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ちょっと写真で見るマツダ新型「CX-9」
(2015/11/22 00:00)
2015年ロサンゼルスオートショーでワールドプレミアされたマツダの新型ミッドサイズクロスオーバー「CX-9」。2代目となる新型CX-9は、エンジン、トランスミッション、シャシーなどすべてにSKYACTIVテクノロジーが導入され、内外装のデザインも最新かつプレミアム性を引き上げた魂動デザインを取り入れている。
想定しているターゲットカスタマーは「成熟したファミリー」。つまり、モノのよさを知っているユーザーとなる。そんなターゲットカスタマーのために卓越した最新技術や、質感を高めたデザインを採用した。このようにプレミアムセグメントで勝負するために開発が行われてきた新型CX-9は、デザインテーマとなっている“魂動”を一歩進めた仕立てと厳選した素材を取り入れている。
外観のデザインでは、「CX-3」や「CX-5」よりもシンプルな面構成となった。サイドのラインはフロントからボンネットとフロントフェンダーを通るベルトラインがリアへ流れるだけだ。ボディーカラーは新色の「マシングレー」でカラーリングされている。メタリックを含んでいるが、粒子の並び方を塗装で制御することで、メタリック感を抑えた独特な色合いとなっている。ボディーサイズは現行の車種ラインアップで最大となる5065×1969×1716mm(全長×全幅×全高)。
一方の内装デザインは、これまでのSUVシリーズの流れを汲みながらも大幅にプレミアム性を高めている。ドアパネルやシフトゲートまわりにはウッド素材が採用されていて、これは高級ギターを製造している富士弦と共同開発したもの。クリアをなるべく抑えることで、ウッドそのものの手触りや質感を感じることができるという。使用している革にもこだわっていて、高級感のあるナッパレザーが用いられている。
そのほかには、マツダコネクトのモニターが8インチへアップしたり、メーター上部に走行情報を表示させるヘッドアップディスプレイがフロントガラスに投影するタイプへ進化したりと、ハイエンドモデルに相応しい機能性の向上を果たしている。
デザインや使用素材とともに注目すべきは、新規開発された「SKYACTIVーG 2.5T」エンジン。これまでSKYACTIVのガソリンエンジンは2.5リッター、2リッター、1.5リッター、1.3リッターの自然吸気モデルしかなかったが、今回新たに2.5リッターターボが追加されることになった。
特徴はSKYACTIVのエンジンラインアップと同様に、カタログ上の数値でなく、実用燃費や実際の動力性能、フィーリングを重視したところにある。一般的に、近年のターボエンジンはさまざまな技術の革新によりターボラグや実用燃費の低下に成功してきたが、それでもマツダが提唱するSKYACTIVの考え方との差が埋まらなかったために、これまでラインアップされてこなかった。
だが、今回のSKYACTIVーG 2.5Tは高圧縮比化やクールドEGR、ダイナミック・プレッシャー・ターボの採用で、ターボエンジンが不得意としてきたドライバビリティを改善。ダイナミック・プレッシャー・ターボは、運転条件やエンジン回転数に併せて排気脈動を変化させる世界初の技術になる。クールドEGRの採用と併せて、燃焼効率を大幅にアップさせ実用燃費が落ちないようになっている。具体的には、3000rpm以下の大部分で理論空燃比で燃焼しているため、燃費のカタログ値と実用域の乖離が少ないという。
SKYACTIVーG 2.5Tの最高出力は227HP/5000rpm、最大トルクは420Nm/2000rpm。これはAKI87(オクタン価)での数値となり、AKI93のプレミアムガソリンならば250HPは発揮できるそうだ。
このように最上級モデルとなるCX-9の初年度の年間販売台数は5万台を想定していて、そのうち8割を北米市場で販売する。販売の中心となる北米に加え、中米やオーストラリア、ロシア、中東などが導入予定国となっている。価格についても最上級モデルらしい値付けで、北米では4万5000ドルからとなっている。
5mを越えるボディーサイズのため、国内への導入は予定していないそうだが、3列シートの使い勝手や最高水準の技術やデザイン、質感を用いているだけに、日本でも求めるユーザーがいるのではないか。