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写真で見る トヨタ「スープラRZ」(2025年一部改良)&特別仕様車「A90ファイナルエディション」
2025年3月21日 13:30
- 2025年3月21日 発表
- RZ:800万円
- A90 Final Edition:1500万円(世界限定300台/日本は150台限定)
現行「スープラ」は、2019年に先代モデルから17年ぶりに登場。翌2020年には一部改良が施され、ボディ剛性と出力のアップが図られたほか、モータースポーツ用のレーシングカー「GRスープラGT4」も登場。
2022年にも一部改良が実施され、運動性能の向上と6速MTが追加された。その後もモータースポーツ用レーシングカーは「GRスープラGT4 EVO」「GRスープラGT4 EVO2」と進化し、今でも世界各国のGTレース、ドリフト競技、NASCARなど、さまざまなモータースポーツの現場で多くのチームが愛用している。
今回実施された一部改良では、“ユーザーからの声”と“モータースポーツからの学び”の2点を生かし、これまで以上に一般道からサーキットまでをより幅広く楽しんでもらえるマシンを目指し、「乗り心地」と「限界性能」のバランスをさらに高次元へと引き上げたという。
市街地~ワインディング~サーキットまで存分に走りを楽しめる「RZ」
市販グレードの「RZ」は、スープラの走りの進化を多くのユーザーへ届けるべく、「日常でもサーキットでも、さらに走りを磨いたモデル」へと進化。6速MTと8速ATがあり、価格はいずれも800万円。
フロントブレーキは、ブレンボ製18インチアルミ4ピストン対向キャリパー、さらにフローティング機構の374mm大口径ドリルドディスクローター、リアはフローティングキャリパー+345mm径ディスクを採用し、制動力はもちろん熱許容量もアップ。
合わせて路面とのダイレクト感とグリップ感の向上を狙い、リア床下にブレースバーを装着。足まわりもフロントロアアームとリアサブフレームのマウントを強化ゴムに変更しつつ、前後スタビライザーブラケットをアルミ強化品に変更。さらに、フロントスタビライザーの強化も図られている。
また、GRスープラGT4 EVO2にも採用されているKW(カーヴェー)製減衰力調整式サスペンションを装着しつつ独自のセッティングを施したほか、前後キャンバー角の見直し、EPS(Electric Power Steering:パワステ)、VCS(Electric Power Steering:横滑り抑制機能)、アクティブデフの制御最適化などが実施された。
エクステリアは、ホイールアーチの前側にダウンフォースを生み出す「ホイールアーチフラップ」を追加。さらにフロントバンパー下部にある「フロントタイヤスパッツ」を10mm延長。タイヤの正面に当たる走行風を低減させつつ、ダウンフォース増強に寄与している。また、フロントのダウンフォース増に対し、リアにもダックテールタイプのカーボンリアスポイラーを追加。適切な前後バランスを生み出し、どの速度域でもリニアなハンドリングを実現させている。
室内は、シートのヘッドレストにGRロゴが刺繍であしらわれたほか、シートベルトはレッドタイプに変更。また、6速MTモデルはシフトノブとシフトブーツに赤色のアクセントが追加された。
すべてが特別な「A90ファイナルエディション」
特別仕様車「A90ファイナルエディション」は、ファンの応援やモータースポーツでの後押しに対して、“量産の制約を外した、究極の仕様・性能のモデル”との位置づけで開発された究極の市販スープラ。トランスミッションは6速MTのみの設定で、価格は1500万円。日本と欧州のみの限定300台で、日本への割り当ては150台で抽選販売となる。
なお、アメリカでの人気も高いスープラだが、今回欧州と日本にしか導入されないのは、アメリカの規制が厳しいためとのこと。欧州で製造されてから輸入されるため、日本では持ち込み登録となる。
搭載する直列6気筒3.0リッターターボガソリンエンジンは、低背圧触媒の採用、レゾネータ廃止、インテークパイプの経路変更、排気効率の高いアクラポビッチ製フルチタンマフラーの装着、さらにエアクリーナーボックスの大型化などにより吸排気効率を高め、合わせてエンジン制御を最適化することで最高出力324kW(441PS)/6000rpm、最大トルク571Nm/4500rpmを発生。
また、エンジンの出力向上に合わせて、サブラジエーターの追加、ラジエーターファンの出力アップ、ボンネットダクト追加など、冷却性能もパワーアップ。さらに、デフカバーの冷却フィンの大型化や、オイルパンにバッフルプレートを追加して、コーナリング中のオイルの偏りを防ぐ措置を施すなど、サーキットの連続走行にも耐えられる装備を付与してある。
エクステリアは「GRスープラGT4」を開発したTOYOTA GAZOO Racing Europeが空力性能開発を担当し、カーボンフロントスポイラー、カーボンフロントカナード、フロントセンターフラップを追加したほか、GRスープラGT4にも採用してるスワンネック構造のカーボンリアウイングを装備。前後の空力バランスとダウンフォース、ドラッグを最適化したことで接地性とハンドリング性能を高いレベルで両立させた。
ブレーキは、フロントがブレンボ製19インチアルミ4ピストン対向キャリパー+395mm径フローティング構造ドリルドディスクを、リアはフローティングキャリパー+345mm径フローティングドリルドディスクを採用。さらにブレーキホースは熱に強いステンメッシュ製のホースに交換している。
また、路面との「ダイレクト感」と「グリップ感」を向上させ、意のままのハンドリングを実現するため、フロントとリアの床下にブレースバーを追加、さらにカウルブレースバー、ラゲッジクロスバーも追加。加えて、フロントロアアームにピロブッシュと強化ブッシュを採用。リアサブフレームのマウントをアルミ製にしてリジット化。前後のスタビライザーとその取り付け部の強化が図られたほか、キャンバー角度の見直し、アクティブLSDの制御最適化などが行なわれている。
剛性補強バーや冷却性能アップのための追加パーツが複数あるが、カーボン製のフルバケットシート×2脚やフルチタンマフラーなど軽量パーツもあるので、車重は標準モデルから+7kgとほぼ変わらずとのことだ。