写真で見るフォルクスワーゲン「ポロ 1.4 Comfortline」


 フォルクスワーゲンといえば「ゴルフ」が代表車種だが、それよりひとまわり小さいのが「ポロ」。ここで紹介する5代目ポロは、2009年3月のジュネーブ・モーターショーで世界初公開され、日本には10月末に導入された。

 ボディーサイズは、3995×1685×1475mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2470mm。先代から全長が80mm伸びた一方で、全高は5mm低くなっており、3代目シロッコや6代目ゴルフと同じように低さをアピールする外観に変身。車体色はキャンディホワイト、ディープブラックパールエフェクト、フラッシュレッド、サバンナイエロー、リフレックスシルバーメタリック、シーブルーの6色が用意される。

 ジュネーブでは新開発の1.2リッター4気筒ガソリンターボエンジン「1.2 TSI」が話題を呼んだが、当初日本に導入されるのは、1.4リッター4気筒DOHCエンジンと7速デュアルクラッチAT「DSG」を搭載する「1.4 Comfortline」の5ドアモデルのみ。最高出力63kW(85PS)/5000rpm、最大トルクは132Nm(13.5kgm)/3800rpmと、先代よりもパワーアップしつつ、DSGなどの恩恵で10・15モード燃費は17km/Lに改善されている。

 5代目ポロのもう1つの改善点は「品質」。ボディーやインテリアの組み立て精度を上げ、より質感を高めた。インテリアは6代目ゴルフなどと比べるとあっさりしているものの、前述の組み立て精度や随所にあしらわれたクロームが効いているのか、安っぽさは感じない。必要十分な装備が整然とまとまっており、いかにも欧州のベーシックカーらしい清潔感に溢れている。

 これだけの改善を盛り込みながら、価格は先代と同じ203万円にとどめられた。追って、1.2 TSIやスポーツモデルなどのバリエーションの導入も予定されている。

 撮影車はオプションを装着していないComfortlineで、車体色はフラッシュレッド。

水平基調の上下グリル、5角形の前後ランプクラスター、下端がキックアップしたリアクオーターウインドー、太いDピラーと張りのあるショルダーラインなど、最近のVWファミリーのデザイン要素を備える

 

前後のランプクラスターは、よく見るとカバー内に凝った造形が施されている
ドアミラーにターンシグナルランプを内蔵フロント下部はスポイラー風の造形タイヤサイズは185/60 R15。スチールホイールを履く
リアゲート左下の車名ロゴは先代と同じマフラーは左1本出し簡素な形状のドアノブ。キーホールは運転席側のみにある
フラットワイパーを採用シャシー番号をフロントウインドー下端に表示リアワイパーもフラット
1.4リッター直列4気筒の自然吸気ガソリンエンジン。エンジンルームには余裕がある
ガソリンはハイオク。キャップには落下防止のリード付きアンテナはルーフ後端中央にあり、ねじ込み式
写真右、銀色の車両の車体色はリフレックスシルバーメタリックフラッシュレッドの車両はオプションのアルミホイール「Syenit(シニット)」のブラックと、215/45 R16タイヤを装着している。1台分のオプション価格は14万2800円(工賃別)

 

内装はブラックのファブリックのみシートの調整は手動
簡素だが安っぽさは感じさせない内装。要所要所にクロームメッキパーツをあしらう
メーターの間にあるマルチファンクションインジケーターには、外気温、時計、瞬間燃費、平均燃費、航続可能距離、平均速度などを表示できる
7速DSGのシフトレバーシフトレバーの奥にカップホルダーとシガーライター、AUX端子がある。USBはないデュアルクラッチATなので2ペダル
ターンシグナルとハイビームのコントロールレバーワイパーコントロールレバー。トリップメーターの切り替えスイッチが付くライトコントロールはインパネ右端のダイヤルで。その奥はメーターパネルの輝度調整と光軸調整ダイヤル
センターコンソールのオーディオとエアコン。エアコンはセミオート標準のオーディオはCDレシーバーの「RCD310」。CDに保存されたMP3やWMAの再生にも対応
運転席側ドアアームレストのパワーウインドースイッチ運転席側ドアハンドルの可倒電動リモコンドアミラーと集中ドアロックスイッチ前席左右のドアポケットには1.5Lのペットボトルが入る
グローブボックスに書類用ポケット(写真中)やペンホルダー、小物入れと、助手席エアバッグのON/OFFや空気圧センサーの設定スイッチがある。また開閉可能なエアコンからの送風口もある
助手席と運転席のシートバックポケット助手席と運転席にシートアンダートレーがあるフランスで車載が義務付けられている蛍光安全ベストの格納スペースが、助手席足下にある
イグニッションキーはシリンダータイプキーは折りたたみタイプ。ドアリモコン機能付き
ルームランプとマップランプ左右サンバイザーには照明付きバニティーミラー
後席ルームランプ天井のハンドグリップやBピラーにはフックがある
後席には3人分のヘッドレストと3点式シートベルト。カップホルダーはセンターコンソールに1つ

 

6代目ゴルフ同様、リアのエンブレムがリアゲートのオープナーになっているトノカバーは標準で付く
ラゲッジルームの床は2重構造になっていて、床板を上段にセット(写真左)すれば床下にセパレートスペースができる(写真中)し、下段にセット(写真右)すればラゲッジルーム容量を増やすことができる
後席シートバックは4:6の分割可倒式
リアシートはダブルフォールディングタイプ。座面を前方にチップアップすれば、リアシートを倒したときにフラットになるラゲッジルームの下にスペアタイヤはなく、パンク修理キットを積む
ラゲッジルームの電源ソケットとフック

 

 

(編集部:田中真一郎、Photo 大浦タケシ)
2009年 11月 20日