写真で見るアウディ「S4」/「A4 2.0 TFSI quattro」


S4(スプリントブルーパールエフェクト)

 2008年に発売された「B8」と呼ばれる現行のアウディA4には、1.8リッターターボエンジンで前輪を駆動する「1.8 TFSI」と、3.2リッターエンジンで4輪を駆動する「3.2 FSI quattro」がラインアップされてきたが、この3月に2リッターターボエンジンで4輪を駆動する「2.0 TFSI quattro」が追加された。ほかのモデル同様に、セダンと「アバント」と呼ばれるワゴンが用意される。

 価格はセダンが495万円、アバントが513万円。1.8 TFSIのセダンとアバントが422万円/440万円、3.2 FSI quattroが645万円/663万円。2.0 TFSI quattroはこの2モデルの間を埋めるモデルということになるが、155kW(211PS)を発生するエンジンや、通常は4:6の前後トルク配分が2:8~6:4の範囲で可変する4WDシステム、デュアルクラッチATの7速Sトロニックなど、2.0 TFSI quattro単体で見ても魅力的なスペックと言える。

 さらに、A4シリーズのホッテストモデル「S4」もB8ベースに移行。エンジンはV型6気筒 3リッタースーパーチャージャーで、やはり7速Sトロニックを介して4輪を駆動する。A4同様にセダンとアバントが用意され、価格はセダンが785万円、アバントが803万円。

 ここではS4と2.0 TFSI quattroと、写真を中心にリポートする。

S4
 V型6気筒 DOHC直噴スーパーチャージャーエンジンをA4のボディーに搭載したモデル。エンジンは一見「A6 3.0 TFSI」と同じだが、最高出力が245kW(333PS)、最大トルクが440Nm(44.9kgm)に高められている。

 トランスミッションは7速Sトロニック。4WDシステムはA4と同じだが、リアディファレンシャルギアには、左右後輪のトルク差を0~100の範囲で制御する「スポーツディファレンシャル」が搭載される。これによりアンダーステア時には外輪の、オーバーステア時には内輪のトルクを増やすことで、旋回性能を高める。

 S4にもセダンとアバントが用意されるが、ここではセダンを紹介する。撮影車のボディーカラーはスプリントブルーパールエフェクト、内装色はマグマレッド/ブラック。電動チルト式2ウェイガラスサンルーフ(17万円)とアダプティブクルーズコントロール+アウディサイドアシスト(28万円)のオプションが装着されている。

いかにもチューンドカーといった派手なエアロパーツはないが、よく見るとリアデッキの形状がA4とはまったく異なることに注目。スポイラー風の造形はトランクリッドだけでなく左右リアフェンダーにも及んでいる。このセクションはDピラーを含んでおり、S4のためだけにこのような大きな外装までオリジナルとして起こしていることが分かる
S4のエンブレムも控えめA4のテールパイプが左2本出しなのに対し、S4は左右4本出しドアシルプレートもS4専用
マグマレッドとブラックの2トーンレザー内装。MMIマルチメディアインターフェイスなども装備する
シフトレバーのブーツやステアリングのスティッチもマグマレッドでコーディネートされる。S4エンブレムはステアリングや計器盤にも付く。メーターパネルは300km/hまで記される(A4は280km/hまで)

A4 2.0 TFSI quattro

A4 2.0 TFSI quattro(アイビスホワイト)

 A4 2.0 TFSI quattroは、セダンとアバントの写真を掲載する。セダンは、専用バンパーやサスペンション、ホイールなどを含む48万円のオプション「S-lineパッケージ」を装着している。

撮影した車両はボディーカラーがアルバブルー パールエフェクト、内装がカルダモンベージュ(本革)、ウッドパネルはローレルナツメグ。オプションの電動チルト式2ウェイガラスサンルーフを装着している。
直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴ターボエンジンとトランスミッションをフロントに縦置きし、4輪を駆動する
ターンシグナルランプはサイドミラーに埋め込まれるLEDによるウィングライトはほかのA4と同様テールライトはLEDではない
撮影した車両はオプションの本革内装とウッドパネルを装着エアコンは前席左右と後席が独立した3ゾーン制御
ディスプレイ、MMIマルチメディアインターフェイス、DVDカーナビなどを標準で装備するステアリングにはボリュームなどのマルチファンクションスイッチとシフトパドルを装備する
計器板中央のディスプレイにはオンボードコンピューターの情報やオーディオの情報を表示するカーナビでのナビゲーション中は、次のポイントも表示できる
ディスプレイとMMIは、カーナビやオーディオ、空調のほか車両の設定もできるエアコン操作パネルの上、右側の「CONFORT」「AUTO」「DYNAMIC」と記されたスイッチはオプションの「アウディドライブセレクト」。エンジン出力やサスペンションなどのセッティングを変更できる。「INDIVIDUAL」ポジションにすれば、ユーザーがMMIで設定した好みのセッティングになる。「P」はやはりオプションの「APS」(アウディパーキングシステム)。ソナーとリアビューカメラで駐車操作をアシストするシフトレバーの手前がMMIのコントローラー。ダイヤルの周りの4つのファンクションスイッチやNAV、RADIO、MEIDAなど多くのスイッチを備えており、予備知識なしでも使いやすい
センターコンソール内には電源ソケットと携帯電話のインターフェースがあるキーを携帯していれば、STARTスイッチでエンジンを始動できる「アドバンスドキーシステム」を装備するが、キーホールに押し込んでも始動可能
ミラーやパワーウインドウのスイッチはアームレストにルームランプとサンルーフのコントロールを備えたオーバーヘッドコンソールETCカードスロットはグローブボックスに。AMI(アウディ・ミュージック・インターフェース、iPod用インターフェース)にiPodをつなげばMMIでiPodを操作できる
オプションの電動チルト式2ウェイガラスサンルーフ
ラゲッジルーム。2ポジションで固定でき、取り外しもできるトノカバーは標準装備
後席は4:6の分割可倒式後席を倒してトノカバーユニットを後席シートバック先端に装着すると、ネットで前後を仕切ることもできる
もちろん後席を立ててたてているときもネットを使うことができるラゲッジルームのアンダートレイは浅いアンダートレイの下にはテンパータイヤが入る
ラゲッジルーム右の電源ソケットラゲッジルーム左にカーナビや地デジチューナーを搭載する
テールゲートラッチを可動式カバーで覆ったり、三角表示板をテールゲートに格納したりと細かい部分にも配慮が行き届いている

 

こちらはセダンのS-lineパッケージ装着車。前後バンパー、アルミホイール(18インチ)が専用デザインになり、S-lineのエンブレムがサイドに付く。サスペンションもS-line専用になる
スプリントクロスとレザーのS-line専用スポーツシート専用ドアシルプレートマットのアルミニウムパネルはS-line専用の内装
ステアリングにもS-lineのエンブレムが付く右上の「P」マークが電動パーキングブレーキのスイッチ。その下の「A」マークのスイッチは「ホールドアシスト」。オンにしておくと、停車時にブレーキを踏み続けなくても車を静止させられる。アクセルを踏むとブレーキが解除される。7速Sトロニックと同様に、現状では2.0 TFSI quattroとS4にのみ装備されている
後席は4:6の分割可倒式
バッテリーはテンパータイヤの下に配置されている

 

(編集部:編集部:田中真一郎)
2009年 5月 20日