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写真で見る 屋久島に納車されたヒョンデ中型EV路線バス「エレクシティタウン」
2025年4月22日 12:35
ヒョンデ(Hyundai Mobility Japan)といわさきグループ(岩崎産業)は4月21日、ヒョンデの新型BEV(バッテリ電気自動車)バス「エレク シティ タウン(ELEC CITY TOWN)」5台を屋久島(鹿児島熊毛郡屋久島町)へ納車。納車式と合わせてメディア向けの試乗会を実施した。
中型EV路線バスのエレク シティ タウンは、日本のバス車体規格ガイドラインに準拠し、日本市場のニーズに合わせてヒョンデが製造した路線バス。ワンマン路線バスに必要な装備の架装に対応しつつ、145kWhのリチウムイオンバッテリを搭載し200km以上の航続距離を確保した(外気温、冷暖房装置の使用、乗車人数により変動あり)。新規車両登録後から、フロントガラス、サイドミラー(片側)は10年間、タイヤパンクは5年間にわたり修理・交換サービスが提供される。
ボディサイズは8995×2490×3400mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは4420mm、乗員定員は55人(座席18人+立ち乗り36人+ドライバー)、最小回転半径7.6m、登坂能力25%、モーター出力は定格140kW(190.3PS)、最大160kW(217.5PS)、最高速80km/h、一充電走行距離は208km(条件により変動あり)。
屋久島に納車された5台は、まずは敷地内でドライバーの試走を行ない、BEV特有のアクセルワークをしっかり理解したのち、実際のバス路線へと配備される。現状ではゴールデンウイーク明けの予定となっている。
また、すでに事前テストで問題なく走れることが確認できている山間部で厳しい走行条件のヤクスギランドルートや白谷雲水峡ルートは、繁忙期は大勢の観光客が訪れることから、中型ではなく大型バスでの運用が望ましく、中型のエレク シティ タウンは、別ルートに配置される可能性が高いという。
テスト運転したドライバーによると、回生ブレーキが2段階で調整でき、効きの強い方であれば、下り坂でしっかりエネルギーを回収でき、停止の直前までブレーキペダルを踏む必要はないという。ステアリングの取りまわしなどは従来のバスと同じとのこと。
安全装置として、各種センサーで車両の挙動を測定し、モーターの出力・ブレーキを制御して、悪天候や滑りやすい路面でも車両のコントロールを容易にするVDC(Vehicle Dynamics Control:車両安定装置)、後退時に超音波センサーで歩行者や障害物の接近を感知してメータークラスターの表示と警報音で乗務員に注意を促すPDW(Parking Distance Warning:後退時車両直後確認装置)、ドライバーが安全に運転できないなどの緊急事態が発生した場合、運転席と客席に設置された非常ボタンを押すことで車両を緊急停止させるEDSS(Emergency Driving Stop System:ドライバー異常時対応システム)、ダッシュボードに設置したカメラがドライバーの状態をモニタリングし、居眠りや脇見運転とシステムが判断するとメータークラスターの表示と警報音で注意を促すDSW(Driver State Warning:ドライバーモニタリングシステム)、前扉と中扉外部に近づく歩行者や障害物を超音波センサーで感知し、メータークラスターに表示してドライバーへ注意を促す扉外部センサーなど、最新の機能を多数装備している。
運転席には12.3インチのマルチインフォメーションメーターを装備するほか、センターにも大型ディスプレイを完備。通常のヒョンデ乗用車と同じヒーリングミュージックを流せ、開催中の大阪・関西万博で走らせているバスでは乗客から好評とのこと。