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写真で見る フォルクスワーゲン「ポロ」

 フォルクスワーゲン「ポロ」が新しくなった。新型ポロはフェイスリフトだけでなくエンジンをはじめ走行メカニズムが新しくなり、外見も中身も従来とはだいぶ趣きが異なったものになっている。

 大きな変更点として、新しい直列4気筒 DOHC 1.2リッター直噴ターボエンジンの採用が挙げられる。従来も直噴とターボを組み合わせた1.2リッター TSIエンジンだったが、新型では新しいDOHCエンジンをアルミブロックで構成するなど重量軽減が行われている。

 このため燃費は向上。従来型ポロもモデル途中でアイドリングストップ機構などが追加され、デビュー当初よりも改善されていたが、新型では従来型の最終仕様からさらに5%アップの22.2km/L(JC08モード)と燃費が伸びている。

 シャシーこそフォルクスワーゲンの新プラットフォーム戦略であるMQBの採用はないが、新しい安全装置として、衝突軽減ブレーキであるプリクラッシュブレーキシステムの「フロントアシストプラス」や、衝突などを感知して2次衝突を防ぐためブレーキを作動させる「マルチコリジョンブレーキ」を装備。衝突軽減ブレーキはミリ波レーダータイプで、フロントのアンダーグリル中央にセンサーが付いている。同時に先行車に追従する「アダプティブクルーズコントロール(ACC)」をコンフォートライン アップグレードパッケージに標準装備(コンフォートラインはオプション設定)している。

 また、写真からは分からないが、パワーステアリングが電動化されていることもポイント。加えてフォルクスワーゲン車の特徴でもあるデュアルクラッチトランスミッション「DSG」も進化し、発進の滑らかさ、特に緩い上り坂での挙動が変化し、従来のポロとは走行フィールが異なっている。実際のインプレッションは別記事に譲るが、実際に乗り比べてみると従来型から変わった点が多いことに気づくと思われる。

 なお、新型ではコンフォートラインの1グレード展開とし、従来あった上級の「ハイライン」グレードは導入されない。コンフォートラインの中にアップグレードパッケージという装備の多い上級バージョンを用意し、従来ハイラインにあったオートエアコンやフォグランプなどを標準装備している。アップグレードパッケージでは、さらにオートランプや自動防眩ミラーといった利便性の高い装備も用意されている。

新型ポロ。濃い赤色のサンセットレッドメタリックは新色。TV-CMなどに登場するのもこのカラー。ボディーサイズは3995×1685×1460mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2470mm
フロントまわりで変わった点は、グリルの横桟が増え、メッキのラインが下側に移動したこと。これによって従来型と雰囲気を異にしている
ヘッドランプはハロゲンのみ。従来型にあったキセノンやLEDのスモールランプは現在のところ設定なし
フォグランプやコーナーリングランプはアップグレードパッケージのみの装備
アンダーグリルに衝突軽減ブレーキなどに利用するミリ波レーダーを搭載。「フロントアシストプラス」や「マルチコリジョンブレーキシステム」、ドライバー疲労検知システム「Fatigue Detection System」などは全グレードに標準装備して安全性能を高めている
テールランプの全体の形状は従来型を踏襲するが、新型では光る部分の形状が変化し、よりエッジの効いたデザインとなっている
「POLO」のバッヂの位置は従来型と同じ。VWのエンブレムはリアゲートのオープナーを兼ねるが、リアビューカメラはオープナーの中ではなくライセンスプレート上に装備する
WRCでのポロの活躍の成果を示すステッカー
排気量は1.2リッターのままだが、まったく新しくなったターボチャージャー付き直列4気筒DOHC 1.2リッターエンジンを搭載。最高出力は66kW(90PS)/4400‐5400rpm、最大トルクは160Nm(16.3kgm)/1400‐3500rpm。JC08モード燃費は22.2km/L
エアクリーナーボックスがエンジン上に移動したため、正面から見て右側は空きスペースになっている
新型ポロのエンジンは後方排気レイアウトを採用。ターボチャージャーはエンジン後ろ側にある
インテリアは基本的に従来モデルのデザインを踏襲するが、ステアリングやメーターパネルは新デザインに
メーター内に独立した燃料計や水温計(アナログメーター)を装備する
ラジオのあった場所はタッチパネル付きのインフォテインメントシステム「Composition Media」(コンフォートライン、アップグレードパッケージともに標準装備)となり、オーディオだけでなく車両情報などの表示や設定操作が可能となっている
ミラーは自動防眩ミラーを装備する(アップグレードパッケージのみ)。レインセンサーもガラス裏に付く
エアコンはアップグレードパッケージがオート、コンフォートラインがマニュアルとなる
アップグレードパッケージはオートライトを標準装備し、ライトスイッチにAUTOポジションが付く(写真左)。コンフォートラインはオートランプとフォグランプなし(写真右)
アップグレードパッケージ車では、ステアリングにオーディオやディスプレイ操作のサテライトスイッチがある
シフトレバーに「DSG」の文字が刻まれる
ステアリングホイールにも変速用のパドルスイッチが装備される
オプションでDSRC対応の純正カーナビゲーション「714SDCW」を装備することも可能。グローブボックス内に装置が入る
アップグレードパッケージはセンターアームレストを標準装備(コンフォートラインは設定なし)
フロントシート、リアシート、ラゲッジスペースの位置や形状、機能は基本的に従来型を踏襲する
メーターパネルの中央にマルチディスプレイを配置し、さまざまな情報表示のほか、半ドア警告などを図で警告表示。新型ポロでは新たに疲労検知システムが入っており、その警告もこちらに表示される
新たに装着されたACC(アダプティブクルーズコントロール)の状態表示がこちら。先行車の表示は7代目ゴルフをイメージしているようだ

(正田拓也/Photo:中野英幸)