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フォルクスワーゲン、“ゴキゲン♪ワーゲン”をブランドスローガンに

略称で“ワーゲン”と呼ぶことを解禁、社長も「ワーゲンの庄司です」

2015年4月21日発表

新ブランドスローガンの前に立つ、フォルクスワーゲン グループ ジャパン 庄司茂 代表取締役社長

 フォルクスワーゲン グループ ジャパンは4月21日、新しいブランドスローガンとして“ゴキゲン♪ワーゲン”を掲げてブランドコミュニケーション活動をスタートさせると発表した。一般的に呼ばれている“ワーゲン”の名を使うことでより親しみやさを感じてもらう狙いがある。22日からTVCMを放映する。

これからは“ワーゲン”と呼んでいただいて結構

 これまで同社では必ずブランド名称を“フォルクスワーゲン”と伝えてきた。ワーゲンはドイツ語でクルマのことであり、ドイツで“ワーゲン”と略すことはない。同社代表取締役の庄司茂氏は「多くのみなさまにワーゲンと呼ばれている。それは知りつつも、私どもは短くすることなく“フォルクスワーゲン”とし、私どもからはタブーとして、口にしないという方針だった」と説明。

 しかし庄司氏は「長いこと“ワーゲン”という愛称は封印していた。みなさんから60年に渡って呼ばれているならタブーなんて壊してしまい、自らを“ワーゲン”と呼ぶ決断をした」と話し、一般に寄り添う形で変更するとした。“ワーゲン”の略称を使うことにドイツ本国からは「いったい何を考えているんだ」と言われたことを明かし、本国には「日本では勝手にやらせてもらう」と押し通したという。

 さらに庄司氏は「これからは“ワーゲン”と呼んでいただいて結構です。私も今日からは“ワーゲンの庄司”です」と話し、自らワーゲンの名称を解禁したことをアピールした。

“ゴキゲン♪ワーゲン”をブランドスローガン

 ワーゲンの略称が解禁されたことで、ブランドスローガンもワーゲンの韻を踏んだ“ゴキゲン♪ワーゲン”を掲げて活動する。22日からは“ゴキゲン♪ワーゲン”の繰り返しを歌詞に、リラックスムードあふれる調べに乗せた曲をBGMとしたTVCMを放映する。

 新旧ビートル、新旧ゴルフ、タイプ2、タイプ3、カルマンギア、タイプ181……などさまざまなフォルクスワーゲン車が登場して、楽しいカーライフを演出している。

Volkswagen TVCM ゴキゲン♪ワーゲン「登場篇」

「ゴキゲン♪ワーゲン」はTVCMだけでなく、販売店にも浸透させ、その世界観を体感できる店舗づくりとする。具体的には店舗スタッフの制服、名刺も含まれ、カスタマーマガジンも配布する予定。庄司氏は「天才的な商品を手軽に提供するワーゲンの真髄として気持ちを伝えたい。このスローガンを店舗の末端まで行動指針として、この言葉でおもてなしをする」とスローガンに込めた思いを語った。

 名刺は“ゴキゲン名刺”とし、裏側には「ワーゲンは ○○ だ。」とあり、手書きで ○○の部分を書けるようになっている。発表会では庄司氏も自ら新しい名刺を持参、○○の部分を自ら手書きし「ワーゲンは 笑顔 だ。」として配布した。

新ブランドスローガン“ゴキゲン♪ワーゲン”
全方位で訴求する。名刺の裏も手書きでワーゲンとは何かを訴求できる
庄司氏の名刺の裏。「笑顔」が自身による手書き

ブランドの位置付けをしっかり浸透させる

 親しみやすいブランドをアピールする一方で、庄司氏はブランドの位置付け、輪郭をはっきりさせると明言した。

「フォルクス・ワーゲンは販売台数では1位だが、イメージは輸入各社に比べて低い」とし、ビートル、ゴルフといった個別の車種のイメージが大きく、up!を買いに来た来乗者も「小さいゴルフください」と言ってくる事例があるという。

 そのため、薄いブランドイメージを改善すべく、全方位で見直し、「オーナーにとってもよきブランドであることを表現していく」とした。この狙いには、ゴルフなど個別車種の人気からブランド全体への人気へシフトさせるとともに、ゴルフを指名してフォルクス ワーゲンのオーナーになった人が、ライフスタイルの変化で違うタイプのクルマが必要になった際、フォルクス ワーゲンブランドの中で買い替えてもらうなどの期待も込められている。

過去の販売台数の推移。2014年は輸入車ブランドナンバーワンを記録した
販売台数はナンバーワンでもイメージは薄いのがフォルクス・ワーゲンの特徴
全方位でプランドをアピールしていく

店舗拡大やDセグメントへの再挑戦も実施

 新ブランドスローガンとともに、今後の展開についても説明が行われた。

 商品展開では「Dセグメントへの本格的挑戦」として新型「パサート」の導入をあげた。「日本におけるフォルクス ワーゲンの輸入車市場の牽引には余力が残ってる」とし、新型パサートを他の輸入プレミアムブランドに対抗できるクルマだと説明、「日本のセダン市場が見直されているという話しもあるので、新たな領域に再挑戦する」と意気込みを述べた。

 一方、販売店の強化は「骨太のネットワーク」として行っているが、今後は展開速度を加速させ、今後3年間で83店舗をオープンし、2018年には333店舗体制とする。直営店も最近、注目を浴びている神奈川県の武蔵小杉エリアである元住吉に9月にオープンさせるとした。

 さらに新ブランドスローガンの発表に合わせ、「Try VW キャンペーン」としていわゆるワーゲンバスとよばれる「Type2」を模したトースターをプレゼントするキャンペーンを開始。焼き上がるパンにはVWのロゴマークが浮かび上がるもの。応募は4月21日から5月11日までフォルクスワーゲン正規販売店の店頭で行い、来店を促進する。応募者の中から抽選で500名にプレゼントされる。

Dセグメントの再挑戦として、新型パサート、パサートヴァリアントを導入する
店舗数の増加目標。3年で3割以上増える
直営店を神奈川県の武蔵小杉エリアに9月オープンさせる
販売店への来店で応募、抽選で当たるワーゲンバスのトースターと焼き目の入ったパン

(正田拓也)