写真で見るアルファロメオ「ジュリエッタ」 |
1954年に行われたトリノショーでデビューしたアルファロメオの初代「ジュリエッタ」。コンパクトで美しいボディー、加えて高いパフォーマンスを備えていたことから人気を博した。1977年には2代目が発売されたが、その後、系譜は一時的に途絶えることになってしまう。
そして2010年。アルファロメオ創立100周年を迎えるにあたり、約30年ぶりの復活を果たすことになる。ジュネーブショーでのワールドプレミア後、まずはヨーロッパ市場で販売され、この2012年2月から日本でも手に入れることが可能になった。
3代目ジュリエッタには新規に開発されたプラットフォームを採用。高張力鋼板や合成樹脂を用いることで、大幅に剛性を高めつつも重量増を抑えた。
加えて、電子制御デファレンシャルロック機能、DST(Dynamic Steering Torque:駆動輪空転防止機能)など車両のさまざまなシステムを統合、活用する「アルファロメオD.N.A.システム」を採用。エンジンをはじめトランスミッション、ステアリングなどの制御特性を用意された「D:ダイナミック」「N:ノーマル」「A:オールウェザー」と3つのモードに切り替えが可能で、路面状況やドライバーのスタイルに応じた走行特性を実現。快適性と運動性、そして安全性を高いレベルで実現しているのが特長だ。
ラインアップは「スプリント」「コンペティツィオーネ」「クアドリフォリオ ヴェルデ」の3モデル。駆動方式はFFのみで、サスペンションはフロントがストラット、リアがマルチリンク。
スプリントとコンペティツィオーネに搭載されるのは、直列4気筒1.4リッターターボのマルチエアエンジンだ。可変バルブリフト機構を備え、最高出力125kW(170PS)/5,500rpm、最大トルク250Nm(25.5kgm)/2,500rpmのパフォーマンスを獲得。同時にSTART&STOPシステムを備えることで、21.7km/L(イタリア仕様MT車)の省燃費性能も実現している。組み合わされるトランスミッションは「Alfa TCT」と呼ばれる6速デュアルクラッチATのみとなる。
フラッグシップとなるクアドリフォリオ ヴェルデには、名車「1750」の名を冠した直列4気筒1.75リッター直噴ターボエンジンを搭載。直噴化や連続可変バルブタイミング機構などの採用により、アンダー2リッターながら最高出力173kW(235PS)/5,500rpm、最大トルク340Nm(34.7kgm)/1,900rpmのハイパワーを発揮する。トランスミッションは6速MTのみと、スポーツ走行を意識したスペックとなっている。
ボディーカラーは全4色で、ソリッドカラーのアイス ホワイトとアルファ レッドが標準。メタリックカラーとなるアンスラサイトグレーとエトナ ブラックはオプション設定となり、前者はコンペティツィオーネ専用、後者はスプリント&コンペティツィオーネのみの設定。つまりクアドリフォリオ ヴェルデはソリッドカラーのみとなる。
■コンペティツィオーネ
1.4リッターエンジン搭載の上級グレード。エクステリアではバイキセノンヘッドライト、インテリアではレッドステッチ入りのファブリックシート(パワー&ヒーター内蔵)などが標準装備となる。価格は3,580,000円。撮影車両のボディーカラーはアルファ レッド。
アルファらしいディティールを持つエクステリア。全長わずか4,350mmながら全幅は1,800mmとグラマラスなボディーの持ち主だ。全高は1,460mm |
フロントマスクにはアルファロメオのアイデンティティとなる大型の盾型グリル | コンペティツィオーネとクアドリフォリオ ヴェルデにはサイドスカートが装着される |
ドアミラーはアルミマット仕上げ | ワイパーはフラットタイプが標準。インテリジェントウォッシュ機能も付く |
センターコンソール後端にはエアコンの吹き出し口。その下には灰皿も |
ラゲッジルームの容量は350Lと外観から受ける印象より広々。分割可倒式のリアシートを倒せば最大1,045Lの容量を確保できる | |
ラゲッジスペースにはトノカバーが備わる | トランクスルーも装備 |
■クアドリフォリオ ヴェルデ
ハイパフォーマンスモデルとして用意されているのがクアドリフォリオ ヴェルデ。このグレード名は「緑色の四つ葉のクローバー」の意味で、エクステリアにも同様のエンブレムを装着する。ラインアップ中、唯一MTモデルが用意されるほかサスペンションが専用スポーツタイプに、タイヤサイズが18インチとなる。走り以外の装備ではコンペティツィオーネとの差は少なく、BOSEサウンドシステム、レザーシートといったところが目立つ部分。価格は3,880,000円。撮影車両のボディーカラーはアイス ホワイト。
ボールタイプのノブが付いたシフトレバー。リバースへのシフトチェンジは下部のリングを引き上げるタイプ | ペダルはアクセル、ブレーキ、クラッチの3ペダル。ペダルトップはアルミタイプ |
シート表皮はオールレザーでレッドステッチ仕上げ | |
フロントシートはパワーシート&シートヒーターを装備 | ヘッドレストは刺繍によるロゴマークが入る凝ったもの |
9スピーカー&サブウーファーを備えるBOSEサウンドシステムを標準装備。サブウーファーはスペアタイヤの空間を生かして装着されている |
■スプリント
ベーシックモデルとなるのがスプリント。エンジンはコンペティツィオーネと共通だが、ブレーキやサスペンション、タイヤなどが異なる。装備面でもバイキセノンヘッドランプやパワーシートが省略されるなど、装備の差は意外と多め。価格は3,180,000円とコンペティツィオーネより400,000円ほど安い設定となる。撮影車両のボディーカラーはエトナ ブラック。
サイドスカートが装着されないため、若干スッキリとした印象。ルーフスポイラーは標準装備だ |
グリルまわりもグレードによる差異はない | ドアミラー背面はボディー同色になるが、ヒーテッド&電動格納機能は備わる | サイドマーカーは他モデルと同じクリアタイプ |
LEDデイライトを装備するヘッドライト。バイキセノンではなくハロゲンタイプとなるが、ユニット内部の形状はバイキセノンタイプと同じで外側下部がロービーム、上部がハイビームだ。ただ内部のカラーはダークグレーに対しこちらはシルバー |
260kmスケールのスピードメーターが挑発的なメーターパネル。中央下部にはマルチファンクションディスプレイが備わる |
マルチファンクションディスプレイには外気温度や各種警告、各種設定に加え、全車標準のリアパーキングセンサーの状況も表示される |
コンソール中央にはオーディオ、各種スイッチ、エアコンが並ぶ | スイッチパネル中央にはSTART&STOPシステムの解除スイッチを用意。頻繁なストップ&ゴーが行われるようなシチュエーションで便利そうだ |
シートは前後ともファブリックで調整も手動式。リアガラスがプライバシーガラスではないのもスプリントのみ |
ヘッドレストにはアルファロメオのロゴマークが入る | クアドリフォリオ ヴェルデはスペアタイヤ中央にサブウーファーが装着されているが、スプリントでは車載工具のスペースとなる |
■写真で見る バックナンバー
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/photo/
(安田 剛)
2012年 2月 13日