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BMW、新ジャンルの“スポーツ アクティビティ ツアラー”「2シリーズ アクティブ ツアラー」発表会
BMW初の前輪駆動、BMW初の3気筒エンジンで走行性能と居住性を両立
(2014/10/2 00:00)
ビー・エム・ダブリューは10月1日、プレミアムコンパクトモデルの新規車種「2シリーズ アクティブ ツアラー」の受注をスタートし、東京・丸の内の「BMW Group Studio」で記者発表会を実施した。2シリーズ アクティブ ツアラーの価格は332万円~494万円で全車右ハンドル仕様。このほかのグレード体系や装備内容などの詳細は関連記事(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20141001_669323.html)を参照していただきたい。
車両コンセプトは「スポーツ アクティビティ ツアラー(SAT)」
発表会では、まずビー・エム・ダブリュー マーケティングディビジョン プロダクト・マネジャーの清水恵子氏から新型車両の商品コンセプトなどについて説明された。清水氏は、ニューモデルであるこの2シリーズ アクティブ ツアラーが「スポーツ アクティビティ ツアラー(SAT)」と呼ばれる新しい車両コンセプトで生み出されていると紹介。同社の2シリーズとしては、今年2月にデビューした2シリーズ クーペに続くモデルとなり、「ダイナミックなスタイリング」「運動性能」「広々とした室内空間」「多彩な機能性・快適性」といったさまざまな要素を融合させた車両であるとしている。また、4350×1800×1550mm(全長×全幅×全高)というボディーサイズは、1シリーズより全体的に大きく、X1よりも全長が短いというポジショニング。全幅と全高のサイズは立体駐車場も利用可能な範囲内で、日本市場での利用状況も考慮されているとのこと。
このほかに清水氏は、「ハッチバック車やMPVとは一線を画する機能美を備えたダイナミックなデザイン」「多様な用途に応える機能性と高い快適性を備える広々した室内空間」「前輪駆動方式ながらBMW車らしいドライビングダイナミクス」「卓越したパワーと環境性能の両立させる新開発3気筒&4気筒エンジン」「衝突被害軽減ブレーキやiDrive ナビゲーション・システムなどを備える高い装備レベル」という5点が2シリーズ アクティブ ツアラーの商品特徴になると語っている。
詳細な車両解説は、BMW AGのエクステリア・クリエイティブ・ディレクターの永島譲二氏、車両インテグレーション部門 チーフ・エンジニアのニルス・ボルヒャーズ氏から実施された。
まず登壇した永島氏は内外装のデザインについて紹介。「今回のモデルは、BMWとしては初めてとなる多目的車と言えるようなクルマです。BMWでは製品の大半がスポーティな性格のセダンやクーペ、コンバーチブルになります。車高も低くてボンネットも長いプロポーションを我々デザイナーも扱っているのですが、初めてとなる今回のモデルでは、全長が短くて全高が高い。難しいというか、箱形になってしまいやすいパッケージとなっています」と前置き。しかし、それでありながらも、BMW車らしいダイナミックなデザイン、走りを予感させる力強いスタイルを失ってはいけないということがデザイン面での大きなコンセプトになったと明かす。
そういった目的を達成するための具体的なデザイン施策としては、まずフロントマスクで横幅を広く見せることを意識したとのこと。BMW車のアイデンティティであるキドニーグリルは高さを抑えて横に広げ、ヘッドライトも横に長くして水平感を強調する形状としている。また、ボンネット上には特徴的なラインを描き、立体的でボリューム感のある形状とすることで内部に収められたエンジンのパワーを予期させ、ダイナミックなパワー感を強調していると語っている。
また、サイドビューのイメージでは、陸上競技の短距離走で選手がスタートする瞬間のクラウチングスタートの姿勢を採用。走り出す瞬間に腰を浮かせた前傾姿勢を、ドアに描かれたベルトラインなどのキャラクターラインでくさび形を表現。ウインドーの下端も車両後方に向けてキックアップしており、動きのスムーズさやダイナミックなテイストを与えるものとしている。
続いて登壇したボルヒャーズ氏は、この2シリーズ アクティブ ツアラーが2009年に発表した「ルームファンクショナルコンセプト」と呼ばれるコンセプトカーから端を発していると紹介。このコンセプトカーでは「インテリアスペースを最大化したい」「居住性を高めたい」と追い求め、ルーフを高めて視界を広げ、合わせてシートポジションも「セミコマンドポジション」と表現する位置までリフトアップ。これによって渋滞するような交通状況でも高い位置から周囲の状況が確認できるようになったことを成果として手に入れ、2シリーズ アクティブ ツアラーにも生かされている。
走行性能では、BMWの開発チームが守り続けている「どんなレイアウトでも、どんな駆動方式でもBMWらしい走りを実現する」という規則をしっかりと表現できていると自信を見せる。2シリーズ アクティブ ツアラーでも、ステアリング精度、操作に対する反応、直進安定性といった面でより高額なモデルと同等の走りを実現していると語った。
このほか、ビー・エム・ダブリュー 代表取締役社長のペーター・クロンシュナーブル氏は、2009年から2013年まで連続して売り上げが記録的に伸びていることを紹介。今年度も大きな売り上げを予想していると語り、ユーザーのニーズと欲求を満たすため、2014年度中に12モデルの新型車を投入予定であると語っている。とくにこの12モデルのなかでも、スポーツ・アクティビティ・クーペの「X6」、MINIの5ドアモデルに加え、BMWの歴史で新しいマイルストーンになるモデルである2シリーズ アクティブ ツアラーも重要なモデルであると取りあげている。