写真で見るメルセデス・ベンツ「CLSクラス」


 2004年に登場した初代「CLSクラス」(C219)は、サルーンの使い勝手とクーペのエレガンスを併せ持つ「4ドアクーペ」の市場を開拓したモデルだ。

 基本は4枚のドアを持つセダンだが、ロングノーズ&ショートデッキで全高を抑えたプロポーションと、弧を描いてリアデッキになだらかに下っていくルーフラインを持つ。左右端を吊り上げたヘッドライトと、グリル中央に大型のスリーポインテッドスターを配したフロントマスクは、歴代メルセデス・ベンツのクーペにのみ与えられてきた。形式名も、サルーン系のように「W」で始まっておらず、クーペの「C」で始まる。

 この2月に発売された2代目は、初代のコンセプトを引き継いでいるが、フロントマスクの造形には「SLS AMG」の要素が盛り込まれ、より彫りの深い立体的なものとなった。またパワートレーンは一新され、アイドリングストップ機構の採用などと合わせ、環境性能を改善。エコカー減税対象モデルも用意される。

 グレードは「CLS 350 BlueEFFICIENCY」と「CLS 63 AMG」の2つ。前者には新開発のV型6気筒 3.5リッター直噴エンジンと7速AT「7G-TRONIC」が、後者にはやはり新開発のV型8気筒5.5リッター直噴ツインターボエンジンと、7速AT「AMGスピードシフトMCT」が搭載される。AMGスピードシフトMCTは、通常のATのトルクコンバーターを多板クラッチに替え、ダイレクト感を向上させたトランスミッションだ。

 価格はCLS 350 BlueEFFICIENCYが930万円、CLS 63 AMGが1645万円。

CLS 350 BlueEFFICIENCY

トランク容量やパッセンジャールームの居住性はサルーンに及ばないものの、2ドアクーペよりも使いやすい4ドアクーペ。真横から見るとグリーンハウスの小ささがよく分かる。撮影車両は60万円のパッケージオプション「AMGスポーツパッケージ」を装着。同オプションにはAIRマチックサスペンション、19インチホイール、フロントスポイラーとリアスカートなどが含まれ、トランスミッションにMモードが追加される

 

大型のスリーポインテッドスターはスポーツモデルだけに許された意匠だったが、CLSから4ドアサルーンにも使われるようになったAMGスポーツパッケージの19インチAMG5スポークアルミホイール。タイヤは前が255/35 R19、後が285/30 R19。通常モデルは18インチで、前後とも255/40 R18となる
BlueEFFICIENCYのバッヂがフロントフェンダーに装着されるキーを身につけていればドアハンドルのタッチで解錠/施錠ができる「キーレスゴー」を標準で装備するアンテナはシャークフィンタイプ
フルLEDのヘッドライト。片側だけで71個のLEDで構成される。ステアリング操作に応じて向きを変えるアクティブライトシステムやコーナーリングライト、自動的にハイビーム/ロービームを調整するアダプティブハイビームアシストなどの機能を備える
テールランプもフルLED
ドアミラーはターンシグナルランプを内蔵バンパー下部中央のリアフォグまでLEDだスクエアデザインのクロームエグソーストエンドはAMGスポーツパッケージに含まれる
新開発のV型6気筒3.5リッターエンジン。最高出力は225KW(306PS)/6500rpm、最大トルクは370Nm(37.7kgm)/3500-5250rpmリーンバーンやアイドリングストップなどにより、350 BlueEFFICIENCYは50%または75%のエコカー減税対象となる
本革シートを標準装備するインテリア。ブラックアッシュウッドのトリムとステンレスペダルはAMGスポーツパッケージに含まれるステアリングホイールは本革巻き。シフトレバーはコラムタイプで、シフトパドルも備える
ライトコントロールとパーキングブレーキリリースレバーはステアリング左に。ライトコントロール右のスイッチは夜間に赤外線で前方映像をとらえるナイトビューアシストプラスエンジンのスタートスイッチはステアリング右にコンソール中央にアナログ時計を配する
COMMANDシステムとエアコンの操作系センターコンソールには前から灰皿、カップホルダー、COMMANDシステムの操作系などがある
センターアームレスト内にiPodなどの携帯オーディオ機器を接続するポートがある
パワーシートのスイッチはドアにあるシート前部にも物入れがある
リアシートは中央のコンソールで区切られた2人がけリアシート用のエアコンコントロールパネル
リアシートのコンソールにも灰皿と12V電源、カップホルダー、物入れがある
収納式のリアアームレスト
350 BlueEFFICIENCYは左ハンドルと右ハンドルが用意される。こちらはAMGスポーツパッケージ非装着で、ウォールナットトリムが標準になるコラムのシフトレバー上がクルーズコントロールレバー、下がワイパーとウィンカー、ライトのコントロール
ステアリングのリモコンスイッチはオーディオなどのほか、メーターパネルのインフォメーションディスプレイの操作に使う3眼のメーターパネル
インフォメーションディスプレイの表示
コンソール中央のインフォテインメントディスプレイ
ルーフコンソール。マップランプはルームミラー下についているガラス・スライディングルーフは19万5000円のオプション。63 AMGには標準装備となる
パークトロニック(前後のパーキングセンサー)のインジケーターがダッシュボードとリアの天井にあるリアウインドーにはサンシェードを装備
トランクルームトランクスルーは標準ではないAMGスポーツパッケージ装着車はAIRマティックサスペンションのタンクのためにこの部分が凹まず、長尺物が積みにくくなる

CLS 63 AMG

63 AMGは専用のエアロパーツを纏うAMGスポーツエグゾーストシステムを装着しており、テールパイプはデュアルツインになる
チタニウムグレーペイントの19インチAMG5トリプルスポークアルミホイールを履くこちらは110万円のオプション「AMGパフォーマンスパッケージ」の鍛造アルミホイールV8ツインターボのバッヂ
63 AMGのインテリア
シフトレバーがコラムでなくフロアになるステンレスペダルが標準トランクは自動開閉
35万円の「ラジュグアリーシートパッケージ」を装着すると後席が分割可倒式シートになる

 


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(編集部:田中真一郎/Photo:安田 剛)
2011年 9月 12日