フォルクスワーゲン「ポロ GTI」は、2014年にパワートレーン等が一新された「ポロ」のホットバージョン。通常モデルのポロでは外見の変更が小規模に留められ、エンジンや安全装備などを大きく進化させたが、それはポロ GTIでも同様となる。
しかし、通常モデルと違ってポロ GTIでは中身のバージョンアップ内容が大きく、直列4気筒エンジンは先代モデルの1.4リッターから1.8リッターへ排気量アップを行い、過給器はスーパーチャージャー+ターボがシングルターボへと変更。その結果、最高出力は先代比13PS増の141kW(192PS)となり、250Nm(25.5kgm)の最大トルクは変わらないものの1250rpmという低域から最大トルクが出るセッティングとなり、従来モデルにもあったアクセルに足を乗せた瞬間から感じられるポロの身軽さが、さらに磨き上げられた。
ボディーは従来と変わらない5ナンバーサイズ。3995×1685×1445mm(全長×全幅×全高)とコンパクトで、5ナンバーサイズの限界よりも若干横幅が狭くなっていることに加え、4m未満に抑えた全長により取り回しだけでなく特に駐車場スペースの制約が厳しい環境でも所有しやすいサイズを維持している。
エンジンの高出力化の一方で、アイドリングストップ機能やブレーキエネルギー回生システムを搭載。トランスミッションは従来同様の7速DSGを組み合わせ、JC08モード燃費は17.2km/Lとなっている。
スタイリングでは、あまり大きく変わったところはないが、オプションでLEDヘッドライトを設定したことが新しい。ハイ/ロービームともにLEDとなるほか、レンズを用いずLEDのチップから放たれた光がそのままリフレクターで反射して前方を照射する構造となっており、外からLEDチップが見えるところにも新しさを感じられる。
インテリアではGTIシリーズの伝統でもあるタータンチェック柄のシートを採用し、ダッシュボードなどの一部はピアノブラック仕上げになっている。
なお、フォルクスワーゲン グループ ジャパンは2015年の新春記者会見で年内にMT車の導入を予告したばかり。今回は7速DSG車での撮影となったが、ポロ GTIも年内にMT車を導入することが明らかになっている。
新型となったポロ GTI。LEDヘッドライトの採用をはじめ、新デザインのホイールなどで全体のイメージはより直線的で精悍なものになっている 赤いラインはLEDヘッドライトの中まで貫通している LEDのヘッドライトはむき出しのチップの光が横方向に光を放ち、周囲のリフレクターで反射して前方を照らす方式。光っているチップが見える アンテナはルーフ後方中央にある。標準車でもリアスポイラー風の形状となっているが、ポロ GTIではさらにスポイラー部が延長されている テールランプは従来型と似ているが、発光パターンが変わっている フロントフェンダーにGTIのバッヂを装着。ドアミラーにはターンシグナルランプが内蔵される 給油口はオーソドックスなキャップタイプ。紛失しないようゴムで止まっており、フューエルリッドに引っ掛けられる構造 専用のアルミホイール。ブレーキキャリパーは赤で塗装される。タイヤサイズは215/40 R17 センターにはVWのマーク、ボルトにはプラスチックのキャップがはめ込まれる 直列4気筒1.8リッターTSIエンジンは直噴タイプでシングルターボチャージャーが備わる。最高出力は141kW(192PS)/5400-6200rpm、最大トルクは250Nm(25.5kgm)/1250-5300rpmを発生 エンジンルーム側から見たLEDヘッドライトの裏側。点灯のための回路が入っていると思われる ロービーム点灯。LEDチップの光がリフレクターに反射している ロービーム+ターンシグナルランプを点灯。ターンシグナルランプはオレンジ色の電球が点灯する フォグランプはハロゲン電球タイプとなり、フロントパンパー内に設置される。フォグランプの外側にはコーナリングライトが装備される ポロ GTIのインテリア。チェック柄のシートがGTIらしさを演出 ステアリングホイールはフラットボトムタイプで、オーディオなどを操作するためのボタンが並ぶ ステアリングホイール下側には「GTI」のバッヂが入る メーターパネル。水温計、燃料計が独立したアナログメーターを持つ4眼式を採用 シフトレバーは標準車と同じ形状だがレザー部が異なり、赤いステッチが入る GTIのシルバーペダル。アクセルベダルは吊り下げ式 サイドブレーキも革巻きレバーとなり、赤いステッチが入る オプションの純正ナビゲーションシステム「714SDCW」。ETCとDSRC対応 リアシート。座席の折りたたみ機能などは標準車と変わらず、ダブルフォールディングタイプとなる メーター中央のマルチディスプレイはステアリングホイール右側のボタンで操作でき、各種情報表示が可能。写真はスピードメーターをデジタル表示させたところ