写真で見るルノー「カングービボップ」


 日本に輸入されるルノー車の中では人気ナンバー1という「カングー」の派生モデルが「カングービボップ(BE BOP)」だ。カングーの全長を短くして3ドア化し、Bピラーより後ろを一新。カングーは荷物車然としたスタイリングだったが、遊び心あふれる2BOXカーへと変身させている。

 ボディーサイズは3870×1830×1840mm(全長×全幅×全高)で、ベースのカングーよりも345mm短い。ホイールベースは2310mmで390mm短縮、重量はカングーの5速MT車と比較して50kg軽くなっている。

 エンジンはベースのカングーと同じ直列4気筒1.6リッターDOHC。トランスミッションもベース車と同じだが、5速MTのみの設定となっている。駆動方式は2WD(FF)。価格はベース車の5速MT車と比べて15万円高の234万8000円となっている。

 国内導入される車体色は、2トーンカラーが3タイプ。撮影車のカラーは「ブラン グラシエM &グリ シデラルM」で分かりやすく言えば白とグレーのメタリック。撮影時の天気は薄曇りで分かりにくいが、光の加減によっては白とグレーのコントラストがはっきり見える。

 最大の特徴であるリアゲートまわりは、ルーフ後方が前へ移動して開く独自のグラスルーフを装備し、開けたままの走行も可能。リアウインドーは電動開閉し、運転席センターコンソールのスイッチで全開することができる。後席に座ると、上空方向から後部にかけて開放感がある、カングービボップならではのオープンエアードライブが楽しめる。

 室内は、リアシートに3名乗車が可能だったベースのカングーから、2名乗車へと変更。リアサイドウインドーは開かないが、大きなガラスで視界は良好だ。そのほか室内ではフロントにグラスルーフを装備したため、特徴的だったルーフ内側の収納スペースがなくなっている。

カングー同様、1830mmの全幅と1800mmを超える全高で、間近で実車を見るとより大きく見える「カングー ビボップ」。全長が3870mmと短めなため、遠目では一見コンパクトカーのよう

 

独自形状のバンパーやツートーンカラーで正面からは別のクルマに見えるが、カングーのアイコン、アーモンド型のヘッドライトによってカングーであることを思い出す
ルノーの菱形のエンブレムはフロントセンターに装備するフォグランプはバンパーに装備する側面のターンシグナルランプはフェンダーに装備。レンズは透明で中の橙色の電球が光る仕組み
灯火類を点灯させたところ。ヘッドライトの内側下がスモールライト、ターンシグナルランプはヘッドライト下になる左フェンダーに補助ミラーが付く
大きなフロントウインドーワイパーはトーナメントタイプルーフ前方にはグラスルーフがある
ラジオのアンテナはルーフ最前部にあるドアノブはブラックミラーは比較的大型のもの。視界も良好だ
ウインドーもルーフも閉じられた状態のリアゲートまわり。バンパーの黒い点はバックソナーで全車標準装備リアウインドーはパワーウインドーとなっており、運転席からの操作で開くルーフはヒンジで前に移動しながら開く
リアゲートは直角90度まで開く全開するリアウインドー。この状態で走行可能ルーフはいったん上に持ち上がって前にスライドした状態で固定される
ルーフ開閉の蝶番。室内から茶色のレバーを操作してロックを外し、手動で持ち上げる側面のリアウインドーは、国産車ならほとんどが着色したガラスだが、カングービボップは透明。景色が存分に楽しめる
リアのコンビネーションランプ。上からターンシグナル、ブレーキ/テールランプ、バックランプ、リアフォグランプとなるビボップのエンブレムはリアゲートに装着される
1.6リッターエンジンはフロントに横置きされるタイヤは前後ともに205/60 R16。アルミホイールが標準装備となるリアもディスクブレーキ

 

室内は明るい色使いの内装と、派手なシートが特徴天井も高く広々としている。フロントのグラスルーフのおかげでカングー独特の頭上収納スペースはなくなっている運転先まわりは、基本的にベースのカングーと同じデザイン
ビボップはMTのみMTなので、もちろん3ペダルフランスで最もハンドブレーキを引く回数の多い郵便配達人と共同開発したと言うブレーキレバー
コラム右側には、操作スイッチが集中。レバーはワイパー関連の操作で、先端はオンボードコンピュータの操作ボタン。その下はオーディオのサテライトスイッチ灯火類は左側のコラムレバーで操作する
クルーズコントロールを標準で装備する。ステアリングホイールに操作ボタンがあるドアにはパワーウインドースイッチとリモコンミラースイッチ。電動格納もできるヘッドライトの光軸、クルーズコントロールのメインスイッチなどが並ぶ
スピードメーターが中央で、タコメーター、燃料、水温が両側に並ぶ。エンジンをかける前のイグニッションONで各警告灯が点灯するが、エンストした際には警告ランプがつかない仕様になっているオーディオの操作表示と時計、外気温度計が表示される。その下はA4ファイルが入る物入れになっている。配達に使える荷物車ならではの装備エアコンはオートエアコンを装備する。操作も機能もシンプルなものだ
オーディオはMP3ファイルを収録したCD-Rの再生に対応、しかも携帯電話とBluetooth接続できるハンズフリー機能もある。操作画面はここにはなくすべてコンソール上のディスプレイに表示バックミラーとルームライトキーは一般的な溝のあるタイプ。リモコンキーはキー本体のものは使用できず外付けのリモコンを使う
バイザー裏のミラーは助手席のみの装備。ライトなどはなしフロントのグラスルーフは左右独立で手動でチルトアップする
フロントドアは大きく開く。乗り降りもしやすいセンターアームレスト下には収納スペースを用意グローブボックスの収納スペースは少なめだが、細かい仕切りがあって、整理しやすい。RCAジャックによるオーディオのAUX端子がある
ダッシュボード全体が傾斜しており、外光があたりやすいとともに広々とした空間を演出しているリアシートへのアクセスはフロントシートを倒す
独立したリアシート。座面が高めなので前方の見晴らしがよい横の景色も眺めやすい
リアシート左右にはフタ付きの収納スペースと、その下にはフタなしの収納スペースの2段構えジャッキはリアの荷物スペースの右壁に収まっている
リアをフルオープンした状態。この状態で走行可能。とても開放的リアゲートを開いた状態。荷物がなければリアシートにここから乗り込むことも難しくないシートは前に倒すことができ、この状態でロックできる
シートの背もたれを前に倒せば、荷物スペースを広げることができる背もたれを前に倒した状態でイスを前傾させれば荷室が広がるシートを取り外せば、さらに荷室が広がる

 

オーディオの表示はダッシュボード上のディスプレイにすべて表示。その下のオーディオ本体やステアリングコラムのサテライトスイッチで操作するラジオはディスプレイ上で選局できる。周波数は日本国内仕様になっている
音質調整などもすべてこのディスプレイから行うBluetoothで携帯電話に接続できるBluetoothで携帯電話を検索中
スピードメーター下はオンボードコンピュータのディスプレイにもなっている。総走行距離と区間走行距離を表示中コラムレバー先端のボタンで表示切替ができる。これは燃料消費量燃費表示は欧州式。100km走るのに9.8リットル消費したと表示
瞬間燃費計。停止状態なので非常時。やはり欧州式の100km走行の消費量を表示する燃料が空になるまでの走行距離の目安トリップメーター
平均車速の表示次に点検整備するまでの距離何か操作した場合の状態表示もできる。これはオートライトを無効設定したという意味

 


写真で見る バックナンバー
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/photo/

(正田拓也/Photo:富樫秀明)
2011年 1月 13日