写真で見るアウディ「A8」


 アウディのフラッグシップサルーンが「A8」だ。1994年に初代がデビュー、2002年に2代目、そして昨年12月に発表された新型で3代目となる。

 欧州的な分類でいえば「Fセグメント」となるモデルだけに、ボディーは5145×1950×1465mm(全長×全幅×全高)と堂々たるサイズ。ホイールベースは3mに迫る2990mmで、ロングホイールベースモデル「A8L 4.2 FSI」に至っては全長が5275mm、ホイールベースが3120mmにもなる。

 これだけのサイズとなると重量もさぞやと思いきや、ラインアップ中最重量のA8L 4.2 FSIでも2060kg、最軽量のA8 3.0 TFSIなら1930kgと、意外なほど軽量。その秘密がASF(アウディ スペース フレーム)。鋳造&押し出しのアルミ材とアルミニウムパネルの組み合わせにより、スチールボディーより約40%もの軽量化を実現。加えてボディー剛性も約25%向上することで走行性、安全性のみならず、低燃費にも寄与している。

 比較的軽量に仕上がっているとはいえ、その重量は約2t。プレミアムカーらしい動力性能を発揮するには、パワートレインの性能も重要になってくる。

 そこでA8に用意されたのが2種類のパワーユニット。ベースモデルとなるA8 3.0 TFSIに搭載されるのは、3リッターV型6気筒DOHC直噴。これを機械式スーパーチャージャーで過給することで、213kW(290PS)/4850-6500rpm、420Nm(42.8kgm)/2500-4850rpmのスペックを実現。上位モデルA8 4.2 FSIとA8L 4.2 FSIに搭載されるのは高級車の代名詞ともいえる大排気量&多気筒の自然吸気ユニット。こちらは4.2リッターのV型8気筒DOHC直噴で、273kW(372PS)/6800rpm、445Nm(45.4kgm)/3500rpmとなる。

 どちらもエネルギー回生システムやエンジンの熱を効率よく利用するサーマルマネージメントにより効率をアップ。新開発の電子制御8速ATと組み合わせることで、A8 3.0 TFSIが9.2km/L、A8 4.2 FSIで8.3km/L、A8L 4.2 FSIで8.1km/Lの省燃費を実現している。

 トランスミッションは全モデル8速AT、4WDシステム「クワトロ」を採用する。

 当然ながらインテリアも充実した内容。標準仕様から本革シート&ウッドパネルを装着するなど、最上級の素材と仕上げを惜しみなく導入。加えてA8Lでは電動調節機能やマッサージ機能を備えたリアエグゼクティブシート、10.2インチモニターやDVDビデオプレーヤーを備えたリアシートエンタテインメントシステムを採用するなど、充実した後席専用装備が用意されている。

 価格は「A8 3.0 TSFI quattro」が945万円、「A8 4.2 FSI quattro」が1160万円、「A8L 4.2 FSI quattro」が1290万円。ステアリングはA8 3.0が右ハンドルのみ、その他は左右どちらも選択可能となっている。

 撮影車両はA8L 4.2 FSI quattroの「Audiデザインセレクション」仕様。ボディーカラーはエメラルドブラックメタリック。

アウディのアイデンティティともいえるシングルフレームグリルは健在。5.3mに迫る全長ながら低いルーフと緩やかな曲線を描くラインによりクーペのような雰囲気すら感じさせる

 

A8Lに搭載される4.2リッターのV8エンジン。エンジンルームの仕上げの美しさもこのクラスのモデルならではエキゾーストパイプまわりは自己主張を抑えたシンプルなデザイン
ひと目で「アウディ」と分かるシングルフレームグリル。従来より立体感が強調され、存在感が増した
10スポークYデザインの19インチアルミホイールはA8L専用。タイヤサイズは255/45R 19LEDマーカーを内蔵したドアミラー。電動調整&格納、ヒーター内蔵はもちろん自動防眩および助手席側はリバースモードも備えるフューエルリッドは右側。ハイオク仕様で、タンク容量は90リットル
トランクリッドにはモデル名と排気量を示すバッヂが付くアンテナはドルフィンタイプの小さなもの
リアコンビネーションランプの点灯パターン。LEDを採用しているヘッドライトは世界初採用となった「R8」からさらに進化したフルLEDタイプ。車速に応じて照射範囲を自動制御する機能も搭載する
点灯パターン。左下がターニングライト、バー状の部分がターンシグナル/ポジション、10個の四角がロービーム、中央上部がハイビーム。ターニングライトとロービームはフォグランプとしても機能する
ターンシグナル使用時の点灯パターン

 

ルーミーで広い室内。「デザインセレクション」はレザーやアルカンタラなど上質な素材を惜しみなく投入、より洗練されたムードに仕上げられているダッシュボード最上部には電動リトラクタブル式の8インチモニターを配置センターコンソールには前から順にエアコン、インフォテインメント系の操作パネル、本革巻きのシフトノブが備わる
ライト関連の操作パネルはステアリング右奥に配置ダッシュボード中央部にはアナログ時計。その下部にはCD/DVD、SDカードスロット
エアコンは左右独立温度調整タイプ。シートヒーターはシートクッション、バックレスト表面、シートサイドボルスターの温度を3段階に調節可能。インフォテインメント操作部には「MMIタッチ」と名付けられたタッチパッドが付くシフト後方にはイグニッションとパーキングブレーキのスイッチが並ぶ。パーキングブレーキは電動式でオート機能付きシフトノブ横にはフタ付きのカップホルダーとシガーソケット。専用のアッシュトレイも
パドルシフトを備えた本革巻きステアリング。スポーク部にはオーディオやオンボードコンピュータ操作用などのスイッチを用意

 

モニター画面には標準装備のHDDナビなどAV系ソースのほか、ドライブセレクトなど各種設定画面などを表示できる
インフォテインメント操作パネルに用意された「MMIタッチ」。ノートパソコンのタッチパッドと似たもので、写真のようにスイッチ的な使い方が可能なほか、文字や数字などを描いて、カーナビの目的地などを入力することも可能
オプションで用意されるデンマークの「バング&オルフセン アドバンスド サウンドシステム」。19スピーカー、1400Wの出力で5.1chサラウンドが楽しめる
センターアームレストは上下左右に無段階の調節が可能。下部の収納には左右独立してアクセス可能で、携帯オーディオプレーヤーなどの接続用端子も用意される300km/hのスケールを持つスピードメーターを備えたメーターパネル。中央部は各種情報の表示が可能なディスプレイを用意
ディスプレイには平均燃費などのオンボードコンピュータ情報をはじめ、オーディオやナビの情報を表示が可能
オプションで用意されるナイトビジョンシステムの映像も表示できる。赤外線カメラにより15~90m先の歩行者を検知し、衝突の危険性がある場合は赤く、危険性がない場合は黄色で表示される
デザインセレクションに装着されるバラオブラウンバルコナレザーのシート。スノーホワイトのステッチやパイピングも専用だ
フロントは22ウェイ電動シート。前後、シート角度、高さ、ヘッドレスト高さ、シートベルト上下、バックレストサイドボルスター、ランバーサポート、シートサイドボルスターなどの調節が可能。ベンチレーション機能も装備
運転席ドアのアームレストにはパワーウインドーとドアミラーのほか、シートポジションメモリー、トランクオープナーなど多くのスイッチが備わる
ルーフコンソールにはマップランプやサングラスホルダーのほか、2ウェイガラスサンルーフの操作スイッチもサンバイザー裏には照明付きのバニティミラーを装備
A8Lは定員4名となり、後席中央に大型のコンソールを装備。撮影車はエグゼクティブシートを装備するリアの居住性を高めたA8Lはリアにも左右独立温度調節が可能なエアコンを装着
専用のワイヤレスヘッドホンも装備運転席&助手席の背面には10.2インチモニターを装着リアセンターコンソール先端には引き出し式のテーブルが備わる
その前方にはフタ付きのカップホルダーもリア右シートの操作パネル。前後、角度、リクライニングなどを電動で調節することが可能。足下にはリトラクタブル収納式のシガーソケットも
リアセンターコンソールにはフタ付きの収納があり、内部にはマッサージャーのリモコンがある。背もたれ部分にはDVDプレーヤーとSDカードスロットが用意される
リア左シートの操作パネル。リアから助手席を動かして空間を広げることができる。こちら側の足下にはAC100Vのコンセントやオットマンが備わる
リアドアにはシートメモリーのスイッチとアッシュトレイが付く
電動サンブラインドを装備。サイドウインドーにも装備されている照明付きのバニティミラーがリアにもフットエリアやルーフライナーなど各部に配置されたLED照明が室内を演出
ボディーサイズを活かした広いラゲッジルーム。付属の固定用のネットと固定用フックを使い荷物の散乱を防ぐことができる電動トランクリッドはスイッチとリモコンで開閉できるトランクリッドには非常用の三角表示板のほかアンブレラホルダーも
ラゲッジトレイ下にはテンパータイヤが収納されるラゲッジ左右には小型の荷物を収納しておけるネット付きのポケット。DC12Vソケットも用意されている
スキーなどの長尺物を積めるトランクスルーを用意。室内側の汚れなどを防ぐバッグが付属

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http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/photo/

(安田 剛)
2011年 3月 30日