン ツアラー」が6速ATの組み合わせで、192PS/28.6kgmの直列4気筒DOHC 2.0リッターターボエンジンの「220i グラン ツアラー」と、150PS/33.7kgmの直列4気筒DOHC 2.0リッタークリーンディーゼルエンジンの「218d グラン ツアラー」は8速ATを組み合わせる。
いずれのモデルもアイドリングストップ機能、燃費のよい走りをサポートするECO PROモード付の「ドライビング・パフォーマンス・コントロール」といった機能が備わるとともに、0.28というクラス最高レベルのCd値を実現する空力特性などにより、高い燃費性能を実現。とりわけ218d グラン ツアラーは2シリーズ グラン ツアラーの中でもっとも低燃費となる21.3km/L(JC08モード燃費)を実現し、エコカー減税により自動車取得税および重量税で免税(100%減税)措置が受けられる。
このほか安全装備では、フロントウインドーに備える前方のカメラで「衝突回避・被害軽減ブレーキ」「前車接近警告機能」「レーン・ディパーチャー・ウォーニング」を機能させるドライバー支援システム「ドライビング・アシスト」を全車に標準装備。歩行者検知機能も採用し、歩行者の接近に対してもドライバーに警告を行うとともに衝突回避・被害軽減ブレーキを作動させる。
清水氏は最後に、「2シリーズ グラン ツアラーは、国産ブランドのミニバンからもお乗り換えいただけるよう、358万円(218i グラン ツアラー)~という戦略的な価格設定にしている。日本市場に完璧にマッチした商品コンセプトを持つ2シリーズ グラン ツアラーは、BMWのアセットであるスタイリングとドライビングダイナミクスはそのままに、高い機能性と実用性を融合し、何より魅力的な価格で導入する」と、2シリーズ グラン ツアラーが他のBMWモデルと同様に高い運動性能を備えつつ、経済性にも優れることをアピールして説明を締めくくっている。