写真で見る三菱「i-MiEV」

 電気自動車では初めて本格的な一般販売が開始される三菱自動車工業の「i-MiEV(アイ・ミーブ)」。個人向けには2009年7月下旬から予約を受け付け、2010年4月から販売開始する予定だ。また、法人や官公庁向けには2009年7月から順次デリバリーが開始され、発表時点で2009年度の販売目標の1400台を超える購入希望が寄せられていると言う。

 一般販売される初の電気自動車であることから、満充電時の走行距離が160kmである点、補助金により減額されるものの価格が459万9000円と高額である点、充電インフラが不足している点などの課題も抱えている。しかし、これまでイベントなどの限定された状態で、試験車や実験車を見たり、試乗できたりするだけだった電気自動車が、技術面や信頼性、価格面で自家用として所有できるレベルに達してきたことを示すi-MiEVの市販化は、電気自動車のみならず自動車産業全体に於いて画期的な出来事であると言えるだろう。

 また、電気自動車が抱える課題を克服するために、政府や自治体による補助金の給付や、急速充電スタンドの設置などのインフラ整備が進められ、三菱自身も技術改善を進め、走行距離の拡大や価格低減の実現を目指している。i-MiEVの市販化によって、これらの整備や改善がさらに加速化され、電気自動車が身近な存在となる時代の到来がより早まることも期待されている。

エクステリア

i-MiEVのエクステリア。ボディーカラーには、有料色である2トーンカラーをTYPE AとTYPE Bの2タイプを設定しており、写真はTYPE Bの「ホワイトパール/ミントグリーンソリッド」。環境に対するi-MiEVのクリーンなイメージを示している。エクステリアデザインは、全高が10mm上昇しているものの、ベースとなった軽自動車「i(アイ)」とほぼ同一。iで右側リアフェンダーに設けられていたエアインテークが、普通充電リッドに変更されている
i-MiEVのエンブレム。iのエンブレムにMiEVのエンブレムを追加して電気自動車であることをアピールi-MiEVで追加された、軽自動車初のエアロワイパーブレード。高速走行時の払拭性能向上や、風切り音の低減を図っている。ワイパー自体の構造はiと同じく2本のアームで支えられたシングルワイパーで、ウォッシャーノズルをアームに内蔵しているi-MiEVではLEDヘッドライトを採用。 ヘッドライトへのLED採用は、同社初であり、軽自動車初でもある。ロービームに高出力のLEDを3個使用しており、ハロゲンより50%、ディスチャージより35%消費電力を削減。寿命もディスチャージの2.5倍に伸びている
i-MiEVのLEDリアコンビランプ。リアコンビランプでは、2代目「ekワゴン」などでLEDの採用例があり、i-MiEVではテールランプとストップランプに採用i-MiEVのフロントタイヤ。タイヤサイズはiと同一で、フロントタイヤのサイズは145/65 R15i-MiEVのリアタイヤ。サイズは175/55 R15。タイヤは、前後ともダンロップの「SP SPORT 2030」を採用。リア駆動のため、リアタイヤはフロントタイヤより幅広となる
2トーン TYPE Bの「ホワイトパール/オーシャンブルーメタリック」。ミントグリーンと同様に環境に対するクリーンイメージをアピール。i-MiEVでは、モノトーンで3色、2トーンで2タイプ5色の合計8色のボディーカラーを設定している
2トーン TYPE Bの「クールシルバーメタリック/ブラックマイカ」。TYPE Bの全3色のうち、このカラーは上品でプレミアムなイメージの配色となる。2003年のフランクフルトモーターショーで出展された、iのコンセプトカーを彷彿とさせるカラーでもある

インテリア

インテリアは、iの2008年12月の一部改良でターボ車に設定されたブラックインテリアを採用。インパネ(左)はほぼ同一デザイン、フロントシート(中央)やリアシート(右)は、デザインは同一だがi-MiEV専用のエンボス加工を施したドット柄の専用シート表皮を採用している
フロントドアトリム(左)とリアドアトリム(右)も、デザインや収納機能はiと同一。i-MiEVでは、前後ドアのパワーウインドースイッチパネルにシルバー塗装を施しているi-MiEVで追加された、アルミプレート付きのフロントスカッフプレート。オプションのカーペットは、植物由来樹脂「グリーンプラスチック」を採用している
i-MiEVのメーターパネル。デザインはiと同様のデジタルスピードメーターとアナログメーターを組み合わせたデザインだが、タコメーターをパワーメーターに、燃料残量計をバッテリー残量計に変更し、トリップメーターに航続可能距離表示を追加して、電気自動車化に対応しているi-MiEVのセンターパネル。エアコン吹き出し口やエアコンダイヤルのデザインはiと同一だが、右側ダイヤル中央に設けられていた内外気切換スイッチが左側ダイヤル中央に変更され、新たにエアコン能力を最大とするボタンが追加された。ボタンのマークにもiのロゴを採用。撮影車両はメーカーオプションのワンセグチューナーとSSDを内蔵したカーナビ「三菱マルチエンターテイメントシステム(MMES)」を装備。また、写真では見えないが、6チャンネルパワーアンプや8スピーカーを装備し、デッドニングも施している「ハイグレードサウンドシステム」も装備しているi-MiEVのセンターコンソール。シフトレバーとパーキングブレーキレバーのデザインや位置はiと同一で、カップホルダーもそのまま。シフトレバーは、3速ポジションが「ECOポジション」に、2速ポジションが「Bポジション」に変更されている。iのフロアコンソールトレーがあった位置には、エアコンの冷気をバッテリーに送るダクトが追加された。バッテリーの温度が上昇した際に、自動でエアコンを作動させて冷気をボディー下部のバッテリーパックに送り冷却する構造になっている
ステアリング下には、省略されたフロアコンソールトレーに代わるアンダートレーを装備。ステアリング右側のインパネには、トラクションコントロールのスイッチや、電動ミラーのリモコンスイッチ、エアコンパネルから移設されたリアデフォッガースイッチを装備。下部には、普通充電リッドオープナーを装備する運転席シート下には、急速充電リッドオープナーを装備普通充電リッドを開けた状態。リッド内部の端子部分にもカバーが設けられており、感電やショートなどのトラブルに対して2重の安全対策を施している。また、充電ケーブル接続時はモーター始動ができない安全機能も搭載している
急速充電リッドを開けた状態。iではガソリン給油口のあった部分に設けられている。普通充電リッドと同様に、端子部分をカバーで保護しているi-MiEVに付属するAC200V用の充電ケーブル、AC200VからAC100Vへの変換ケーブルと、ケーブルを収納するケース。ケースを収納する専用スペースはi-MiEVに設けられてはいないが、ラゲッジスペースに置ける大きさなので問題はないだろうi-MiEVのボンネット内部の模様。iと同様のリアミッドシップレイアウトのため、パワートレインは搭載していない。iと同等の衝突安全性能を確保している
グローブボックスやグローブボックスアッパートレイ、助手席カップホルダー(左上)、アッパートレイのシークレットボックス(中央上)、センターカップホルダーとユースフルトレイ(右上)、シートバックポケット(左下)、バニティミラー(中央下)などの収納やインテリア機能もiを踏襲。電気自動車化しつつも、iの機能や利便性をまったく犠牲にしていない点もi-MiEVの特長だ。ラゲッジスペース(右下)もiと同様のスペースを確保している
リアシートは5:5の分割可倒式で、前倒してラゲッジルームを拡大することができる

パワートレイン

ラゲッジルームの床面を持ち上げると、エンジンルームカバーが見える。ここまではiと同じエンジンルームカバーを開けると、インバーターと車載充電器&DC/DCコンバーターが見える。感電や漏電を警告するマークが見えることで、電気自動車であることが実感できるボディー下部からエンジンルームを見上げた状態。モーターやトランスミッションが見えるほか、ボディー下部のほぼ全体をアンダーカバーで保護しているのが分かる。アンダーカバーの内側にはバッテリーパックが装備されている
普通充電リッドの保護カバーを開けた状態付属の充電ケーブルを充電リッドに挿入して充電を開始するイメージ急速充電リッドの保護カバーを開けた状態
急速充電器のケーブルを充電リッドに挿入して充電を開始するイメージi-MiEVに搭載されているリチウムエナジー ジャパン製のリチウムイオンバッテリーセル4個のバッテリーセルを内蔵したバッテリーモジュール。i-MiEVでは、合計88セルのバッテリーを搭載している
i-MiEVの床下に搭載されている、バッテリーと高電圧システムを収納したバッテリーパック。重量は約230kgで、ガラス繊維入り樹脂や、板金プレートのインサート成型を採用したカバーで保護されており、高剛性と防水性を確保している。また、前面の吸気口(中央)から後面の排気口(右)にかけてエアコンの冷気を送り、バッテリーを冷却できる構造になっている
メインユニットの永久磁石式同期型モーター「Y4F1型」インバーター車載充電器&DC/DCコンバーター

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2009年 6月 12日