写真で見るマセラティ クアトロポルテ


1414万円(Duoselect)
1414万円(Automatic)



 2004年デビューの現行クアトロポルテ。クアトロポルテとは“4ドア”という意味で、マセラティの高級セダン。

 最近の高級車はフラットなプッシュスイッチの多用や、スイッチを少なくしレバーを廃した操作によりデザインもすっきりしているが、クアトロポルテはパーキングレバーこそ電子スイッチだが、比較的たくさんのスイッチが並ぶという正反対のデザイン。ステアリングも握りの部分の半分はウッドで、これもほかの高級車と異なる印象を与えている。

 ポルトローナ・フラウのレザー内装をはじめ、ウッドもふんだんに使い、マセラティ伝統のアナログ時計がセンターダッシュの中央に配置される点など、コスト計算を感じさせない内装の作り込み。最新の車というよりもむしろ伝統工芸品と呼ぶのがふさわしい。

 また、このクラスの車では、スマートキーや電子接点によるキーが多いが、鍵山のあるキーを使い、ひねってエンジンをかけることなども、ほかの高級車とはまったく異なった印象を与えている。

 とはいえ、一度エンジンに鞭を打つと、最高出力295Kw(401PS)/7250rpm、最大トルク442Nm(45,0kgm)/4750rpmを発生するV8 4.2リッターエンジンによる強烈な加速を味わうこともできる。雰囲気は古典的、中身は強力、なんとも贅沢な気分を味あわせてくれる高級車だ。

 

マセラティ・クアトロポルテ。サイズは全長5097mm、全幅1895mm、全高1438mmと大型だが、ピニンファリーナのデザインにより、肥大化した印象を受けないのはさすが。実車に接すると、日本製やドイツ製の高級車と比べることの無意味さを感じさせる独特のオーラを感じることができる

エンジンはV型8気筒 4.2リッターで、最高出力は295kW(405ps)を発生する。室内にも適度に入ってくるエンジン音やフィーリングはスペックでは言い表わせない

 

 

ベージュの内装は、汚れやメンテナンスを気にするような人は乗るなと言わんばかりのオーラを放つ。内装色は既存色のほか、費用や納期を気にしなければパーソナリゼーション・プログラムにより、自由自在といってもよいほどのカスタマイズが可能リアウインドウのシェードは電動で開閉する
マセラティと一目でわかる中央のアーモンド形状のアナログ時計バックスキン調の素材がふんだんに使われ、天井にも手抜きのないデザイン処理が施される。グラスルーフは開閉位置をプリセットすれば、設定位置で止まるタイプ
ドライバーシートに腰を下ろし、各所に触れると、ほかの高級車とは明らかに異なる雰囲気が伝わってくる。ステアリングは滑りを防ぐため要所要所にレザーがあしらわれるが、基本はウッド、ドアの握りも革張りとなっている
現在のクアトロポルテのトランスミッションは従来型の6速ATだが、パドルシフトがステアリングに付いており、自在にシフトポジションを変更可能。メーター内にはポジション表示や時刻をはじめとする各種情報がカラー液晶で表示されるナビゲーションとオーディオ一体型のAVシステムシートポジションは電動でコントロール可能。足が当たって汚れがちな場所も内装と同じ明るい色となっている
トランクルームはそれほど大きくなく、トランクスルー機構などもなし
タイヤはピレリ製のランフラットタイヤを履く。18インチでフロントが245/45 R18、リアが285/40 R18フロントフェンダーにはエアインテークがあり、その下にはピニンファリーナ・デザインであることの証がさりげなく貼り付けられる
フロントまわりとCピラーにはマセラティのマークが付く。伝統の3つの矢を持つ銛(もり)によるマークだが、それぞれアレンジが異なる
LEDによるウインカー、ブレーキランプなどを採用する

(正田拓也、Photo:若林直樹)
2009年 3月 9日