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BMW、1シリーズクーペに代わる新型プレミアムコンパクト「2シリーズ」発表会
2014年は「4シリーズ グランクーペ」「2シリーズ アクティブツアラー」など新型車続々
(2014/2/27 00:00)
ビー・エム・ダブリューは2月26日、新型プレミアムコンパクト「2シリーズクーペ」を発売した。価格は444万円~598万円。
BMWは、奇数で始まる車名のシリーズをセダンやツーリングに、偶数で始まる車名のシリーズをクーペやカブリオレとする方針を打ち出しており、今回の2シリーズは先に発売された6シリーズ、4シリーズに続くクーペモデルとなる。この2シリーズは「1シリーズクーペ」に代わるモデルだが、ハッチバックタイプの5ドアモデルは引き続き販売される。
同日、この2シリーズについての発表会を都内で開催し、アラン・ハリス社長が登壇するとともにBMW マーケティングディビジョン プロダクト・マネジメント 清水恵子さんが2シリーズの概要を説明した。
モデル | エンジン | 変速機 | 駆動方式 | 価格 |
---|---|---|---|---|
220i クーペ Sport | 直列4気筒DOHC 2.0リッターツインパワーターボ | 8速AT | 2WD(FR) | 4,440,000円 |
220i クーペ M Sport | 4,680,000円 | |||
M235i クーペ | 直列6気筒DOHC 3.0リッターツインパワーターボ | 6速MT | 5,840,000円 | |
8速AT | 5,980,000円 |
プレミアムコンパクトクーペの新たなベンチマークを目指す
新型2シリーズは、1966年に登場した2ドアモデル「02シリーズ」の系譜を受け継ぐスポーティなモデルに位置付けられ、「ボディーサイズ、デザイン、走行性能、装備において1シリーズとは明確に差別化し、プレミアムコンパクトクーペの新たなベンチマークになるべく新シリーズとして誕生した」と、清水さんは語る。
その新型2シリーズのプロダクトハイライトは、「セグメント唯一の後輪駆動コンセプトと約50:50の理想的な前後重量配分により、俊敏なハンドリング性能と卓越したロード・ホールディングを確保したこと」「ツインパワーターボエンジンと8速スポーツATの組み合わせにより、スポーティな走りと高効率を両立したこと」「伝統的なクーペデザインを踏襲しながら、ダイナミックでスタイリッシュなエクステリアデザインを実現したこと」「圧倒的なドライビング・ダイナミクスを誇るM235iをラインアップに追加したこと」「プレミアムな高性能クーペにふさわしい安全装備と利便装備を標準で装着したこと」の5点。
ボディーサイズは4440(M Sport、M235iは4470)×1775×1420(M Sport、M235iは1410)mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2690mmとし、先代モデルの120iと比べ70mm長く、25mm広く、35mm高くなり、全体的にサイズアップした。また、ホイールベースが30mm延長されるとともに、フロントのトレッドを30mm、リアのトレッドを20mm拡大したことで、「ロングホイールベースとワイドトレッド化により、美しくエレガントなプロポーションを形成するとともに、コーナリングや高速域の走行安定性が向上した」(清水さん)。
エクステリアデザインはロングエンジンフード、ロングホイールベース、後方に配置したキャビンといったBMWらしいファクターはそのままに、ワイドで逞しさを強調するボディーと躍動感のあるキャラクターラインでダイナミックなスタイリングを形成する。
インテリアでは、複数のラインやサーフェスを重ねて空間を分割するレイヤリングと呼ばれる手法によって空間の広がりを強調するとともに、モダンでスタイリッシュな雰囲気を演出。先代1シリーズクーペからサイズアップしたことを受け、前席のヘッドルームが6mm、後席のレッグルームが21mm、後席の乗降スペースが11mm拡大され、居住性や乗降性を高めている。トランクスペースは先代1シリーズクーペから20L増えて390Lとなったほか、トランクリッドの開口部を38mm拡大。オプションで用意される「スルーローディング・システム」を選択すると、標準で60:40分割可倒式(後席)のところ40:20:40の3分割で倒すことが可能になり、用途に合わせてアレンジする幅が広がる。
また、8.8インチのディスプレイを備え、タッチ・パッド付きiDrive コントローラーで地図の操作などが行える「iDrive ナビゲーション・システム」や、ボタン操作でフロントシートが前方にスライドし、後席への乗り降りを容易にする「コンフォート・エントリー機能」などを標準装備している。
パワートレーンは2種類。1つは220iに搭載する最高出力135kW(184PS)/5000rpm、最大トルク270Nm(27.5kgm)/1250-4500rpmの直列4気筒DOHC 2.0リッターツインパワーターボ。もう1つはBMW M社が開発した「M235i クーペ」に搭載する、最高出力240kW(326PS)/5800rpm、最大トルク450Nm(45.9kgm)/1300-4500rpmの直列6気筒DOHC 3.0リッターツインパワーターボ。トランスミッションはいずれのグレードも8速ATを展開するが、M235iでは6速MTを選択することも可能になっている。
また、アイドリングストップ機能や、走行特性を「コンフォート」「スポーツ」「スポーツ・プラス」「ECO PRO」から選択できる「ドライビング・パフォーマンス・コントロール」機能などを全モデルに装備。ECO PROを選択して高速走行中にアクセルを離すと、トランスミッションとエンジンを自動的に切り離し、惰性走行を行う「コースティング機能」も備え、より低燃費走行を行うことも可能になっている。
安全装備も充実しており、レーン・ディパーチャー・ウォーニング(車線逸脱警告システム)/前車接近警告機能/衝突回避・被害軽減ブレーキ/クルーズ・コントロール(ブレーキ機能付)の機能を含む「ドライビング・アシスト」や、事故発生時に救急などの手配を行うBMW SOSコールなどを標準装備とした。
最後に清水さんはこの2シリーズについて、「プレミアムブランドとして一切の妥協をせず、美しいスタイリングとクラスを超えたドライビングダイナミクス、環境性能を融合させ、高い安全性と機能性を併せ持つ新型2シリーズのバリューは非常に高く、(日本)市場でも高い競争力を持つと確信している」と力強く語った。
2シリーズ主要諸元(抜粋)
モデル | 220i クーペ Sport | M235i クーペ |
---|---|---|
ステアリング位置 | 右 | |
駆動方式 | 2WD(FR) | |
全長×全幅×全高 | 4440×1775×1420mm | 4470×1775×1410mm |
ホイールベース | 2690mm | |
前後トレッド | 1510/1535mm | |
エンジン | 直列4気筒DOHC 2.0リッターツインパワーターボ | 直列6気筒DOHC 3.0リッターツインパワーターボ |
最高出力 | 135kW(184PS)/5000rpm | 240kW(326PS)/5800rpm |
最大トルク | 270Nm(27.5kgm)/1250-4500rpm | 450Nm(45.9kgm)/1300-4500rpm |
使用燃料 | 無鉛プレミアム | |
トランスミッション | 8速AT | 8速AT/6速MT |
JC08モード燃費 | 16.7km/L | 12.5km/L(8速AT)/12.0km/L(6速MT) |
定員 | 4名 | |
重量 | 1450kg | 1550kg(8速AT)/1530kg(6速MT) |
前/後サスペンション | ダブル・ジョイント・スプリング・ストラット式/5リンク式 | |
主ブレーキ形式 | ベンチレーテッドディスク/ベンチレーテッドディスク | |
タイヤ | 225/45 R17 | フロント:225/40 R18 リア:245/35 R18 |
ホイールサイズ | 7.5J×17 | フロント:7.5J×18 リア:8J×18 |
2014年はニューモデルが続々登場
一方、アラン・ハリス社長は2013年を振り返るとともに、今後のBMWの展開について語った。
アラン・ハリス社長によると、2013年の全世界における販売台数は196万3798台(対前年比6%増)となり、記録的な年になったという。また、日本市場においても6万3019台(同10%増)を販売し、4年連続の成長を見せている。
その背景には3シリーズ(セダン/ツーリング)や5シリーズ(セダン/ツーリング)などで展開するガソリン、ハイブリッド、クリーンディーゼルという豊富なパワートレーンバリエーションがある。特にクリーンディーゼルが好調で、3シリーズで46%、5シリーズで42%、そして2013年10月にフルモデルチェンジしたX5に至っては90%の販売比率になっているという。それとともに、通信モジュールを利用した総合テレマティクス・サービス「BMW コネクテッドドライブ」、ドライバー支援システム「ドライビング・アシスト」などの導入によって「BMWのブランドを日本で大きく成長させることができた」とハリス社長は胸を張る。
この勢いを持続するべく、同社は今年10以上のモデルを日本市場へ投入することを明らかにした。まずアナウンスされたのが、2013年の東京モーターショーで登場した「MINI」「4シリーズ カブリオレ」や、先ごろ発売されたばかりの「M3セダン」「M4クーペ」。さらに4ドアクーペスタイルの「4シリーズ グランクーペ」を発売するとともに、2014年後半にはクロスオーバー車「X4」や前輪駆動の新型コンパクト「2シリーズ アクティブツアラー」などの導入を予定する。
なお、すでに予約を開始している新ブランド「BMW i」の都市向け電気自動車(EV)「i3」、プラグイン・ハイブリッド(PHV)の4シータースポーツカー「i8」に関して、i3では1万台の予約が、i8では2014年に生産する台数分の受注が入っているとハリス社長は解説した。