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神保町フリーミーティング #02「佐々木雅弘選手&橋本洋平氏と2015年の86レースを振り返る」開催

まるも亜希子氏も参加。メンバー全員で今年を象徴する漢字1文字を披露

2015年12月21日開催

 12月21日、Car Watch Presents「神保町フリーミーティング #02 ~佐々木雅弘選手&橋本洋平氏と2015年の86レースを振り返る」が、Car Watch編集部のある神保町三井ビルディングのセミナールームで開催された。

 第2回目となる神保町フリーミーティングは、Car Watchで「橋本洋平の『GAZOO Racing 86/BRZ Race』」を連載中のモータージャーナリスト・橋本洋平氏が2015年シーズンのレースを振り返るもので、ゲストとして橋本氏の“走りの師匠”となるプロフェッショナルシリーズに参戦するレーシングドライバーの佐々木雅弘選手と、橋本氏と今年(2015年)結婚したカーライフ・ジャーナリストのまるも亜希子氏がイベントに参加。

カーライフ・ジャーナリストの まるも亜希子氏
Car Watchで「橋本洋平の『GAZOO Racing 86/BRZ Race』」を連載中の橋本洋平氏
「GAZOO Racing 86/BRZ Race」プロクラス参戦中の佐々木雅弘選手

 イベントでは、橋本氏がサーキットを走行したオンボード映像や走行データを記録するデータロガーを見ながら、佐々木選手とともにサーキット走行における速さのポイントについて語った。

クラブマンシリーズで年間3位を獲得した橋本氏

イベントで夫婦共演を果たした橋本氏とまるも氏
司会はCar Watchの谷川潔編集長
佐々木選手による橋本氏へのダメ出しが語られた
平日の月曜日にもかかわらず大勢の来場者が集まった

「GAZOO Racing 86/BRZ Race」クラブマンシリーズに参戦した橋本氏。2015年の年間成績で3位を獲得し、シリーズ賞金の30万円はトランスミッションのオーバーホール代に消えたことが紹介された。

 今シーズンを振り返り、橋本氏は「スタートから振り返ると、第1戦のツインリンクもてぎでレーススタート後に多重クラッシュに巻き込まれてリタイヤしましたけど、それが上向いてきたのが、第3戦から”佐々木雅弘”を投入したことでしたね」と明かした。

 成績が向上していった理由について、橋本氏は「(レッスン料として佐々木選手に)ちょっとお金払っても順位が欲しいという姿勢」にあると自己分析しつつ、「やれることはとことんやってみようと、(ブレーキの)エア抜きから何から丁寧に、整備の方も力を入れてやりました」と話した。

 走りの師匠として橋本氏にアドバイスをすることとなった佐々木選手。実際に橋本氏のクルマに乗ってみた時のことについて「これでよくこんなタイムで走っているなと思うくらい、ブレーキパッドやハブから全部ダメで」とその時の印象を話し、佐々木選手は「レーシングスピードで走っているので、普通のスピードで走っているのと比べて(寿命が)半分くらいのものもあったりする」とメンテナンスの重要性を説いた。

「橋本選手のクルマに乗ると、ミッションが入らない、走行抵抗が大きい、アライメントは狂っている。『ハッシーおかしくない?』て言いましたね」との佐々木選手からのダメ出しに、橋本氏は「お金の問題で……」と苦しい懐具合を明かした。

トークセッション / Car Watch Presents「神保町フリーミーティング #02

データロガーで橋本氏と佐々木選手の走りを比較

富士スピードウェイ第1コーナーのデータを指し示す佐々木選手

 イベントでは橋本氏と佐々木選手の違いを、富士スピードウェイを走行したデータロガーを見比べてチェックした。

橋本氏と佐々木選手によるオンボード走行映像の解説
データロガーで橋本氏と佐々木選手の走りを比較

 佐々木選手はデータロガーを見ながら、富士の第1コーナーにおけるブレーキングポイントについて触れ、「ブレーキングポイントは、僕の方が橋本氏より約7〜8mくらい手前で踏んでいるんです」と指摘。すると「ビビリだったのかな?(笑)」と橋本氏がツッコミ。

 佐々木選手は「これには理由があって、橋本選手はブレーキングのGがちゃんと出ているのですが、ブレーキをリリースしてから次にアクセルを踏み込むポイントを見てほしいのですが、クリッピングポイントについて一番車速が落ちるポイントが僕より(コーナーの)奥になっているんです。つまり(コーナーの)奥からしかアクセルを踏めないのが分かります」と指摘した。

 さらに、佐々木選手は「車速も僕より2〜3km/h高い分、ハンドルを切りながらブレーキを踏む、ブレーキを踏みながらハンドルを切るといった、タイヤに負担をかける”ながら運転”をしているので、(加速と減速を示す)グラフを見るとVにならない、止めて加速するというメリハリの効いた運転ができていない」と、コーナリングスピードが高いもののコーナリング時間も長いことを指摘した。

 イベントでは、「ブレーキングでは橋本氏が勝っているのですが、アクセルONで僕に負けてるんです。ストレートは楽してタイムが稼げるのでアクセルを早く踏む、しっかり減速して、早く踏む」などと、佐々木選手のアドバイスが続いた。

橋本氏と佐々木選手の車載映像を流して違いを確認
データロガーで橋本氏と佐々木選手の走りを比較
2015シーズンを振り返って
佐々木選手によるプロクラス/ポールポジションのオンボード走行映像

今年を象徴する漢字を披露

 ニコニコ生放送の視聴者からの質問などにも答えつつ進行した同イベント。締めくくりに参加メンバー全員が今年を象徴する漢字1文字を披露した。

「進」と書いた橋本氏は「ちょっとはいろいろ進んだかな。運転にしてもタイヤの使い方にしても、単にレースに出るだけではなく扱い方がものすごく分かった年だった。いろんなものを経験できた。タイヤも市販ラジアルになって限界付近の話とか、もう一度正確に見直すことができたことと、佐々木選手と一緒にやらせてもらい比較することで、自分にダメ出しをしてもらった感じで、進んだかなという感じです」とこの1年の感想を語った。

「勝」と書いた佐々木選手は「来年に向けて、僕がやらなければならないのは勝つことだと思っています。なので、絶対チャンピオンを獲りたいし、このレースはプロドライバーもたくさん出ていて、タイヤのメーカー競争も激しく、同じメーカー同士でもトップを獲りたい」と意気込みを示した。

「波」と書いたまるも氏は「家庭を持ったことで、家の中では穏やかな波が来ているなと過ごしていますが、ひとたび主人のレースにくっついていくと荒波に揉まれたり、波をうまくつかむ感じがうまく出来たり出来なかったりするのが分かった年」と話し、橋本氏には「来年はいい波に乗れるように頑張ってほしい」とまとめた。

 イベントではダメ出しされっぱなしの橋本氏であったが、ジャーナリストの中にあっても出色の速さを誇る。その秘訣について、まるも氏からは「本当にクルマが好きなんですね。クルマ以外に好きなものがないくらい。30m先のコンビニにクルマを乗って行くくらいクルマが好きなんです。家に帰ってもクルマのTVばっかり見てますし、クルマの本ばっかりありますし、本当に毎日がクルマ漬けなんです」と明かされた。

トークセッション これからレースに参加してみたい方へ / 質疑応答

(Photo:高橋 学/編集部:椿山和雄/Movie:石岡宣慶)