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写真で見る スズキ「エブリイ」「エブリイワゴン」
(2015/2/18 12:18)
スズキは、2月18日に軽商用車「エブリイ」と軽乗用車「エブリイワゴン」のフルモデルチェンジを行った。エブリイシリーズは軽自動車のタイプではワンボックスに類別される。
このタイプは軽自動車の歴史を見ても古くから設定されていて、エブリイも1964年9月に発売された「スズライト キャリィバン」から続くシリーズとなっている。それだけに、長年エブリイを愛用してきたユーザーがいて、しかもビジネス利用も多いため、その進化は派手さより質実剛健、真面目に育ってきたクルマである。
エブリイ
さて、今回のフルモデルチェンジだが、まず紹介するのは軽商用車「エブリイ」。さまざまな仕事で使われるビジネスの定番車なだけに、モデルチェンジでも使い勝手のよさを重視した。
まずは荷室の広さがポイント。全体のレイアウトを練り直すことはもちろん、バックドアの形状も荷室拡大を重視してデザインした結果、ビジネス利用時に多い2列目シートを畳んだ状態で、クラストップの荷室長となる1910mmを実現。荷室床面長もクラストップでこちらは1955mm。さらに助手席を前倒しした場合(1名乗車)の床面長は2640mmにもなる。
荷室だけでなくドライバーの快適性も向上。若い世代では平均身長が伸びているそうで、体格が大きい人が乗車することを想定して運転席のスライド量を230mmとして従来モデルから65mm延長。助手席も60mm延長されて180mmのスライド量を確保し、ともにクラストップの数値となっている。
また、後席ドアとバックドアの開口部もクラストップのサイズとなっていて、ステップ高や荷室床地上高も最大まで下げたことにより、積み降ろし時の利便性も向上。荷室ではビールケースを積んだ場合、従来モデルでは36ケース積めたのに対して、新型エブリイでは40ケースと大幅な積載容量アップを実現している。
エンジンは「R06A」型の自然吸気モデルとターボモデルがあり、どちらも燃料は無鉛レギュラーガソリン仕様。スペックは自然吸気モデルが最高出力36kW(49PS)/5700rpm、最大トルク62Nm(6.3kgm)/3500rpmで、ターボが最高出力47kW(64PS)/6000rpm、最大トルク95Nm(9.7kgm)/3000rpmとなっている。トランスミッションは3タイプあり、自然吸気モデルには5速MTに加えて5AGS(オートギヤシフト)も設定。これは5速MTをベースにクラッチ、シフト操作を自動で行うトランスミッションで、マニュアルモードも装備する。ターボモデルは5速MTと4速ATのラインアップとなっている。
エブリイワゴン
一方の軽乗用車「エブリイワゴン」の室内長もクラストップを誇り、軽自動車のサイズ枠のなかでできるだけ室内長を稼ぐためインパネの形状を工夫したほか、ロングホイールベース化も実施。これによって室内長はクラストップの2240mmとなり、後席足下の広さをたっぷり確保している。
ちなみに前席と後席の乗員間の距離は、後席のシートスライド量も増えているので従来のエブリイよりも100mm長い1080mmだ。スーパーハイトワゴンほどではないが室内高1420mmのハイルーフ車もあり、室内幅も1355mmなので大人が乗車しても窮屈感は感じないだろう。
エブリイワゴンの魅力はレジャーでの使い勝手のよさだが、新型ではその魅力もブラッシュアップ。室内では多彩なアクセサリーに対応するユーティリティナットやラゲッジボードステーなどを標準装備。ドアの開閉に関してもバンタイプ同様の開口部の広さに加え、リアドアではワンアクションパワースライドドアを装備(PZターボは後席左、PZターボスペシャルは後席両側)。さらに左側にはパワースライドドアの開閉と連動する電動オートステップを装備(PZターボスペシャル)している。
スタイリングでは、存在感と上質感のあるフロントフード形状を採用するとともにメッキ加飾を施した。また角度の立った前後ピラーによってボディーの大きさが表現され、加えてサイドに入る長く直線的なキャラクターラインが視覚的なボディーの長さを作り出している。ヘッドライトはディスチャージ式でテール&ブレーキランプはLED式を採用。ボディーカラーは6色用意され、うち2色は新色となっている。
安全面ではクラス初となる衝突被害軽減ブレーキを搭載。これは約5km/h~約30km/hで走行し、なおかつ自車のレーザーレーダーが前走車を検知している場合に衝突の危険性が高まった際、自動でブレーキを作動させる装置。この自動ブレーキが作動するとハザードランプも自動で点灯し、後続車に注意を促す設定になっている。さらにシフトチェンジやペダル操作のミスによる誤発進を抑制する機能も装備。走行中では、ESPと呼ばれる走行安定補助システムも採用。カーブでの横滑り抑制、発進、加速時のタイヤ空転抑制などの機能も組み込まれている。ボディー構造でも軽量衝突吸収ボディー「TECT」を採用し、万が一の衝突時にも乗員保護や歩行者保護を最大限に行う構造となっている。
エンジンはターボのみを設定し、スペックは最高出力47kW(64PS)、最大トルク95Nm(9.7kgm)。パワフルながら燃費性能はクラストップを実現しており、2WD(4速AT)車で16.2km/Lをマークしている。