写真で見るフィアット「500 バニライエロー」


 50年以上前に登場した旧フィアット500の現代版リメイクとなる新型「500」に、日本限定の特別塗装「バニライエロー」が台数限定で登場した。「500 1.2 8V POP」にバニラアイスをイメージさせるボディーカラーを施し、専用のホイールキャップとクロームのミラーを装備したモデル。

 「バニラ イエロー」の淡い黄色はアニメ「ルパン三世」の劇中に登場する旧500に似ており、日本限定でこのカラーを設定したこともうなずける。なお、現時点で正規輸入される500のラインアップに、イエロー系のカラーは用意されていない。

 インテリアはベースの「500 1.2 8V POP」と同じ。500の特徴としてボディーカラーと同色のダッシュボードがあるが、フロントシートに座ると目の前にバニライエローのパネルが飛びこんでくる。

 メカニズムは1.2リッター直列4気筒 SOHC 8バルブのガソリンエンジンに、MTベースでクラッチや変速を自動化したATモード付5速シーケンシャルトランスミッション「デュアロジック」を介して前輪を駆動する。

 1.2リッターエンジンは燃費も10・15モードで15.6km/Lと良好、エコカー減税こそ適用されないものの「500 1.2 8V POP」は1t未満の車重と1.2リッターという排気量で、重量税や自動車税も低く抑えられる。また3545×1625×1515mm(全長×全幅×全高)というボディーサイズは、横幅が抑えられているために狭い道でも取り回しが容易だ。

バニラ イエローは派手すぎず地味すぎず淡い色調。500の通常カラーは青系3色と白、赤、黒。全長と全幅を抑えたコンパクトなスタイルだが、間近で見ると背の高さを感じる

 

フロントマスクはFIATのオーナメントと「ひげ状」のアクセントラインが特徴「500 1.2 8V POP」はフォグランプ未装備となるライトは上がウインカーとロービーム、下がポジションライトとハイビーム
フロントウインドーは広く、Aピラーも現代の車としては細めで視界は良好だハイビームのライト内にはポジションライトが同居する。電球は21/5Wタイプだがポジションでは5W側が点灯。なおポジションだけ点灯はできず、ロービームとセットで点灯するフェンダーに位置するサイドのウインカーは小さい楕円タイプ
サイドミラーはバニライエローだけの独自装備となるメッキタイプドアハンドルもメッキタイプ燃料の給油口はキャップのみキーで施錠する。燃費はよいがハイオク指定
リアウインドーナンバープレートの上のガーニッシュにも電子スイッチがあり、リアゲートを開けることができるテールライトはすべて電球タイプ。クリア部分の下の円形は運転席側がリアフォグライト、助手席側がバックライトの片側ずつ
フィアットのロゴは新型500のデビューを前に、旧500初期の頃と同じ赤ベースのデザインに戻ったアンテナはルーフ後方に位置する。ねじ込み式1.2リッターモデルのマフラーはまったく飾り気のない仕様
エンジンは1.2リッター直列4気筒 SOHC 8バルブ。最高出力は64馬力だが、回して使えば機敏に走ることもできる。ブレーキのマスターシリンダーはハンドル位置とは反対の助手席側タイヤは175/65 R14。ホイルはスチールでこの限定車はメッキ仕上げのホイールキャップが装着される
室内に入っても外装と同じバニライエローのダッシュボードがある。ドアの裏側などは適度にボディの塗装が見えるようにデザインされ、塗装が見えることをうまく取り込んだデザインとなっている
ステアリングホイールはホワイトの本革巻き。中央にはFIATのエンブレムなどのプラスチックパーツがあるがエアバッグも搭載しているセンターには上からエアコンのルーバー、オーディオ、ハザードスイッチなど、エアコン操作パネル、パワーウインドー、シフトレバーとなる
左側のコラムスイッチはウインカーとライト。ライトはスモールのポジションが無く、いきなりロービームが点灯。ハイビームは前倒し右側はワイパースイッチ。キーは一般的な回転式インパネ内の押しボタンは各種設定と、ライト点灯時はライトの光軸調整となる
オーディオはMP3対応CDプレーヤー付き。AUX入力モードもあるが、端子が無く使用できない1.2リッターモデルのエアコンはマニュアル。コンプレッサーのON/OFF切り替えは風量ダイヤルをプッシュするシフトレバーの下にはドリンクホルダーがある。灰皿をセットすることもできる
ドアハンドルは内側もメッキ仕上げ運転席ドアにはミラーの操作ボタンとオーディオのスピーカーがある。スピーカーはツイーターがAピラーに埋め込まれたセパレートタイプ
クラッチのないデュアロジックのため2ペダルとなる。ベーシックグレードだが膝が当たる部分にニーエアバッグが標準装備される助手席足元には金属板状のロッドが見える。左側にあるブレーキマスターへ右側のブレーキペダルの踏み込み状態を伝えるためのもの
グローブボックスは上側に小物入れを装備する助手席のシート下側を前スライドさせ、座面を持ち上げると収納スペースが出現する
ルームミラーの右横にはETCを装備。ルームランプは発光面の左右を押すことで点灯を切り替える。バイザーのミラーは助手席側だけの装備キーは収納式。リモコンはロックの解錠/施錠とリアゲートの解錠
リアシートは分割可倒式。ヘッドレストは上下に動くので座高に合わせて調整できる
シートを倒せば収納スペースは大幅に拡大する。シート利用時は前後長の短いトノカバーを装着する
リアゲートはこの角度で開く。トノカバーが装着された状態スペアタイヤは応急用。ホイールのすき間に工具セットが収納される

 

通常のメーターパネル。外側が速度計、内側が回転計、液晶部分は左のバーグラフが燃料、右が水温。さらにシフトポジション、情報ディスプレイ(写真ではラジオ周波数)、走行距離、外気温。なお、シフトポジションの横のAUTOは自動変速にした場合に表示されるポジションをニュートラルにしたところ。なお、クラッチは自動なので1速に入っていてもアクセルを踏まなければ前進しない
平均燃費表示。リッターあたり12.1km/Lを示している平均速度表示。エンジンがかかっている時間の平均した速度走行時間表示。なお、大文字のAはAモード。Bに切り替えて別の走行データを取ることもできる

 

(正田拓也、Photo:鈴木広一郎)
2009年 10月 19日