写真で見る

写真で見る スバル新型「フォレスター」プロトタイプ(2025年4月フルモデルチェンジ/6代目)

新型フォレスター。撮影車両は1.8リッターガソリンターボエンジンを搭載するSPORT EX。ボディカラーはマグネタイトグレー・メタリック

「正統派SUV」として汎用性、品質を強化

 クロスオーバーSUVが豊富なスバルのラインアップの中で、アウトドア志向が強いユーザー向けのモデルとして位置づけられているのが「フォレスター」だ。1997年に初代モデルが登場して以来、2002年、2007年、2012年、2018年とフルモデルチェンジを実施しつつ商品力を強化。日本国内はもとよりグローバルモデルとして同社の屋台骨を支える存在となった。

 そして、この4月に登場するのが6代目となる新型フォレスターだ。この新型は北米において2025年モデルとして先行デビューを果たしているが、日本仕様のモデルはこれが初公開となる。ただ、今回紹介するのはプロトタイプとなっており、スペックや価格といった詳細なデータは正式発表時に公表されるとのこと。それまでお待ちいただきたい。

 6代目フォレスターは「正統派SUV」という基本的なコンセプトはそのままに、日常から非日常までをカバーする汎用性、長期間乗り続けられる品質の強化を目指した。

 デザインは「Ready for Adventure」をテーマに、安心してどこへでも行ける性能の高さ、堂々とした存在感、都市から大自然まで似合うといった3つのキーワードを主軸に開発。外観は水平基調のモチーフをベースにフェンダーやロアボディに影面をつけることで厚みや重さを強調することでSUVらしさを表現。内装も同様に厚みを感じさせる表現とすることで安心感や高品質感を与えるものとしている。

 ボディサイズは4655×1830×1730mm(全長×全幅×全高)と先代モデルと比べ全長と全幅が15mmアップしているものの、2670mmのホイールベースや220mmの最低地上高は変わらずと取りまわしはほぼ従来通り。タイヤサイズは先代モデルが17&18インチだったのに対し、新型は225/50R18、235/50R19と1インチ大径化されている。

 装備面では3つのカメラを採用する「アイサイトX」(一部モデルに標準)を筆頭に、12.3インチのフル液晶メーターや11.6インチのセンターインフォメーションディスプレイ、デジタルマルチビューモニターといった「クロストレック」などの最新モデルに準じた仕様となった。

 そして新型の大きなトピックの1つといえるのが、トヨタのハイブリッドシステム(THS-II)をベースに水平対向エンジンを組み合わせた「次世代e-BOXER」が搭載されたこと。これはいわゆる「ストロングハイブリッド」で、当初フォレスターから初搭載するとリリースが出されていたが、クロストレックが先に世に出ることになった。

 ストロングハイブリッド専用となるこのユニットは水平対向4気筒DOHC 2.5リッター直噴エンジンと駆動用モーターを組み合わせたもので、トヨタ車と違いプロペラシャフトで前後輪をつなぐ機械式4WDを採用しているのが特徴。フォレスターにおけるスペックは前述したように未公表となっているが、プロトタイプ値ではエンジンが最高出力118kW(160PS)、最大トルク209Nm(21.3kgfm)。モーターは最高出力88kW(119.6PS)、最大トルク270Nm(27.5kgfm)となっており、ここから大きく変わることはないはずだ。

 また、ハイブリッド車だけでなくガソリンエンジン車も用意される。こちらは5代目モデルからキャリーオーバーとなる水平対向4気筒DOHC 1.8リッター直噴ターボユニットを搭載している。5代目モデル搭載時の最高出力は130kW(177PS)/5200-5600rpm、最大トルクは300Nm(30.6kgfm)/1600-3600rpmとなる。

 ラインアップは大きく分けて3タイプ用意される。まず、ハイブリッド車が「Premium S:HEV」「X-BREAK S:HEV」の2タイプで、前者は上質感を高めた上級グレード、後者は撥水機能を持つシート表皮やラダータイプのルーフレールといった装備を持つグレードになる。ガソリンエンジン車は「SPORT」の1タイプのみ。それぞれベースグレードと、アイサイトXが標準搭載となる「EX」グレードが用意される。価格は未公表となっているが、400万円からとアナウンスされている。具体的にはストロングハイブリッド化&スバルグローバルプラットフォーム採用といった基本骨格のブラッシュアップに加え、数々の装備を充実化したうえで約88万円高(5代目X-BREAK比)、ガソリンエンジン車の場合は約55万円高(同SPORT比)になるという。

Premium S:HEV EX

 上質感を高めたモデルとなるのがこのグレード。外観ではフロントグリルのシルバー加飾や19インチアルミホイールが特徴。メーカーオプションで本革シートが選択できるのはプレミアム系グレードのみとなる。

Premium S:HEV EX。ボディカラーはリバーロック・パールをベースにルーフがクリスタルブラック・シリカとなる2トーン
グリルとヘッドライトを組み合わせることでワイド感がありつつアクのないすっきりとした顔つきになった
フェンダー部のアーチガーニッシュやドア下部のプロテクターなどにより重厚感が増した印象
ステレオカメラと超広角単眼カメラを組み合わせたアイサイトを標準装備。EXグレードは渋滞時ハンズオフアシストなどを可能とするアイサイトXを装備
サイドミラー下部にe-BOXERのバッヂが付く
ルーフまわりをクリスタルブラック・シリカとした2トーンカラーを用意。大型のサンルーフはメーカーオプション
左右のリアコンビランプをつないだワイド感のあるデザインを採用
2.5リッターエンジンを核としたストロングハイブリッドシステムを搭載(画像はX-BREAK S:HEV EX)
マフラーは右側のシングルテールタイプ
19インチアルミホイールを採用。タイヤサイズは235/50R19で撮影車両はブリヂストン「TURANZA EL450」を装着
中央に11.6インチのセンターインフォメーションディスプレイを配置したインパネは重厚感のある造形
オプションの本革シートと同じブラウンのステッチを配した本革巻きステアリング。ステアリングヒーターも備わる
助手席前のパネルはハニカム柄と木目調パネルの組み合わせ
メーターは12.3インチのフル液晶タイプ。パワーメーターはもちろんナビゲーションの全画面化も可能
シフトまわり。シフトレバー前方にはワイヤレス充電も用意
EVモードの切り替えスイッチはステアリングコラム右側に用意
インパネ中央に11.6インチのセンターインフォメーションディスプレイ
下部には通信用のUSB端子やAUX端子も用意
ルーフ部にはマップランプやサンルーフの操作スイッチなど
サンバイザー裏には照明付きバニティミラーが備わる
オプションのレザーシートはナッパレザーとウルトラスエードのコンビネーションタイプ。写真のブラウンのほかブラックカラーも用意
運転席ドアトリム。ハーマンカードンサウンドスピーカーはメーカーオプション
パワーウィンドウスイッチなど。ドアハンドル部にはパワーシートのメモリーボタンが付く
ドアの足の当たる部分にプロテクトパターンを配置。右下には隠しアイコンとしてトレッキングシューズの足跡が描かれている。隠しアイコンはこのほかにも多数用意されている
リアシート中央に収納式のアームレストを装備
リアドアトリム。下部のプロテクトパターンに注目
リアドアのパワーウィンドウスイッチ
フロントシート背面にシートバックポケットを用意。下段にはスマホ用のスペースも
センターコンソール後端に後席用のエアコン吹き出し口を用意。シートヒータースイッチやUSB端子も備わる
広々としたラゲッジスペース。6:4分割可倒式リアシートを前倒しすればフラットで広大なスペースが出現
ラゲッジのフロア下にバッテリが収まる
左サイドにパンク修理キットを収納
右サイドにはウーファーやオプションのAC100Vコンセント
左右にある丸い部分はユーティリティナット。オプションのフックを装着することでさまざまな用品の固定が可能
下部にはトレイ。その前方にプロテクトパターンを配置
バックドアにもプロテクトパターン。ここにもユーティリティナットが用意される

X-BREAK S:HEV EX

 アウトドア色を強めたグレード。撥水機能を備えたポリウレタン/合成皮革シートを採用するほか、撥水カーゴフロアボード、汎用性の高いラダータイプのルーフレールなどを備える。

X-BREAK S:HEV EX。撮影車両のボディカラーはオータムグリーン・メタリックとクリスタルブラック・シリカの2トーン。X-BREAKはフロントマスクにグリーンのアクセントが入る
ルーフレールはラダータイプ
ダークメタリック塗装のアルミホイールを装着。撮影車両のタイヤはファルケン「ZIEX ZE001 A/S」の225/55R18
ヘッドライトの点灯パターン
リアコンビランプの点灯パターン。右側にリアフォグランプ、左側にバックランプが入る
シート表皮は撥水性のあるポリウレタンと合成皮革のコンビネーション。ステッチカラーはグリーン
運転席ドアトリム。こちらにもグリーンのステッチが入る
ラゲッジフロアも撥水タイプ。スムーズに荷物の出し入れができるスムーザー機能付
バックドアにランプが内蔵されるのはX-BREAKならでは

SPORT EX

 ガソリンターボエンジン搭載車。外観および内装に金属感のあるブロンズカラーを採用しスポーティさを強調しつつ上質さをも表現する。

SPORT EX。撮影車両のボディカラーはマグネタイトグレー・メタリック
フロントグリルがブラックとなるほかバンパーガーニッシュにカッパーのアクセントが入る
Dピラーのバッヂもカッパー
水平対向4気筒DOHC 1.8リッター直噴ターボユニットを搭載
マフラーはデュアルテールタイプ。リアのバンパーガーニッシュもカッパー
18インチのアルミホイールもカッパー。撮影車両のタイヤはX-BREAKと同じくファルケン ZIEX ZE001 A/Sの225/55R18
インパネにもカッパーのアクセントが入る
カッパー加飾付きの本革巻きステアリング
メーターパネルはハイブリッド車と同じ12.3インチのフル液晶。メーターメインの表示では左側がタコメーターになる
シフトまわり
シフト後方にカップホルダーなどを配置。サイドブレーキはオートホールド機能付だがONにするにはセンターディスプレイ内のスイッチを操作する必要がある
ペダルまわり
ステアリングコラム右側のスイッチ群はハイブリッド車に比べてシンプル
11.6インチのセンターインフォメーションディスプレイ。エアコンボタンの上に自動サイドブレーキ用の「AVH」ボタンがある
「Xモード」の操作も画面上で行なう
シフトレバー前にワイヤレス充電器を装備
センターコンソール内にETC2.0車載器をビルトイン
助手席前のパネルにもカッパーのアクセント
シート表皮はウルトラスエードと合成皮革のコンビネーション。ステッチカラーはブラウン
シートのショルダー部は中央側を少し大きめにカットした非対称形状。これは後部座席とのコミュニケーションを考慮してとのこと
運転席ドアトリム
ラゲッジはハイブリッドモデルとほぼ同じ広さ。道路面からのフロア高も同じだという
フロア下には小物が収納できるサブトランク
さらに下にはスペアタイヤやツールが収まる
ハイブリッド車にあったAC100Vコンセントが省略される

SPORT EX オプション装着車(ADVENTURE Style)

 新型フォレスターでは純正アクセサリーも豊富に設定される。外観では「ADVENTURE Style」「PREMIUM Style」「STI Style」とコンセプトが異なる3タイプのバリエーションを用意。このADVENTURE Styleではアウトドアを意識した樹脂製のプロテクターを随所に配置するほか、ターコイズブルーのアクセントをあしらうなど非日常感を意識した仕上がり。

 インテリアに関してもラゲッジスペースを活用してスポーツギアを積み込んだり、車中泊を快適に過ごせたりするアイテムが用意されている。

ADVENTURE Style
サイドのプロテクターにはパラコードを張ることで停車中に小物などをかけておくことができるようになっている
ヒッチキャリアなどを接続できる「アクティビティ・マウント」を設定。ただし、アクセサリー用でけん引に使用することはできない
樹脂製のカーゴステップパネル。立ち上がり部までカバーされており実用的
車中泊の使用例。シートバックに装着することでフロアを1550mmから1800mmに延長できる「リアシートバック・エクステンション」など便利なアイテムが数多く用意されている
新型フォレスター
新型フォレスター