写真で見るBMW「760 Li」


 7シリーズは1977年に初代モデルが登場して以降、同社のフラッグシップモデルに位置づけられる最高級ラグジュアリーセダン。現行7シリーズは2009年の3月に第5世代として登場し、同年7月にはロングホイールベース仕様の760 Liを発表した。

 760 Liは、最高出力400kW(544PS)/5250rpm、最大トルク750Nm(76.5kgm)/1500-5000rpmを発生するV型12気筒DOHC 5972ccツインパワー・ターボ・エンジンに、BMW初の8速ATを組み合わせ後輪を駆動する。

 エンジンは燃焼室に燃料を直接噴射する高精度ダイレクト・インジェクション、無段階ダブルVANOS可変バルブ・タイミング機構により、アクセルペダルの動きにレスポンスよく反応するとともに大トルクを発生させることに成功したと言う。さらにブレーキ・エネルギー回生システムなどを採用したことにより、先代モデルと比較して出力を22%、トルクを25%向上させつつ、燃料消費率を約4%低減することに成功した。10・15モード燃費は6.3km/L。

 エクステリアは専用にデザインされた幅広のキドニー・グリルや、フロントサイドパネルからフロントドアパネルにまたがるV12エンブレム(サイドターンインジケーター内蔵)などのほか、デュアル・ツイン・エキゾースト・テールパイプなど随所にクロームパーツを奢ることで一層の高級感を持たせている。

 ホイールベースはベースモデルより14cm延長され、後席の居住性が一層高められている。それに伴い、リアドアの開口部も拡大し、乗降性も向上。ヘッドクリアランスを確保するため、ルーフラインやCピラーのデザインも変更されていると言う。

 インテリアでは、レザー仕上げのインストゥルメントパネル、アルカンターラのルーフ・ライニングとサンバイザー、象嵌細工が施されたウォールナット製のウッドトリムなど、さまざまな専用品が施される。

 ボディーサイズは同じロングホイールベースを持つ740Li、750Liと同じく5210×1900×1485mm(全長×全幅×全高)で、ホイールベースは3210mm。ステアリングポジションは左右から選択できる。撮影車は右ハンドル仕様。価格は1920万円。

760 Liのボディーサイズは5210×1900×1485mm(全長×全幅×全高)で、ホイールベースは3210mm。重量は2290kgで定員は4名。最小回転半径は5.7m
光軸自動調整機構付きのバイ・キセノン・ヘッドライト。フォグランプも標準装備サイドターンインジケーター内蔵のV12エンブレムグリップタイプのドアノブにはメッキ加飾が施される
フューエルリッド。ガソリンは無鉛プレミアムを指定するテールランプはLED式トランクリッド右側に「760 Li」のエンブレム
左右2本出しのデュアル・ツイン・エキゾースト・テールパイプは760 Li専用装備760 Li専用サイズの19インチアルミホイール。サイズはフロントが8.5J×19でタイヤサイズは245/45 R19、リアは9.5J×19に275/40 R19を組み合わせるV型12気筒DOHC 5972ccツインパワー・ターボ・エンジン。車両重量は2290kgだが、0-100km/h加速はわずか4.6秒
キドニー・グリル内に収まる赤外線カメラで撮影し、前方の様子をディスプレイに表示する「ナイト・ビジョン」ナンバープレート上部にはバックカメラが備わる
高い質感を感じられるインテリア。ダッシュボードやセンターコンソールに加飾されるウォールナット・ウッド・インテリア・トリムは760 Li専用装備のものトランスミッションは760 Liにのみ奢られる電子油圧制御式8速AT。運転席側に配置されるスイッチでダイナミック・ドライビング・コントロールをコントロールする。設定は「コンフォート」「ノーマル」「スポーツ」「スポーツ・プラス」の4段階で、サスペンションやトランスミッション、パワステのアシスト量を連動して調節するヘッドアップ・ディスプレイは、車速を表示するほかカーナビ使用時はルート案内の矢印表示も行う。760 Liはレーン・ディパーチャー・ウォーニングを標準で装備し、ヘッドアップ・ディスプレイからもドライバーに警告を行う
電動式のチルト&テレスコピック機構を備えるマルチファンクション・レザー・ステアリング・ホイール。ハンドル左側のスイッチでクルーズコントロールの操作を、右側のスイッチで電話やオーディオ操作を行う
メーターパネル内。左から燃料計、スピードメーター、タコメーター、油温計。その下に配置するインフォメーション・ディスプレイは時刻、外気温度、路面凍結警告、平均燃費、推定航続距離、平均速度、各種警告などを表示する。タコメーター内はブレーキ・エネルギー・回生システム・インジケータも備える
センターコンソールにカップホルダーを2つ用意オートエアコンは左右独立して温度調整が可能。フィルターは花粉除去機能付きセンターコンソールボックス内にはAUX端子を備える
ヘッドライトの点灯/消灯スイッチの下にレーン・ディパーチャー・ウォーニング(車両逸脱警告システム)や歩行者検知機能付きBMWナイト・ビジョン、ACC(アクティブ・クルーズ・コントロール)などのスイッチ運転席側のストレージボックスドア・シル・プレートはV12のロゴ付きで、イルミネーション機能が備わる
シート表皮はナッパレザーを採用。同素材はドアトリム上部やダッシュボードにも使用されるフロントシートは前後調整や高さ調整のほかバックレスト上部の角度やバックレスト幅、サイ・サポートの調節も可能電動ガラス・サンルーフは標準装備
運転席側のドアにパワーウインドースイッチと電動ミラー調整スイッチ、シートメモリースイッチ。シートメモリースイッチの横にあるフロント・アクティブ・シートボタンをONにするとツーピース構造のフロントシートのシートクッション部が周期的に上下に動き、長距離運転の疲労を軽減する運転席および助手席のシートバックには9.2インチディスプレイを標準装備。後席専用のiDriveコントローラーでオーディオ機能などを操作できる後席も左右独立で温度調節が可能
ショーファードリブンカーらしい広々とした後席は、マッサージ機能やシートヒーター機能を有する後席も電動でバックレスト角度、クッション前後位置、バックレスト上部角度、ヘッドレストの高さ調節などができる
後席のiDriveコントローラーアームレストにカップホルダーが2つ備わるアームレストの収納スペース
後席中央の収納スペース後席用のバニティーミラーは照明付きトランクスペース
トランクは電動タイプランフラットタイヤを標準装備するため、スペアタイヤの代わりにファーストエイドキットをトランクリッド裏に備えるほか、工具も収まるフロア下の収納スペース
10.2インチワイド・コントロール・ディスプレイは、ナビやTV画面のほかエンジンオイルレベルや点検実施時期といった車両ステータスや、ヘッドアップディスプレイ、インフォディスプレイ、センターディスプレイなどの設定なども行える

(編集部:小林 隆 / Photo:小林克好)
2010年 5月 13日