写真で見るスバル「インプレッサWRX STI A-Line」


 モータースポーツのイメージが強く、スペック面でも2.0リッターでは最強クラスを誇る「インプレッサWRX STI」仕様。STI(スバル・テクニカ・インターナショナル)によるチューニングが施されており、エンジンをはじめとしたスペック面はもとより、インテリア&エクステリアもノーマルのインプレッサとは一線を画した内容となっている。STI仕様はこれまで2.0リッターターボのEJ20エンジン&6速MTを搭載した1グレードのみだったが、この2月に新グレードとして追加されたのが『A-LINE』だ。

 A-LINEはインプレッサの国内仕様としては初となる2.5リッターターボエンジン(EJ25)を採用したほか、WRX STI初の5速ATを搭載。基本性能を高めつつ同時に乗りやすさ、扱いやすさを追求したモデルだ。

 内外装をはじめシャーシー、サスペンションといった部分は6速MTモデルとほぼ共通だが、AT化に伴って駆動系には変更が加えられている。具体的にはAWDシステムがDCCD(ドライバーズ・コントロール・センター・デフ方式からVTD-AWD(不等&可変トルク配分電子制御)方式に、LSDがリアのみ(トルセン→ビスカス)になるといった具合。

 撮影した車両はベースモデル(315万円)にオーディオ一体型HDDカーナビ、ETCキットなどのオプションを装着している。ボディーカラーはダークグレー・メタリック。

 BBS製鍛造アルミホイールと本革シートを採用したプレミアムパッケージ(336万円)も用意されている。

ボディーはノーマルモデルが4415×1740×1475mm(全長×全幅×全高)なのに対し、WRX STIは4415×1795×1475mmと55mmワイド。数々のエアロパーツやメッシュグリルなど、専用パーツが装着されていることもあって印象はまったく別物だクルマの顔となるフロントグリルはWRX STI専用タイプ。サイドのブラックアウト化&メッシュタイプの開口部の採用で、スポーティさとワイド感を強調している
フェンダー前方にエアアウトレットを設けたバンパーも専用パーツ。開口部形状やフォグランプ周辺の造形もスタンダードグレードとは大きく異なる。ボンネット上に設けられたエアバルジはインタークーラーを装着するターボ車の証だアルミホイールは18×8.5J、タイヤはブリヂストン「POTENZA RE050S」の245/40R18と、6速MT仕様と同じ組み合わせ。BBS製の18インチホイールはプレミアムパッケージに標準となる
フェンダー後端に設けられたエアアウトレット。ブレーキの放熱のほか、エンジンルームの排熱を促す効果もあると言う。すぐ上に配置されたSTIロゴがいいアクセントだ6速MTモデルは前後17インチのブレンボ製ブレーキ(フロント4ポット、リア2ポット)が標準だが、A-LINEではオプション。標準で装着されるのはフロント17インチ2ポット、リア16インチ(1ポット)となるリアスポイラーはLEDストップランプを内蔵したかなり大型のもの。単なる飾りではなく設計段階から装着を考慮し、ボディ全体の空力をバランスさせるようサイズや角度を決定したと言う
ワイパーが凍り付いてしまうのを防ぐフロントワイパーデアイサーを標準装備。降雪地や寒冷地に住むオーナーはもちろん、ウインタースポーツなどのアシとして使っている場合にも有効だスポーツグレードとはいえドアミラーは電動格納&調整式を採用。LEDサイドターンランプも内蔵している
ブリスターフェンダーによるボリューム感はリアから見ても迫力満点。バンパーは下部をディフューザー形状とした専用パーツ。テールランプはノーマルモデルと同じだが、ガーニッシュ部分はボディー同色で引き締まったイメージに。マフラーも専用の大型サイレンサーを採用したツイン&デュアルテールパイプタイプとなる
サスペンションは6速MTモデルと同じフロントがストラット、リアがダブルウイッシュボーンの組み合わせ。デフはリアのみビスカスLSDを内蔵。4WDシステムは前45:後55の不等&可変トルク配分電子制御VTD-AWD
国内仕様では初採用となる水平対向2.5リッターのインタークーラーターボエンジン、EJ25。最高出力221kW(300ps)/6200rpm、最大トルクは350Nm(35.7kgm)/2800~6000rpm。シングルスクロールタービンの採用や全域でフラットなトルク特性など、パワフルかつ扱いやすいセッティングとなっている
ブラック&グレー/シルバーのツートンカラーを基調としたインパネまわり。基本的なデザインはスタンダードグレードと共通したものだが、装備や細部のフィニッシュは若干異なる。中央に装着されるオーディオ一体型HDDナビゲーションシステムはオプションフロントシートはSTIの刺繍が施されたバケットタイプ。シート表皮は6速MTモデルがアルカンターラ/本革なのに対し、ファブリック/合成皮革。プレミアムパッケージ仕様は本革でシートヒーターを内蔵。6速MT仕様にオプションで用意されるレカロシートは設定なし
STIのロゴが入ったステアリングはチルト&テレスコピック機構を搭載。また、スポーク部左側にオーディオコントロール、右側にはオートクルーズのスイッチを用意。裏側に用意されている大型のパドルシフトもAT仕様ならではシフトまわりもA-LINE専用となる部分。シフトパターンはP-R-N-D。Dレンジではセレクトレバーを右側に倒すことで、前後操作によるシフトチェンジが行なえる
シフト後方に用意されるSI-DRIVEのコントロール部。左にセットするとS(スポーツ)、右にセットするとS#(スポーツシャープ)、押し込むとI(インテリジェント)に設定される。それぞれのポジションでエンジンとトランスミッションが、スポーツ向け、よりスポーツ向け、省燃費向けのセッティングになる。6MTモデルはSI-DRIVEと表示されている部分にDCCDの操作部があるが、A-LINEでは省略されている
インパネ下部には、標準装備となるダイヤル式のオートエアコン操作部を用意。この部分はスタンダードグレードと変わらないプッシュエンジンスイッチONで赤く発光するレッドルミネセントメーターはWRX STI専用の装備。6MTモデルに用意されているREV/シフトインジケーターなどの表示部が省略される一方、ATセレクトインジケーターとInfo-ECOランプが追加されている
オプション設定されているオーディオ一体型HDDナビゲーションシステム。ナビゲーション部は40GBのHDD、7インチのVGAモニターを採用するとともにG-BOOK ALPHAに対応。Bluetooth対応の携帯電話を接続して渋滞情報の取得やオペレーターを介したサポートも受けられる(有料サービス)。オーディオ部は最大約2000曲をHDDへ記録可能なほか、CD/DVDプレーヤー、AM/FMチューナーを搭載。各種調整も画面上で行なえる。スピーカーは6ユニット、合計10個を配置
センターコンソール後端には2つ分のカップホルダーを配置。スライド式のカバーが用意されているため、未使用時はスマートに隠しておくことができる運転席と助手席の間に用意されるふた付きのコンソールボックス。メーカーオプションのHDDナビを装着すると、ビデオなどの接続が可能な外部入力端子が装備される。DC 12Vソケットは標準グローブボックスには車検証や取扱説明書の収納に便利なポケットが用意されている。そのぶん、奥行きは短くなっているが、スペースとしては十分な広さを確保
小物を置くのにピッタリなセンタートレイ。レッドカラーの照明も用意されているインパネ上部、中央に配置されるインフォメーションメーター。時計のほか外気温、平均/瞬間燃費の表示が可能運転席、助手席で個別に使えるスポットタイプのマップランプを採用
サンバイザーは運転席、助手席ともにスライド式のカバーが付いたバニティミラーがビルトインされているキーレスアクセス&プッシュスタートを採用。リモコンを持っていればワンプッシュでエンジンを始動させることが可能。その下はメーターの照度コントロール、ドアミラーのコントロールパネル。その横はVDCのオンオフスイッチ
6速MTモデルと同じくアルミパッド付きのスポーツペダルを採用。ただし、当然ながら一番左側はクラッチペダルではなくフットレストになっている。レッドカラーのフットライトも装備サイドシルに装着されるSTIロゴの入ったスカッフプレート。視覚的な効果はもちろん、ズボンなどの裾汚れを防止する実用的な面も運転席は前後、前チルト、リフター、リクライニングが電動で調節可能な8ウェイパワーシートを採用
運転席ドアにはパワーウインドウの操作スイッチ。運転席のみオートになるタイプ。下部のポケットは500ccのペットボトルを置くことが可能な大型タイプオプションのETCユニットを装着すると本体はステアリングコラム右下に。通常はカバー付きのポケット
リアシートは3人掛け。中央部には小型のヘッドレストのほか収納可能なアームレスト、センターコンソール後部には収納式のカップホルダーも。シート表皮はフロントシートに準じたものとなる
5名乗車時でも9インチのゴルフバック2個を収納できるほどの面積を持つラゲッジルーム。6:4分割式のリアシートは背もたれ部分を前に倒すだけで、長尺物の積載にも対応したフラットで広大なラゲッジスペースを確保できる
ラゲッジルーム左側にはランプを用意。荷物を固定するのに便利なカーゴフックを4か所、カーゴサイドフックを2か所の合計6か所に用意。トノカバーはオプション
リアシートのフォールディングは左右両端に設けられたレバーを引っ張り上げるだけ。軽い力で操作可能だラゲッジルーム下にはスペアタイヤやパンタグラフジャッキ、工具類が収納されている。非常停止版など小物を入れておけるスペースも

 

(安田 剛)
2009年 3月 31日