写真で見るトヨタ「レクサス LS460 version SZ」


 「レクサスLS」といえば、高級車ブランドである「レクサス」のラインアップの中でも、もっとも上位に位置する大型4ドアセダンである。しかしこの「version SZ」は専用サスペンションなどを装備したスポーティバージョン。ほかのLSとはひと味違ったモデルに位置づけられている。

 搭載するエンジンは、他のLS460と同じ4.6リッターのV型8気筒エンジン。最高出力283kW(385PS)、最大トルク500Nmも変わらない(2WDモデル)。しかし、ステアリングにはLSシリーズ唯一となるパドルシフトを装備し、ステアリングから手を離すことなくシフトチェンジが可能。シフトダウン時にコンピューターが最適なエンジン回転数にあわせるブリッピング制御も組み込まれている。8速AT「8 Super ECT」にもチューニングが施され、バージョンSZ専用のトルク/変速制御が行われる。「D」レンジでのオートマチック状態でもよりスポーティな走行を実現している。

 サスペンションには大幅に手を入れられた。新開発の減衰力可変式ショックアブソーバー、エアスプリングやスタビライザーを装備し、高い走行性能を実現した。タイヤもLS460シリーズでは唯一の19インチを採用。ホイールはBBS製の鍛造アルミホイールを装備する。ブレーキは高摩擦ブレーキパッドとブレンボ社と共同開発した対向6ピストンキャリパーを備え、制動力についても強化されている。

 エクステリアではフロント・リアのアンダースポイラー、サイドロッカーモール、クロスメッシュのフロントグリルを採用した。インテリアではホールド性向上に配慮したスポーティなシートを装備する。その他、安全性や装備の面では他のLSと変わらず、非常に充実している。ただし、レーンキーピングアシスト、ステレオカメラフュージョン方式のプリクラッシュセーフティシステムなどの一部の機能や、インテリアコーディネイトのオプションである「L-Select」はversion SZでは選択できない。

 今回撮影した「LS460 version SZ・I package」の価格は945万円だが、ミリ波レーダー方式のプリクラッシュセーフティシステム、クリアランスソナー、ムーンルーフ、パワートランクリッド、プレミアムサウンドシステムなどのオプション品を装備しており、合計1066万2750円となる。ボディーカラーは「スリークエクリュメタリック」、インテリアカラーはversion SZ専用色の「ブラック&サドルタン」。

スタイルは、2WD・ショートボディーのLS460と基本的に同じ。しかし黒いメッシュフロントグリルや、前後のアンダースポイラーですぐにversion SZと判別できる。ボディーサイズも5060×1875×1465mm(全長×全幅×全高)と変わらないが、トレッドが1610/1615mm(前/後)と、5mmずつ狭くなっている。これは幅の広いタイヤを装着するため。車両重量は標準で1980kgだが、ムーンルーフを装備する撮影車は2020kgと、2tを超える。右下はスマートエントリー&スタートシステムのカードキー

 

ボリューム感のあるフロントまわりversion SZの証しでもあるメッシュのフロントグリル「L」のエンブレムの奥にはミリ波レーダーを装備する
ヘッドランプはプロジェクター式ディスチャージヘッドランプ(HID)点灯した状態。下の点状に見えるのはポジションランプ標準装備のフォグランプを点灯した状態
専用の19インチホイール。対向6ピストンキャリパーもわずかに見ることができるサイドターンランプ内蔵のドアミラー。リバース連動チルトダウン機構を装備ドアノブ。スマートエントリーシステムを装備しており、ボタン部に指を触れるだけで解錠する
オプションのムーンルーフルーフを開いた状態。チルトアップのみも可能ルーフ後部のシャークフィン・アンテナとハイマウントストップランプ
リアまわり。この角度ではあまりversion SZらしさを感じないリアコンビネーションランプはLED。寒冷地仕様車はリアフォグランプも装備されるリアアンダースポイラー。マフラー形状は他のLSと同じ
トランクリッド左側の「LEXUS」エンブレム反対側には「LS460」のエンブレム。「SZ」は見当たらないサイドシルプレートの「LEXUS」ロゴ

 

エンジンルーム。きれいにカバーで被われ、エンジンはほとんど見えないエンジンカバーには「V8」のロゴが刻まれているたっぷりした容量のトランク。荷物固定用のフックもある
パワートランクリッドのボタン。押すだけで閉まるトランク床面のパネルを外すと、より背の高い荷物も積載可能になるトランク床下の工具やパンク修理キット。応急用タイヤは搭載しない
トランクの奥にはトランクスルー部のカバーがある。長い荷物も積める室内側からトランクスルーを見る。といっても、トランクが閉まっているとよく見えないトランクを開けるとトランクスルーがよく見える。穴はけっこう大きめ

 

インパネ全体。インテリアカラーはversion SZ専用色のブラック&サドルタン助手席側からセンターコンソールを見る。重厚なイメージステアリング部。撮影車はファイングラフィックメーター
スマートエントリー&スタートシステムのため、ボタンを押すだけでエンジンは始動するシフトレバー。パドルシフトのほか、シフトレバーでもマニュアルシフトが可能ペダル。アクセルはオルガン式ペダル。左はフットレスト
ステアリング左側のスイッチ。上はオーディオ関連、下はブレーキホールドとインテリジェントパーキングアシストステアリング右側。上は電話やマルチインフォメーションディスプレイの切り替え、下はオートクルーズの車間距離切り替えステアリングの奥にパドルシフトのレバーが見える。これはシフトアップ側レバー
ステアリング左奥のワイパー&ウォッシャースイッチステアリング右奥のライトスイッチ&方向指示レバーその下のオートクルーズ関連スイッチ
電動パーキングブレーキ(下)。「AUTO」はシフトレバーの操作に応じてパーキングブレーキが自動的に作動するメーター左下のスイッチ。トリップ表示の操作を行うメーター右下のインパネ照度変更のスイッチ
運転席ドア側インパネのスイッチ類。ミラーやECOモードのスイッチが並ぶその下にあるトランク、フューエルリッド、ボンネットの各オープナーステアリングの電動チルト&テレスコピックのスイッチ
インパネ中央のカーナビディスプレイ、空調コントロール関連ボタンカーナビの下には、オーディオ関連の操作系が並ぶシフトレバー後方には走行モードやサスペンションの設定スイッチ。その後方はシートの温度やサンシェードのスイッチ

 

運転席。version SZ専用のスポーツシートとなる。表皮はセミアリニン本革運転席は10ウェイの調整式。座面の長さも変えられる助手席シートは、運転席側からも調整可能
インナーミラーは自動防眩機構付き。その前にあるのはオートマチックハイビームのセンサーインテリアライト。手前には緊急通報のヘルプネットスイッチが置かれる。前方の丸いものはセキュリティカメラサンバイザーの裏にはバニティミラーと照明を装備
とてもしっかりした運転席側のドア。ここにも本革が使われるドア内側のスイッチ類。ポジションメモリーは3パターンまで記憶するウィンドーの開閉スイッチ、ロックボタン。そのまわりも高級な仕上げ
アームレストの下の物入れは開閉式で、出し入れしやすくなっている運転席ドア側インパネに装備されるコインホルダーウィンドーに貼られたオートアラームのシール。よく見るとカメラの図も描かれている
センターコンソールの小物入れ(ノンスモーカーズボックス)シフトレバー横には立派なカップホルダーが2個分用意されるセンターアームレスト。これもしっかりしたクッション
アームレストの下は大きなコンソールボックスになっているコンソールボックスの内側にサービスソケットとUSBのコネクターを装備助手席側のインパネ。グローブボックスの開閉は右上のボタンで行う
グローブボックスを開けた状態グローブボックスに搭載されたDSRC対応のETC車載機トランクオープナーのキャンセラーボタン

 

後席シート後席ドア。ロングボディー車ほどではないが、十分に大きく乗り降りしやすいドアにはイージークローザーを装備。半ドアでも自動で閉まる
後席のパワーウィンドースイッチと小物入れアームレスト下の物入れ。足下には照明も装備後席ドアのスピーカー。撮影車は「マークレビンソン プレミアムサラウンド サウンドシステム」を搭載
後席のアームレストを引き出した状態アームレストのクッションをずらすとスイッチが現われるクッション部を持ち上げるとコンソールボックスが使用できる
アームレストのスイッチはシートヒーターとサンシェード用アームレスト前方にはカップホルダーが装備されている前席背面の物入れ。可動式で出し入れしやすくなっている
センターコンソール後部に設けられた、後席用の空調装備こちらは後席ドアのピラー(Bピラー)に用意された空調装備センターコンソール後部には、AC100Vのコンセントも用意される
リアウィンドーサンシェードはLS460全車に標準で装備。「I package」はリアドアサンシェードも装備する後席は左右それぞれにバニティミラーと照明が用意される

 

撮影車はファイングラフィックメーターを装備。中央部のマルチインフォメーションディスプレイに各種情報が表示される走行時間や走行距離をはじめ、カーナビと連動したレーン表示、ドアやトランクの状態など、多くの情報を表示上段はカスタマイズの機能。どの情報を表示するかを設定できる。下段はECOモードなど、走行モードの表示
液晶モニターの表示を見る。これは一般的なカーナビの表示カーナビの目的地の設定画面。すでにこなれた印象G-BOOKの「情報」メニュー。VICS情報もここから見ることができる
G-BOOKの「G-Link」メニュー。エンターテイメント系が中心FMラジオの選択画面エアコンもモニターを見ながらコントロールできる
カーナビの設定・編集画面ナビゲーションやクルマの各種状態の表示設定クリアランスソナーの設定。音量など細かく設定できる

 

(西尾 淳(WINDY Co.) / Photo:石川 智)
2010年 3月 4日