写真で見る レクサス「HS250h」


 HS250hは、2009年7月に発表されたレクサス初めてのハイブリッド専用モデル。「HS」とは「Harmonious Sedan」の略、「250」は2.5リッター車なみの動力性能を持つことを意味しており、地球や人、上質との調和を目指したプレミアムセダンとして開発された。環境に負荷をかけないことをテーマに、ボディー外観は空力性能を突き詰めて燃費向上を図り、インテリアには植物を原料にしたエコプラスチックを採用している。

 また、エコドライブを楽しむ「ハーモニアスドライビングナビゲータ」を搭載し、エコドライブを我慢するものから楽しむものへ変える演出を行っている。環境に配慮したドライビングでエコドライブインジケーターが点灯、その点灯時間に応じてエコレベルが「Good」「Excellent」と変化するほか、テレマティクスサービス「G-Link」によりG-BOOKセンターにポイントが蓄積され、ドライバーのステータスが「BRONZE」「SILVER」「GOLD」とランク付けされるなど、エコを楽しめるしかけが用意されている。

 ハイブリッドシステムは、2.4リッターのアトキンソンサイクルエンジンとモーター、リダクションギアを組み合わせ、23km/Lというプレミアムセダンとしては高い燃費性能を実現した。駆動方式はFF。走行モードは「エコモード」「パワーモード」とモーターのみで走行する「EVドライブモード」の3つのドライブモードを備えている。

 安全面では、前席に衝撃の激しさによって最適に展開するSRSデュアルステージエアバッグ、助手席側は乗員を頭や肩など多面で受け止め衝撃を分散するSRSツインチャンバーエアバッグとしたほか、SRSニーエアバッグやSRSサイドエアバッグ、SRSカーテンシールドエアバッグなど最大10個のエアバッグシステムが搭載される。

 またミリ波レーダーで前車との衝突の可能性がある場合にドライバーに警告する「プリクラッシュセーフティシステム」が用意される。さらにこのシステムに、ドライバーの状態を検知して、ドライバーが正面を向いていなかったり、目を閉じていたりすると警報を発する「ドライバーモニター」を組み合わせたバージョンも設定した。

 このほか、フロントグリル部に広角カメラを設置。見通しのきかない交差点などで、車両の左右や正面直下をモニターできるワイドビューフロントモニターも用意している。

 モデルバリエーションとしては、ベースモデルにアルミホイールや専用グリル、スポイラーなどを装着した「version S」、木目&本革ステアリング、木目パネル、セミアニリン本革シート、リアウインドーサンシェードなどを追加した「version I」、プリクラッシュセーフティシステムやレーダークルーズコントロール、ワイドビューフロントモニターなどを安全装備を満載した「version L」の計4モデルがラインアップされる。価格は395万円~535万円。

 なお、今回撮影に使用した車両のグレードは「version L」、ボディーカラーはレクサスシリーズ特有の若干青みの強いクォーツホワイトクリスタルシャイン。

レクサスHS250hはレクサスシリーズとして初めてハイブリッド専用としてデザインされた。高級セダンという位置づけながら、スポーティなシルエットとなっている。空力性能を追求し、Cd値は0.27を実現している

 

フロントグリルは上部がメッキ。細部に鋭さが演出されたシャープな顔立ちとなっているLEDを採用する3連ヘッドライト。ヘッドライトのデザインは外観上の大きなアクセントとなっているハイブリッドモデル専用デザインのレクサスエンブレム。下に見えるのはワイドビューフロントモニター用の広角カメラ
ワイドビューフロントモニターの映像。フロント下部から左右の広いエリアが一望できるフロントフォグランプ。ライト周辺はメッキ加飾が施されるサイドミラーはウインカー内蔵タイプ。こちらもメッキ加飾されている
フロントホイールはオプションの18インチアルミホイール、サイズは18×7 1/2J。タイヤはダンロップのSP SPORTS 01で、サイズは225/45R18が装着されていたドアアウターハンドル。スマートエントリー時にはドアハンドルに手をかけるだけで解錠される。施錠はドアハンドル上面にあるへこみに触れるリアドア下端にはブルー地のハイブリッドロゴがあしらわれる
トランク部は短く切り詰められる。LEDによるランプデザインがここでも特徴となっているマフラーはバンパー埋め込みではないオーソドックスなタイプ。エンドが下向きになっており、外側からはほとんど見えないルーフエンドにはアンテナが装着される
LEDのリアコンビネーションランプ。左から消灯、スモールランプ点灯、ブレーキランプ点灯の各状態
ムーンルーフはメーカーオプションで用意される。チルト(中央)、スライド(右)に対応
ムーンルーフ内側にはサンシェードを備えるフロントワイパーはフラットタイプが採用されている
エンジンルームはほとんどがカバーされている。オレンジのラインはハイブリッドシステムへの電源ライン圧縮比より膨張比を大きくしたアトキンソンサイクルエンジンにハイブリッドシステムが組み合わされるトランク容量は415L。後席とトランクルームの間にモーター駆動用バッテリーが積まれるため、トランクスルー機構はない
トランク開口部。入り口は若干せまく感じるが、奥行きがあるトランク内張りの下にはジャッキや三角版など工具が収納されたトレーが見えるさらにトレーを外すとスペアタイヤが収納されている
トランク側面にはハイブリッドシステムのサービスプラグがあるハイマウントストップランプはリアウインドー内側に配置されている

 

奥にディスプレイゾーン、手前にオペレーションゾーンを配置したインストルメントパネル本木目&本革ステアリングはVersion I、Version Lに標準装備
ステアリング左側はオーディオ関連の操作スイッチステアリング右側スイッチは電話や、マルチインフォメーションディスプレイのモード切り替えなどに使用するハンドルポストに備えたチルト&テレスコ操作用レバー。動作はすべて電動で行われる
ステアリング左裏にはワイパーレバーを備えるハンドル右側はオーソドックスなウインカーレバー右下にはクルーズコントロール用の短いレバーを備える
エアコンはプラズマクラスター内蔵タイプ。運転席・助手席独立温度調整オートエアコンVersion I/Lにのみオプション設定される“マークレビンソン”プレミアムサラウンドシステムシフトレバー。Pポジションは下のスイッチで操作する
レクサス特有の「リモートタッチ」。中央の四角いパッドに手のひらを載せて操作する運転席右下のスイッチパネル。上段には電動ミラー操作ボタンやメーター類の照度コントロールボタンなど、下段にはワイドビューフロントモニターや、電動リアウインドーサンシェードの開閉スイッチなどが並ぶさらに下にはガソリンリッドオープナーとトランクの電動開閉スイッチがある
センターコンソールにある木目調パネル。前部にはシートエアコンの温度操作ダイヤルと、オーディオの外部入力用端子、USB端子もある。パネル内はドリンクホルダーになっている。中央の仕切りは取り外しも可能
メーターパネル。右はスピードメーター。左はハイブリッドシステムのステータスと、中高にはマルチインフォメーションディスプレイも備える
マルチインフォメーションディスプレイはハンドル右のスイッチで切り替える。平均車速や航続可能距離、瞬間燃費、オドメーター、ハイブリッドシステムの状況、外気温などを切り替えて表示できる
センターコンソール上のディスプレイ画面。カーナビ、エアコン、オーディオなどを集中制御するカーナビ画面
設定・編集画面
共通設定画面エアコン設定画面オーディオ再生画面。これはHDD
フロントドア開口部。ドアポケットは前端がドリンクホルダーも兼ねているドアにあるスイッチ。シートポジションは3人分登録可能フロントシート
電動シート操作部。腰部サポートも電動運転席フロア。サイドブレーキはペダル式スカッフプレートにもレクサスのロゴがあり、青く発光する
センターコンソールのアームレストは4段階にスライドしてポジションを変更できるアームレスト開口時。中は収納スペースルーフ前部にはムーンルーフなどの操作部がある。中央の赤いボタンはヘルプネット用
ルームランプはオーソドックスな昼光色バニティミラーのカバーを開くとランプが点灯するグローブボックス内はトレーで仕切られていて、取扱説明書や車検証などが入れやすい
グローブボックス収納時リアドア開口部。前席同様ドアポケットはドリンクホルダーも兼ねているが容量は少なめリアシートは3名乗車
リアウインドーサンシェードリアアームレストカバー内にはドリンクホルダーが用意される
フロントシート裏には小物入れ用のネットセンターコンソール後端にはエアコン吹き出し口があるキーはカード型で、スマートエントリーに対応する

(平 雅彦 WINDY Co.、Photo 石川 智)
2009年 11月 2日