写真で見るレクサス「RX」


 レクサス「RX」は、それまでトヨタ「ハリアー」として発売されてきたモデルの3代目にあたる。それまでも「ラグジュアリーSUV」として発売されていたが、高級ブランド「レクサス」としてリニューアルされ、同時に国内でもそれまでの海外名称と同じ「RX」に統一された。

 シリーズ3代目となるRXは、エンジンも一新された。ガソリンエンジンのみの「RX350」は206kW(280PS)を発揮する3.5リッターV型6気筒に、ハイブリッドモデルとなる「RX450h」も3.5リッターV型6気筒へとグレードアップされている。

 また、RX450hではレクサスブランドとして初めて圧縮比より膨張比を大きくしたアトキンソンサイクルエンジンを採用している。RX450hでは、モーターやインバーターシステム、電気式無段変速機の採用などとあわせて220kW(299PS)という4.5リッタークラスのパワーと、クラストップの燃費性能を実現したと言う。なお、同時にハリアーに用意されていた直列4気筒モデルは廃止されている。駆動方式は、RX350が2WD(FF)と4WD、RX450hは前輪をハイブリッドシステムで、後輪を独立したモーターで駆動する4WD「E-Four」のみとなる。

 インテリアは、「ディスプレイゾーン」と「オペレーションゾーン」が別れた「デュアルゾーンコックピット」を採用。カーナビやオーディオの操作には、センターコンソールに手を置いたままパソコン用マウスに似た感覚で操作が行える「リモートタッチ」を採用した。また、メーター部中央に白色有機ELを採用した「マルチインフォメーションディスプレイ」を備え、平均燃費や航続可能距離など各種情報を表示できる。

 サスペンションは、リアに新開発のトレーリングアーム式ダブルウィッシュボーンサスペンションを採用、RX450hには電動アクティブスタビライザーも採用する。また、全車に横滑り防止装置「VSC」や、ABS、電動パワーステアリングを統合制御する、統合車両姿勢安定制御システム「VDIM」を標準装備するほか、ミリ波レーダー方式のプリクラッシュセーフティシステムや、乗員を包み込みように配置された最大10個のエアバッグなど安全性能も向上している。

 レクサスブランドへの移行に伴い、新車保証が5年/10万kmになるほか、法令点検やメンテナンスが3年間無料になる「レクサスケアメンテナンスプログラム」、コンシェルジェサービスの「レクサスオーナーズデスク」が付帯される。価格はRX350が460万円~565万円、RX450hが570万円~650万円。

外観は細部こそ異なるものの一目でハリアー後継モデルと分かるデザイン。フロントマスクはヘッドライトのデザインなどにより精悍な印象となった。ボディーサイズは4770×1885×1690mm(全長×全幅×全高)と若干だがハリアーより全長と全幅が大きくなっている。今回の取材車はハイブリッドモデルの「RX450h“version L”」(オプション装着車)で、そのほかハイブリッドシステムを搭載しない「RX350」がある
フロントグリルは縦基調のデザイン。グリル枠上部が左右に広がるのはレクサス共通のアローデザインリアスポイラー格納タイプのリアワイパーを装備。すっきりした印象を受けるフロントグリルに装着されたレクサスロゴは、ハイブリッド車であることを示す黒と青のグラデーションで加飾されている
フロントマスクを特徴づけるLEDコンビネーションライト。点灯している2灯がロービームで、内側の大型のライトがハイビーム。外側にあるのはウインカー。ライトはコーナリング時にタイヤの切れ角や車速に応じて照射軸を3秒後にクルマが到達するポイントに自動的に向けるインテリジェントAFSを搭載するフロントフォグランプは丸形形状テールランプは特徴的な丸形4灯から横型に改められた。右側にはバックフォグも内蔵する
ウインカー内蔵サイドミラー。フェンダーミラーは省略され、巻き込み防止用のサイドモニター用カメラが左ミラー下に搭載されるサイドステップに備えられたロゴが、ハイブリッドであることを主張している
カードキーを携帯していればドアハンドルに手を通すだけで自動的にロックが解除される。施錠はドアノブに備えられた凹みに触れることで行う取材車にはオプションのRX450h専用19インチ7 1/2Jアルミホイールと、235/55 R19タイヤ「ブリヂストン DUELER H/L」が装着されていた。標準モデルは235/60 R18タイヤと18インチ7 1/2Jアルミホイールが装着される
エンジンルームのほとんどをカバーしているボンネット内。「LEXUS HYBRID DRIVE」ロゴが目を引く
インストルメントパネルは、「ディスプレイゾーン」と「オペレーションゾーン」が別れた「デュアルゾーンコクピット」を採用。中央に幅の広いセンターコンソールを設ける本木目と本革ステアリング&シフトノブを採用。メーター類は白色メーターパネルは右にスピードメーター、左にハイブリッドシステムのステータスが表示される。メーターパネル中央には「マルチインフォメーションディスプレイ」も備え、各種情報が表示できる
エンジンを含むシステムを起動する「パワーボタン」。RX350では「スタートボタン」となるステアリングの左スポーク部にはオーディオ操作部を備える。下に見えるスイッチは「サイドモニター」表示切替スイッチステアリングの右スポーク部には通話スイッチと、ハイブリッドモードやマルチインフォメーションディスプレイのモードを切り替えできる「マルチインフォメーションスイッチ」を備える
ステアリングコラム左右にはワイパーレバーとウインカーレバーに加え、右下にはレーダークルーズ操作用レバーが用意される
マルチインフォメーションディスプレイには、ハイブリッドシステムの動作モードや、航続距離、平均車速や平均燃費、給油後平均燃費、瞬間燃費などが表示できる
ステアリングのチルト・テレスコピック調整は電動カーナビの表示は液晶モニターのほか、フロントウインドウーのヘッドアップディスプレイにも、速度と共にレーン情報や進行方向などが投影される
センターコンソールに備えたカーナビやオーディオなどを操作する「リモートタッチ」センターパネルに設けられたオーディオ&エアコン操作部。取材車には15スピーカーを備えた“マークレビンソン”プレミアムサラウンドサウンドシステムが搭載されていた
前席上部には、ルームランプやマップランプ、ムーンルーフ開閉スイッチに加え、緊急時に「ヘルプネットセンター」に通報できる「ヘルプネット」ボタンも備えるルームミラーは自動防眩機構を内蔵する
運転席ドア。下部には開閉可能で、ドリンクホルダーも内蔵した大型ポケットを備える
運転席、助手席はパワーシートを備え、それぞれ3人分のポジションを記憶するメモリー機能も備える
運転席右には収納式のドリンクホルダーを備えるほか、センターコンソールには縦に並んだ開閉式ドリンクホルダーが用意されるデッドスペースになりがちなセンターコンソール下にも空間を設け、小物が置けるスペースとなっている
センターコンソール後方は仕切られた収納が用意される。ダイヤルはシートベンチレーション用グローブボックスは車検証や取り扱い説明書などでいっぱいになる
version Lはシートがセミアニリン仕上げの本革。リアは3人掛けで、中央には可倒式の収納付きアームレストが備えられている
センターコンソール後部にはエアコン吹き出し口と最大100Wのサービスコンセントも用意されるリアシート横にはフォールディングレバーを備え、ワンタッチでシートを前に倒すことができる
シートレイアウト。左右を分割して倒すほか、センターアームレストのみを倒すことも可能
リアハッチ内には左右に照明が用意されるほか、左側にはシガーソケットも備える
リアハッチ下部には電動クローズボタンが用意されるほか、運転席右下にもリアハッチ開閉ボタンが用意される
ラゲージスペース下にはスペアタイヤや工具類が収められている
ムーンルーフのサンシェードは手動
ムーンルーフはチルト&スライドの両機構を備える

(平 雅彦(WINDY Co.) / Photo:石川 智)
2009年 8月 5日