写真で見るホンダ「CR-Z」


 本田技研工業が2月25日に発売を開始した、ハイブリッド初の量産スポーツカー「CR-Z」。ハイブリッドスポーツカーとして、世界で初めて6速MTを組み合わせるほか、CVTも設定し、CVTにはパドルシフトを標準で組み合わせる。

 グレードは、装備を充実させた「α」とベースグレードの「β」の2つ。パワーユニットはいずれも直列4気筒1.5リッターのi-VTECエンジンに、インサイトと同様のモーターやハイブリッドシステムを組み合わせる。エンジン出力は、6速MT車が最高出力84kW(114PS)/6000rpm、最大トルク145Nm(14.8kgm) /4800rpm、CVT車が最高出力83kW(113PS)/6000rpm、最大トルク144Nm(14.7kgm)/4800rpmを発生。モーター出力は、最高出力が10kW(14PS)/1500rpm、最大トルク 78Nm(8.0kgm)/1000rpm。10・15モード燃費は6速MTが22.5km/L、CVTが25.0kmとなる。

 エクステリアは3ドアのファストバックデザインで基本的にはα、βともに共通。細部では、αで標準装備となるディスチャージヘッドライトやフォグランプ、アルミホイール、ウォッシャー付き間欠リアワイパーなどを含む「コンフォートビューパッケージ」が、βではオプション設定となる。また、ハーフシェイド・フロントウインドーはαのみに装備。スカイルーフはαのみのオプション設定となる。

 インテリアでは、本物の金属を貼り込んだ高輝度メタルインテリアガーニッシュがαのみの設定となるほか、本革巻きステアリング、本革巻きアルミ製シフトノブ(6速MTのみ)、アンビエントランプがαのみの設定となる。また、シートヒーター付き本革シート(前席)&インテリアがαのみにオプション設定。そのほか、装備系では、Hondaスマートキーシステムがαに標準装備され、βではCVT車にのみオプション設定される。

 走り方に合わせて、「SPORT」「NORMAL」「ECON」の3つのモードから選べる「3モードドライブシステム」も搭載。モードに合わせて燃費優先のエンジン特性や変速パターンを選んだり、スポーティなレスポンス、ステアリングフィールを提供したりすることができる。

エクステリア

βのエクステリア。ボディーカラーはプレミアムホワイト・パール。オプションで16インチアルミホイールを装着する
αのエクステリア。ボディーカラーはダークピューター・メタリック。オプションでパノラマルーフを装備する
バンパー形状などはαもβも共通HIDヘッドライト&フォグランプはα(写真右)のみに標準装備
空力性能を考慮したドアミラー。ウインカーを内蔵するαに標準、βにオプションで設定される16インチアルミホイール。インサイトのものより5kg/台軽いタイヤはブリヂストンのポテンザRE050Aを装着する
ウェッジシェイプを強調するサイドのプレスラインαにはHondaスマートキーシステムを装備アンテナはシャークフィンタイプ
リアワイパー、親水/ヒーテッドドアミラー、フロントドア撥水ガラスは、βではオプション設定となるテールランプはLED
リアゲートにCR-ZとHYBRIDのエンブレム

インテリア

α、6速MTモデルのインテリア。オプションのHDDインターナビと本革シートを装着する前席の本革シート。シートヒーターもセットされるスカイルーフはαのみに設定されるオプション装備
αの本革巻きステアリングにはオーディオコントロールやクルーズコントロールのスイッチが付く左のクラスターパネルには、エアコン類のスイッチを配置。ヒーテッドドアミラーはαに標準装備右のクラスターには3モードドライブスイッチや機能系スイッチを配置。フォグランプはαに標準装備
ステアリングコラム左にはワイパーレバー。αにはリアワイパーも装備するコラム右はウィンカーレバー。オートライトはHIDにのみ装備されるオプションのHDDインターナビ。通信機器と通信費が無料になるリンクアップフリーが付帯される
センターコンソール部とドアグリップにあしらわれる金属を蒸着させた高輝度メタルインテリアガーニッシュは、αの専用装備αの6速MTシフトノブは本革巻きアルミ製
βのステアリングβのクラスターパネル(左)。ヒーテッドドラミラーはつかないハロゲンヘッドライトが標準のβにはマニュアルレベリングスイッチが付く
α、βともに標準装備のファブリックシートCVTのシフトレバー。その奥には2つのドリンクホルダーがあるCVTモデルにはパドルシフトを標準装備
βではセンターコンソール部がアルミ調となるドアグリップ部はウレタンドアオープナー
オプションのAM/FMチューナー付きCDプレーヤー。車速連動ボリューム、AUX入力端子などを持つ本革、ファブリックともに運転席にはラチェット式シートリフターがつくセンターコンソール後端にドリンクホルダーが1つ
ダッシュボード中央にフタ付きのアッパーボックスセンターロアボックスエアコン連動温度調整機能付きグローブボックス
後席はエマージェンシー的なもので、成人男性が乗るにはヘッドクリアランスが狭いチャイルドシートの装着が可能でISOFIXに対応するロアアンカレッジとトップテザーアンカレッジも備える後席両脇にリアスピーカーが設けられる
後方視界。真後ろは問題のない範囲で見えるが、斜め後方の死角が大きいリアゲートのオープナーはプッシュボタン式オプションでトノカバーも用意される
ラゲッジは770mm×990mm(幅×奥行き)の広さを確保。容量は214L後席を倒すと奥行きは1280mmになり容量は382L。ゴルフバック2つが入る広さとなる後席シートバックの真ん中にフォールディングのレバーがある。運転席からもリアゲート側からも操作しやすい
ラゲッジ床下にはアンダーボックスがあり、車載工具などが収納される。スペアタイヤはなくパンク修理キットが収まるアンダーボックスの下にはIPU(インテリジェントパワーユニット)が収まる車速と回転数をセンターの単眼メーターに集約し、その両脇に燃料や燃費、電気の充電状態といった情報を表示するメーターレイアウト
色で燃費やモードを表すアンビエントメーター。SPORTモード時は常時赤く点灯するNORMAL、ECONモード時には、燃費のよい運転をすると、ブルーからグリーンへと変わり、燃費運転をアシストする
マルチインフォメーション・ディスプレイには、エネルギーフローやECOガイド、燃費履歴のほか、平均車速、平均燃費、推定可能航続距離やオドメーター、トリップメーター、外気温などが表示できる

パワーユニットなど

エンジンルームエンジンは直列4気筒1.5リッターのi-VTECエンジン。VTECと言ってもカムプロフィールを変えるのではなく、低回転でバルブを休止するものエンジンとCVTのカットモデル。中央にモーターが挟まる
新開発の6速MTIPUのカットモデル。バッテリーのほか、コントロールユニットなども組み込まれる。インサイトと比べバッテリーの冷却性能が向上している
このクラスでは初採用となるアルミ鍛造ロアアーム。インサイトから4kgの軽量化に貢献する

(瀬戸 学 /Photo:高橋学 )
2010年 3月 23日