東京モーターショー2013

BMW、ボディーは大きくなったが軽量に仕上げた「4シリーズ カブリオレ」を世界初公開

次世代のプレミアムブランドとなる「BMW i」の2台も一般公開

ステージにはBMWのサブブランド「BMW i」のi8とi3が並ぶ
東京ビッグサイト 東2ホール

会期:11月20日~12月1日(一般公開日:11月23日~12月1日、プレビューナイト:11月22日17時30分~)

プレスブリーフィングの様子

 ビー・エム・ダブリューは、プレスブリーフィングで来年から国内に導入するサブブランド「BMW i」の2モデルのお披露目を行った。EV、PHVを展開するBMW iは「成熟している日本市場に最適なモデル」と言い、国内での新たな展開に意気込みを見せている。

 BMW iに続いて公開されたのは、先代3シリーズ カブリオレの後継モデルとなる「4シリーズ カブリオレ」。この東京モーターショーがワールドプレミアになる。従来の3シリーズにはセダンとツーリングに加え、クーペとカブリオレというボディーバリエーションを持っていたが、3シリーズのクーペは新型から4シリーズを名乗ることになり、初公開されたカブリオレも4シリーズ カブリオレという新たな名称を得て市場に導入される。

アンベールを待つ4シリーズ カブリオレ
プレスブリーフィングでは、BMW iの2台に続いて4シリーズ カブリオレがステージに登場

 新型4シリーズ カブリオレは「ダイナミクス」「エレガンス」「ドライビングプレジャー」を存分に感じられるよう開発しているそうで、ロングホイールベースと切り詰められたオーバーハング、キャビンが後方に寄せられたフォルムはまさにスポーツカーそのもの。ボディーサイズは先代の3シリーズカブリオレに対し、全長で26mm、全幅で43mm、ホイールベースで50mm拡大されているが、BMWのライトウエイト技術によって最大で25kg軽量化されている。拡大されたボディーによって室内空間は向上。フロント、リアともにヘッドクリアランスが拡大され、リアシートのレッグスペースも広がるなどカブリオレモデルながら居住性にも優れている。

 シャシーはカブリオレ専用に開発されており、前後重量バランスは50:50に設定。そして、風洞試験で精密に調整されたエアロダイナミクス、ローダウンされた足まわりとワイドトレッドによる低重心化などにより、BMWの“駆け抜ける歓び”を存分に体感できるという。

 組み合わせられるエンジンは、直列6気筒ガソリンエンジンをツインスクロールターボで過給する435i、直列4気筒ガソリンエンジンを搭載する428i、直列4気筒ディーゼルエンジンを搭載する420dの3種類。ただし、この3モデルはドイツ本国でのラインアップであり、国内にどのモデルが導入されるかは決まっていないようだ。トップモデルの435iでは0-100km/h加速が5.5秒となり、十分にスポーツモデルと呼べる性能を持っている。

 3種類のモデルには、スタンダードのほかに「スポーツ」「モダン」「ラグジュアリー」に加え、「Mスポーツ」が設定されている。どの設定もエクステリア/インテリアがそれぞれの方向性に合致した装備品を採用していて、ユーザーに幅広い選択肢を与えている。

ワールドプレミアされた4シリーズカブリオレ
3分割されたリトラクタブル・ハードトップは、開閉ボタンのプッシュだけで20秒以内に開閉を完了する。ルーフを閉めた状態では優れた遮音性を実現
4人乗りのカブリオレながら居住性にも優れる
フロントタイヤ後方にはエア・ブリーザーを設置

コンセプトM4クーペ

 新型4シリーズのMモデル「コンセプトM4クーペ」もジャパンプレミア。大きなダクトを持つフロントバンパーやワイドフェンダーなど、Mモデルに相応しいエクステリアに仕上がっている。フロントスプリッター、ルーフ、リアディフューザーは軽量で剛性の高いCFRP製となる。

ボディーカラーは専用開発の「オーラム・ダスト」

コンセプト・アクティブ・ツアラー・アウトドア

 プラグインハイブリッドを採用したコンセプト・アクティブ・ツアラー・アウトドア。コンパクトなサイズながらさまざまな用途に対応する使い勝手のよさと高い環境性能が特徴のコンセプトカー。パワートレーンは、3気筒1.5リッターターボエンジンに最新のプラグインハイブリッドシステムをセット。これは、BMW i8にも採用されている「BMW eDrive」となる。ボディーサイズは4350×1833×1576mm(全長×全幅×全高)で、ホイールベースは2670mm。これまでにないサイズということもあり。BMWの新たなレンジとなることが想定される。

ラゲッジスペースに自転車2台を収納する「内蔵式バイシクル・キャリア・システム」を採用

新型X5

 第3世代にリニューアルされた新型X5。X5は初代からの合計で130万台以上を販売し、同クラスでトップのセールスを誇っている。3代目は先代モデルより最大で90kg軽量化されたボディーと環境性能に優れたエンジンにより、SUVモデルでトップレベルの省燃費性を保持している。仕様変更されたドライバー・アシスト・システムもより充実し、安全性や快適性、優れたハンドリング性能を引き立てる。

展示車は直列6気筒DOHC 3.0リッターターボディーゼルを搭載する「X5 xDrive35d」
エンジンラインアップは、V型8気筒ツインパワーターボエンジン(最高出力450PS)、直列6気筒ツインパワーターボエンジン(最高出力306PS)、直列6気筒ツインパワーターボディーゼルエンジン(最高出力258PS 写真)の3タイプ。組み合わされるトランスミッションは全車8速ATとなる
フロントモーターとリアに搭載された1.5リッターのガソリンエンジンを使い分けて走るBMW i8
カーボンモノコックを使うことでピュアEVながら軽量に仕上げているBMW i3
BMW M社が開発を行ったV8ツインターボエンジンも展示されていた

真鍋裕行

1980年生まれ。大学在学中から自動車雑誌の編集に携わり、その後チューニングやカスタマイズ誌の編集者になる。2008年にフリーランスのライター・エディターとして独立。現在は、編集者時代に培ったアフターマーケットの情報から各国のモーターショーで得た最新事情まで、幅広くリポートしている。また、雑誌、Webサイトのプロデュースにも力を入れていて、誌面を通してクルマの「走る」「触れる」「イジる」楽しさをユーザーの側面から分かりやすく提供中。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。