写真で見る「GRMN iQ Supercharger」 |
この1月に開催された東京オートサロンに展示され好評を得た「GRMN iQ Supercharger」。この夏の発売を前に同車のメディア向け試乗会、および「スポーツハイブリッドコンセプトII」「レクサス CT」の展示が行われたので、少し駆け足にはなってしまうが詳細をお届けしたい。
■GRMN iQ Supercharger
2009年に発売された「iQ GAZOO Racing tuned by MN」。当時、日本仕様には存在しなかった1.3リッターエンジンに6速MTを組み合わせ、さらに専用スポーツサスペンションなどを装備したスペシャルモデルだ。iQベースのスポーツ仕様とかなり尖ったクルマではあったが、限定発売された100台はわずか1週間で完売となった。
そして第2弾として用意されたのが「GRMN iQ Supercharger」。今年のオートサロンにもプロトタイプとして出展されていたため、目にした人も多いハズだ。今回はより市販バージョンに近いモデルをご紹介しよう。なお、発売は今夏で限定数は初代と同じく100台の予定だ。
同車はネーミングからも分かるようにスーパーチャージャーを装着することで、ノーマルを大きく上回る130PS/18.3kgmのスペックを実現。同時にトランスミッションは1、3、6速のレシオを変更してクロス化するとともに、ファイナル変更によりローギヤード化された。これによりパワフル&キビキビとした走りが可能になり、マイクロレーサーのキャッチコピーにふさわしいモデルに仕上げられている。
●GRMN iQ Supercharger 主な仕様
ベース車グレード | iQ 130G MT→(ゴー) |
車両型式 | NGJ10-BGFNG |
車両重量 | 990kg |
エンジン型式 | 1NR-FE |
総排気量 | 1329cc |
最高出力 | 95kW(130PS)/5200rpm |
最大トルク | 180Nm(18.3kgm)/4400rpm |
燃料供給装置 | 電子制御式燃料噴射装置(EFI) |
車両寸法 | 全長3140mm×全幅1705mm×全高1470mm |
ホイールベース | 2000mm |
乗車定員 | 4人 |
駆動方式 | 2WD(前輪駆動方式) |
トランスミッション | 6MT |
●機能部品
・ROTREX社製スーパーチャージャー
・クロスレシオ6速MT
・減速比のローギヤ化
・強化クラッチ
・サスペンションメンバーブレース
・専用チューンニングサスペンション
・専用デュアルエギゾースト
・社外品アルミ(ENKEI PF01)
ノーマルiQとはまったくのベツモノといった雰囲気のエクステリア |
広いとはいえないエンジンルームにスーパーチャージャーが押し込まれているが、パッと見ではその存在すら感じさせない | スーパーチャージャーはROTREX製の遠心式。一般的なルーツ式より高回転域での特性に優れるのが特長 | マフラーはデュアルエキゾーストタイプ |
タイヤは、POTENZA(ポテンザ)RE050Aでサイズは195/55 R16。ホイールは高い強度と軽量化を両立したエンケイのPF01 | ブレーキローターはスリット入り |
スーパーチャージャーの装着によりミニサーキットでも楽しめるパフォーマンスを獲得 |
エクステリアもノーマルから大きく変更されている。専用前後バンパーやオーバーフェンダーにより全長が140mm、全幅は25mmと一回り大型化。同時に専用スポーツサスペンションの装着により全高が30mm引き下げられ、ノーマルのiQとは大きく差別化された迫力のあるシャープなスタイルに仕上げられている。
●エクステリア
・専用フロントバンパー(GRマーク付き)
・フロント、リヤオーバーフェンダー
・黒塗装プロジェクター(HID)
・専用リアバンパー(デュフューザー付き)
・専用リヤスポイラー
・黒塗装コンビランプ
・大型ロッカーモール
・GRMN立体ロゴ入り専用ドア
・専用クォーターパネル(キャラクタ&オープニング線シャープ化)
・外板色 ホワイトパールクリスタルシャイン
フロントにはGazooRacingのエンブレム | ヘッドライトはベース車両のハロゲンからHIDに変更。内部が黒に塗られており精悍な印象 | エアダム風の造形となる専用フロントバンパー。サイドにはワイド感を強調するスリットが設けられる |
ドア下には大型のロッカーモールを装着 | ドアもロゴ入りの専用パーツ | オーバーフェンダーによるワイド化は、数値としては25mmと控えめだが見た目にはインパクト大 |
専用のリアバンパーはディフューザー形状 | ヘッドランプ同様、リアコンビランプもフレーム部分がブラック化される | 専用リアスポイラーはサイド部分まで大きく回り込んだ形状 |
インテリアはノーマルとはまったく異なるスポーティなもの。黒を基調に随所に赤を加えたコーディネートは記号的な組み合わせではあるものの、専用のスポーツシートやステアリング、シフトノブなどは見た目だけでなく感触という面でも抜群。ドライバーの気分を盛り上げるのに一役買っている。
●インテリア
・専用メーター(200km/hスケール+水温計付き)
・追加タコメーター
・本革巻きステアリング(赤ステッチ)
・赤革シフトノブ+本革シフトブーツ(赤ステッチ)
・赤革パーキングブレーキレバー
・専用内装加飾
・専用スポーツシート
インパネまわりはほぼiQそのものだが、ピアノブラック調の専用加飾、赤革や赤ステッチによりスポーティな印象に | メーターパネル上には大型のタコメーターが追加される | メーターは200km/hスケールで水温計が追加された専用パーツ |
赤い本革仕上げのシフトノブ&パーキングブレーキレバー | 赤ステッチに加え上下を赤い本革仕上げとしたステアリング。左側にはオーディオのコントローラーとパワースイッチが付く | センターコンソール中央にはマニュアルエアコンのスイッチが並ぶ |
ナビ装着用の専用クラスターはピアノブラック調仕上げに | ペダルはノーマル風味 | フロントシートはホールド性の良いバケットタイプの専用スポーツシート |
ドアのグリップ部もピアノブラック調仕上げに。ツイーターも装着 | リアシートはノーマル。成人男性が長時間座るにはキツイ感じだが、50:50の分割可倒式なので積載性はわるくない |
■GRMN SPORTS HYBRID Concept II
昨年の東京モーターショーやオートサロンに展示されていたモデル。トヨタ2000GTをイメージしたという86(ハチロク)に対し、こちらはトヨタスポーツ800(ヨタハチ)をフィーチャーしたエクステリアとなっている。クルマ本体はMR-Sがベースとなっているが、パワーユニットはレクサスRX450hのモノを前後逆にして搭載。つまり純粋なミッドシップではなく、エンジンによる後輪駆動に加え前輪をモーターで駆動するハイブリッド4WDを採用したスポーツカーなのだ。
となれば、エンジンルームが気になる読者が多いかと思うが見るのはOKだが撮影はNGとのこと。ちょっと眺めた程度の印象となってしまうが、横置きでかなりのスペースを占めてはいるもののユニットそのものはムリなく収まっており、もう少し小型化されれば十分実用化できそうな感じ。既存のパーツを流用して低価格で発売を、なんて望みたくなるが、完全にワンオフというサスペンションなど、現状ではハードルが少し高そうだ。
ベースがMR-Sとは思えないボリューム感のあるフォルム。ボンネットのヒンジ(?)部分がヨタハチっぽい感じだ | ドアマウントされたサイドミラー |
ドアとAピラーにはMR-Sのイメージが残るが、改造車的な違和感はあまりない | ヘッドライトユニットにはLEDのポジションランプも | リアコンビランプの下にもLEDによる装飾が施される |
左のリアコンビランプ横にはGRMNのエンブレム | 大きなリアエンジンフード。この下にはトランクはなく横置きのパワーユニットが収まる | リアエンドのメッシュ部分はエンジンルームからのエアが抜ける構造 |
タイヤはフロントが225/40R19、リアが255/35R19 | インテリアは確かにMR-Sだが、細部のリファインにより高級感のある仕上がり。内装に関してはこのままでも十分イケそう | ステアリングは青ステッチとメタルパネルによるフィニッシュ |
メーターパネルは某車の流用。タコメーターレスなのはちょっと寂しいかも | パワートレインがRX450hなのでミッションはCVTになる | イグニッションはプッシュスイッチ式 |
エアコンパネルまわりの造形はMR-Sそのまま | オープンエアに低いシートポジション、そして古さを感じさせないインテリアと、もう「このまま市販してくれ!」って感じだ | サイドシルはMR-Sよりかなりワイドに |
ドアの内張も高級感のある仕上がりだ |
■GAZOO Racing LEXUS CT
2011年5月にドイツで開催されたニュルブルクリンク耐久選手権、第3戦に出場したクルマ。パワートレインは若干制御を変えているものの、ベースとなるCT200hそのまま。そのため、ボディは軽量化がされているものの、ハイブリッドユニット冷却のためエアコンが搭載されたままなど、車重は規定の最低重量を大きく上回る1.5tオーバー。現地の車検担当官に苦笑いされたなんて逸話もあるほど。予選は191番グリッドと大きく沈んだが、「他車の倍以上」という燃費の良さを生かしピットストップ回数を削減、最終的には108位で完走を果たしている。
エクステリアはほぼノーマルといった印象 | エンジン本体はまったくのノーマル状態。エンジンルームだけを見ると耐久レースを走ったクルマとは思えないほど |
リアシート位置に燃料タンク、その後ろにハイブリッドユニット&バッテリーを搭載。これでも重量バランスはかなりフロント寄りだという | 室内はレースカー然としたもの。ステアリングには無線(白)と一時的にパワーを上げるパワーボタン(赤)が用意されている | メッキのシフトレバーやらエアコンやら、センターコンソールにはあまりレースカーっぽくないパーツが付いている |
エアコンの冷風をバッテリーに導くために、シート間にはブロアモーターを設置。「ついで」にドライバーも恩恵を受けられるとか | 助手席後部に電装品用のドライバッテリーが搭載されている | メーターパネルはノーマルのまま |
室内にはここまでするか、というぐらいにロールケージが張り巡らされる |
■写真で見る バックナンバー
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/photo/
(安田 剛)
2012年 4月 3日