写真で見るプジョー「308CC」

 「プジョー308」はフォルクスワーゲン・ゴルフ、トヨタ・カローラなどと同じCセグメントに属するミッドサイズサルーンで、5ドアと3ドアの「HB(ハッチバック)」と、「SW」と呼ばれるワゴンボディーを持つ。

 この6月1日に、308ファミリーに加わった新しいボディが「308CC」。同社が「クーペ・カブリオレ」と呼ぶ形状で、電動開閉するハードトップを備えた2ドアクーペだ。クーペとは言え、308になって拡大した車体サイズを利して、室内には4座がきちんと確保されている。

 先代の307は、日本ではハッチバックが38%、SWが44%、CCが18%の割合で売れた。このような車種としては比率が高く、CCはプジョーのラインアップに欠かせないキャラクターと言えるだろう。

 オープンボディーへの変更に伴い、騒音が侵入する経路の多いリアを中心に、防音処理が強化されている。また、重くなった車重に対応するため、スポーツモデルの308GTiと同レベルのサスペンションを与え、ブレーキも大径にし、パワーステアリングラックを強化している。

 ベースモデルの「Premiere」と、革内装の「Griffe」が用意され、価格はそれぞれ420万円と455万円。

 撮影した車両はGriffeで、車体色はイパネマ・ブルー、内装はインテグラル・ブラック・レザー

ハッチバックと同じなのはフロントグリルとボンネットのみ、あとはすべてCC専用パネルが奢られている。傾斜の強いフロントウインドー、サイドウインドー下端のクロームガーニッシュ、AM/FMアンテナ内蔵リアスポイラーなど、スペシャリティカーらしい演出が施される

 

 

 

2分割の電動油圧式ハードトップは約20秒で開閉する。開閉時にサイドウインドーが閉まっていると、自動的に約50mm下がる。ボディーはフランスのソショー工場で組み立てられるが、ルーフはドイツのミュンヘンにあるMAGNA CTSで製造している

 

 

Griffeのヘッドランプはディレクショナル・バイキセノン。ステアリングの舵角に応じて外側15度、内側7度の範囲で可動するテールランプはLEDで、CC専用デザインフロントのエンブレム
左右ドアミラーの下部には、サイドターンシグナルランプと、暗所での乗降時に足下を照らすLEDのウェルカム・ライトがある写真のGriffeのアルミホイールは17インチ。Premiereは16インチとなるリアバンパー下部はディフューザー風デザインに
バビロン・レッド。この車両は受注生産の左ハンドルモデルパール・ホワイトハッチバック(右)は「308 VOYAGE」。Premiumに純正HDDカーナビなどを搭載した特別仕様車
1.6リッター DOHC直噴ターボの「EP6DT」エンジンは140PSを発生するトランクリッドを開けたところ。オープン時は上半分のスペースにルーフが格納されるので、容量は226Lとなる
ルーフを閉じた状態のトランク。写真左はルーフを格納するスペースとラゲッジスペースを仕切るためのスクリーン(写真右)で、これがセットされていないとルーフを開けることができない。スクリーンを外した状態(写真中)では容量は403Lとなる
トランクルーム内のスクリーンがセットされていないときにルーフを閉めようとすると、このメッセージが表示されるスペアタイヤはなく、パンク修理キットが搭載される。写真右は修理キットに含まれる電動エアコンプレッサー
オープン時の風の巻き込みを防ぐウインド・ディフレクター(写真左)。後席を塞ぐ形で設置することになる(写真中)。取り外したときは折りたたんでトランク下に収納できる(写真右)
リアヘッドレストの後ろには、転倒時にオートポップアップするロールオーバーバーがある
フロントシートのヘッドレスト下には「ネックウォーマー」を標準装備(写真右)。ここから温風が吹き出し、オープン時のドライブを快適にする。方向と温度(風量)は3段階で変更でき、メインのエアコンとは独立して制御できる。シフトレバーの後ろにコントロールスイッチがあるフロントシートのシートヒーターも標準装備
オートエアコンは、ルーフの状態によってカブリオレモードとクーペモードに自動切替するルーフの開閉スイッチ。サイドウィンドウを4枚いっぺんに開閉するスイッチもある運転席側のパワーウインドースイッチとミラーリモコン
肩のレバーでワンアクションで前席を倒せる。クーペだが4つのシートを備えている。後席の作りはよいが、大人には狭い
ルーフを閉じたときの室内
インテグラル・ヴィンテージ・レザー。このほかグレージュ/ラマレザー(白)もある
センターアームレストの小物入れとグローブボックスは、集中ドアロックに連動してロックされる。グローブボックスは温冷機能付だが、ヒューズボックスが大きな容積を占める
ダッシュボード上部のディスプレイには各種警告のほかフロント/バック・ソナー(標準装備)や車両等の設定画面が表示される
天井にある後席シートベルトウォーニングメーターパネルは白だが、数字の配置がハッチバックと異なる(ハッチバックは数字がすべて水平になっている)4速ATのシフトノブ。トランスミッションはプジョー・シトロエングループが開発したAL4。マニュアルモードもある
標準ではAM/FM/CD付ステレオレシーバーでAUX端子付だが、オプションで地デジやワンセグ付のHDDカーナビが用意されるクルーズコントロールが標準で付くペダルはアルミ
リモコンキーはジャックナイフタイプの内溝式このミニカーはプジョーの「402エクリプス」。1937年からこんな電動リトラクタブルハードトップの車を作っていた

(編集部:田中真一郎)
2009年 6月 15日