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BMW、1シリーズクーペに代わる新型プレミアムコンパクト「2シリーズ」発表会

2014年は「4シリーズ グランクーペ」「2シリーズ アクティブツアラー」など新型車続々

BMW アラン・ハリス社長と「2シリーズクーペ」
2014年2月26日発売

444万円~598万円

 ビー・エム・ダブリューは2月26日、新型プレミアムコンパクト「2シリーズクーペ」を発売した。価格は444万円~598万円。

 BMWは、奇数で始まる車名のシリーズをセダンやツーリングに、偶数で始まる車名のシリーズをクーペやカブリオレとする方針を打ち出しており、今回の2シリーズは先に発売された6シリーズ、4シリーズに続くクーペモデルとなる。この2シリーズは「1シリーズクーペ」に代わるモデルだが、ハッチバックタイプの5ドアモデルは引き続き販売される。

 同日、この2シリーズについての発表会を都内で開催し、アラン・ハリス社長が登壇するとともにBMW マーケティングディビジョン プロダクト・マネジメント 清水恵子さんが2シリーズの概要を説明した。

モデルエンジン変速機駆動方式価格
220i クーペ Sport直列4気筒DOHC 2.0リッターツインパワーターボ8速AT2WD(FR)4,440,000円
220i クーペ M Sport4,680,000円
M235i クーペ直列6気筒DOHC 3.0リッターツインパワーターボ6速MT5,840,000円
8速AT5,980,000円
撮影車両はBMW M社が手がける「M235i クーペ」
M235iのボディーサイズは4470×1775×1410mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2690mm
フロントまわりではクローム仕上げのキドニーグリル(ワイド・ブラック・バー)、バイキセノンヘッドライト(光軸自動調整機構/LED スモールライト・リング/LED アクセント・ライン付)などを装備
専用のフロントバンパー両端にはエアインテークが備わる。エアインテークから取り込まれた空気はフロントホイールアーチ付近に放出され、ホイールとホイールアーチ周辺の乱気流を抑えて空気抵抗を低減することができる
M235iではドアミラーがフェリック・グレーカラーになる
トランク後端に小型のリアスポイラーが備わる
L字型のリアコンビネーションランプ
M235iでは専用デザインの18インチホイールを装備

プレミアムコンパクトクーペの新たなベンチマークを目指す

BMW マーケティングディビジョン プロダクト・マネジメント 清水恵子さん

 新型2シリーズは、1966年に登場した2ドアモデル「02シリーズ」の系譜を受け継ぐスポーティなモデルに位置付けられ、「ボディーサイズ、デザイン、走行性能、装備において1シリーズとは明確に差別化し、プレミアムコンパクトクーペの新たなベンチマークになるべく新シリーズとして誕生した」と、清水さんは語る。

 その新型2シリーズのプロダクトハイライトは、「セグメント唯一の後輪駆動コンセプトと約50:50の理想的な前後重量配分により、俊敏なハンドリング性能と卓越したロード・ホールディングを確保したこと」「ツインパワーターボエンジンと8速スポーツATの組み合わせにより、スポーティな走りと高効率を両立したこと」「伝統的なクーペデザインを踏襲しながら、ダイナミックでスタイリッシュなエクステリアデザインを実現したこと」「圧倒的なドライビング・ダイナミクスを誇るM235iをラインアップに追加したこと」「プレミアムな高性能クーペにふさわしい安全装備と利便装備を標準で装着したこと」の5点。

 ボディーサイズは4440(M Sport、M235iは4470)×1775×1420(M Sport、M235iは1410)mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2690mmとし、先代モデルの120iと比べ70mm長く、25mm広く、35mm高くなり、全体的にサイズアップした。また、ホイールベースが30mm延長されるとともに、フロントのトレッドを30mm、リアのトレッドを20mm拡大したことで、「ロングホイールベースとワイドトレッド化により、美しくエレガントなプロポーションを形成するとともに、コーナリングや高速域の走行安定性が向上した」(清水さん)。

 エクステリアデザインはロングエンジンフード、ロングホイールベース、後方に配置したキャビンといったBMWらしいファクターはそのままに、ワイドで逞しさを強調するボディーと躍動感のあるキャラクターラインでダイナミックなスタイリングを形成する。

 インテリアでは、複数のラインやサーフェスを重ねて空間を分割するレイヤリングと呼ばれる手法によって空間の広がりを強調するとともに、モダンでスタイリッシュな雰囲気を演出。先代1シリーズクーペからサイズアップしたことを受け、前席のヘッドルームが6mm、後席のレッグルームが21mm、後席の乗降スペースが11mm拡大され、居住性や乗降性を高めている。トランクスペースは先代1シリーズクーペから20L増えて390Lとなったほか、トランクリッドの開口部を38mm拡大。オプションで用意される「スルーローディング・システム」を選択すると、標準で60:40分割可倒式(後席)のところ40:20:40の3分割で倒すことが可能になり、用途に合わせてアレンジする幅が広がる。

 また、8.8インチのディスプレイを備え、タッチ・パッド付きiDrive コントローラーで地図の操作などが行える「iDrive ナビゲーション・システム」や、ボタン操作でフロントシートが前方にスライドし、後席への乗り降りを容易にする「コンフォート・エントリー機能」などを標準装備している。

220i M Sport、M235iではインテリアカラーをブラックまたはオイスターから選択できる。撮影車はオプションのダコタ・レザーシートを組み合わせる
レザーのスポーツステアリング(シフト・パドル付き)
左にスピードメーター、右にタコメーターを配置する専用メーター
トランスミッションは8速AT。M235iでは6速MTの選択もできる
iDrive コントローラー(コントロール・ディスプレイ用、ダイレクト・メニュー・コントロール・ボタン、タッチ・パッド付)
8.8インチディスプレイ&iDrive ナビゲーション・システムを全車標準装備
オートエアコンも全車装備する
電動フロントシートはメモリー機能付き
後席は従来の1シリーズクーペからレッグルームを21mm、後席の乗降スペースを11mm拡大し、居住性や乗降性を高めている
トランクスペースは先代1シリーズクーペから20L増えて390Lに。トランクリッドの開口部も38mm拡大している
最高出力240kW(326PS)/5800rpm、最大トルク450Nm(45.9kgm)/1300-4500rpmを発生する直列6気筒DOHC 3.0リッターツインパワーターボエンジン

 パワートレーンは2種類。1つは220iに搭載する最高出力135kW(184PS)/5000rpm、最大トルク270Nm(27.5kgm)/1250-4500rpmの直列4気筒DOHC 2.0リッターツインパワーターボ。もう1つはBMW M社が開発した「M235i クーペ」に搭載する、最高出力240kW(326PS)/5800rpm、最大トルク450Nm(45.9kgm)/1300-4500rpmの直列6気筒DOHC 3.0リッターツインパワーターボ。トランスミッションはいずれのグレードも8速ATを展開するが、M235iでは6速MTを選択することも可能になっている。

 また、アイドリングストップ機能や、走行特性を「コンフォート」「スポーツ」「スポーツ・プラス」「ECO PRO」から選択できる「ドライビング・パフォーマンス・コントロール」機能などを全モデルに装備。ECO PROを選択して高速走行中にアクセルを離すと、トランスミッションとエンジンを自動的に切り離し、惰性走行を行う「コースティング機能」も備え、より低燃費走行を行うことも可能になっている。

 安全装備も充実しており、レーン・ディパーチャー・ウォーニング(車線逸脱警告システム)/前車接近警告機能/衝突回避・被害軽減ブレーキ/クルーズ・コントロール(ブレーキ機能付)の機能を含む「ドライビング・アシスト」や、事故発生時に救急などの手配を行うBMW SOSコールなどを標準装備とした。

 最後に清水さんはこの2シリーズについて、「プレミアムブランドとして一切の妥協をせず、美しいスタイリングとクラスを超えたドライビングダイナミクス、環境性能を融合させ、高い安全性と機能性を併せ持つ新型2シリーズのバリューは非常に高く、(日本)市場でも高い競争力を持つと確信している」と力強く語った。

2シリーズは1966年に登場した2ドアモデル「02シリーズ」の系譜を受け継ぐ
1シリーズと比べるとよりスポーティなデザインになっていることが分かる
2シリーズのディメンション。先代モデルの120iと比べ70mm長く、25mm広く、35mm高くなり、全体的にサイズアップ
2シリーズのモデルラインアップ
センターコンソールはドライバーに向けて角度がつけられ、重要な操作系がドライバーの手の届く範囲に配置される
先代1シリーズクーペからサイズアップしたことを受け、前席のヘッドルームが6mm、後席のレッグルームが21mm、後席の乗降スペースが11mm拡大。居住性や乗降性が高められた
トランクスペースは先代1シリーズクーペから20L増えて390Lとなったほか、トランクリッドの開口部を38mm拡大
約50:50の理想的な前後重量配分を実現したとする
220iに搭載する直列4気筒エンジンのスペック
M235iに搭載する直列6気筒エンジンのスペック
トランスミッションは8速ATを採用
アイドリングストップ機能など燃費性能を高める機能・装備も与えられている
レーン・ディパーチャー・ウォーニング(車線逸脱警告システム)/前車接近警告機能/衝突回避・被害軽減ブレーキ/クルーズ・コントロール(ブレーキ機能付)の機能を含む「ドライビング・アシスト」を全車標準装備
日々のドライビングをより便利にする快適装備も標準装備
220iのターゲット層
M235iのターゲット層
価格

2シリーズ主要諸元(抜粋)

モデル220i クーペ SportM235i クーペ
ステアリング位置
駆動方式2WD(FR)
全長×全幅×全高4440×1775×1420mm4470×1775×1410mm
ホイールベース2690mm
前後トレッド1510/1535mm
エンジン直列4気筒DOHC 2.0リッターツインパワーターボ直列6気筒DOHC 3.0リッターツインパワーターボ
最高出力135kW(184PS)/5000rpm240kW(326PS)/5800rpm
最大トルク270Nm(27.5kgm)/1250-4500rpm450Nm(45.9kgm)/1300-4500rpm
使用燃料無鉛プレミアム
トランスミッション8速AT8速AT/6速MT
JC08モード燃費16.7km/L12.5km/L(8速AT)/12.0km/L(6速MT)
定員4名
重量1450kg1550kg(8速AT)/1530kg(6速MT)
前/後サスペンションダブル・ジョイント・スプリング・ストラット式/5リンク式
主ブレーキ形式ベンチレーテッドディスク/ベンチレーテッドディスク
タイヤ225/45 R17フロント:225/40 R18 リア:245/35 R18
ホイールサイズ7.5J×17フロント:7.5J×18 リア:8J×18

2014年はニューモデルが続々登場

アラン・ハリス社長

 一方、アラン・ハリス社長は2013年を振り返るとともに、今後のBMWの展開について語った。

 アラン・ハリス社長によると、2013年の全世界における販売台数は196万3798台(対前年比6%増)となり、記録的な年になったという。また、日本市場においても6万3019台(同10%増)を販売し、4年連続の成長を見せている。

 その背景には3シリーズ(セダン/ツーリング)や5シリーズ(セダン/ツーリング)などで展開するガソリン、ハイブリッド、クリーンディーゼルという豊富なパワートレーンバリエーションがある。特にクリーンディーゼルが好調で、3シリーズで46%、5シリーズで42%、そして2013年10月にフルモデルチェンジしたX5に至っては90%の販売比率になっているという。それとともに、通信モジュールを利用した総合テレマティクス・サービス「BMW コネクテッドドライブ」、ドライバー支援システム「ドライビング・アシスト」などの導入によって「BMWのブランドを日本で大きく成長させることができた」とハリス社長は胸を張る。

 この勢いを持続するべく、同社は今年10以上のモデルを日本市場へ投入することを明らかにした。まずアナウンスされたのが、2013年の東京モーターショーで登場した「MINI」「4シリーズ カブリオレ」や、先ごろ発売されたばかりの「M3セダン」「M4クーペ」。さらに4ドアクーペスタイルの「4シリーズ グランクーペ」を発売するとともに、2014年後半にはクロスオーバー車「X4」や前輪駆動の新型コンパクト「2シリーズ アクティブツアラー」などの導入を予定する。

 なお、すでに予約を開始している新ブランド「BMW i」の都市向け電気自動車(EV)「i3」、プラグイン・ハイブリッド(PHV)の4シータースポーツカー「i8」に関して、i3では1万台の予約が、i8では2014年に生産する台数分の受注が入っているとハリス社長は解説した。

2013年の全世界における販売台数は196万3798台で、対前年比6%増となった
日本市場では4年連続の成長を遂げた
3シリーズと5シリーズのハイブリッドおよびクリーンディーゼルの販売比率
新型X5ではクリーンディーゼルが90%の販売比率を誇る
2014年に投入される数々のモデル

(編集部:小林 隆)